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ひろっぷ
2020-05-17 12:54:04
3751文字
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【腐】驚きと主命の小話 -四-
いつものつるへし。会話文のみ多め。
【惚気】
「にしてもさぁ、博愛主義に見える君があの生真面目くんを相方にするだなんて
…
。人の身は分からないものだよ」
「失礼な事を言うな。まぁそれに関しちゃ俺自身も思うところがあるが」
「一目惚れってやつかい?」
「んー。からかいがいのある奴だとは思っていたが、初めの頃はそうでもなかったな」
「でも印象は良かったんだ?」
「あぁ。なんせそれで今があるからな!」
「惚気〜聞いた僕が悪かったよ」
【主命を駄目にする神獣】
※鶴丸異形化
「
…………
」
暖かいぞ、長谷部。
「いや、分かっている。分かっているが」
ならもう少しこっちに来てくれないか。寒そうだ。
「
……………
わ、分かっている
…
」
…
長谷部
…
。
「ぐ
……
!ええい!」
ほら、暖かいだろ。
「
……
そ、そうだな」
柔らかいだろ。
「そう
…
かもしれない
…
」
素直じゃないな。
「
……
お前が
……
」
ん?
「その姿じゃなければ
…
お前
…
にも
…
。俺が
……
」
長谷部?
「
……………
」
寝たな。
…………
「長谷部は寝たか?」
「おう。今ぐっすりだぜ」
「それはよかった。このところ何か思いつめていたようだからな」
「問いただしてやりたいが長谷部だしなぁ。俺もそれとなく聞いてみるが、君からも探っておいてくれないかい」
「あぁ。
……
それにしても不思議なものだな」
「何がだい?」
「好奇心の塊の様な君が、一振の刀にご執心とは、とな」
「
………
そうかい。楽しそうで何よりさ」
【見せつける】
「
…………
」
「長谷部、あーんだ!あーんをやってくれ!」
「いや、その
…
皆がいるからだな」
「構うものか。皆俺達の事は知っているんだからな!」
「う、いや、しかし」
「はーせーべー」
「ひ、一つだけだぞ。
…
あーん」
「あーん。
…
んー!」
「
…
どうだ?」
「美味い!さすがだ!」
「なんだいあれ。また見せつけかな」
「いつものだろう。鶴丸も飽きないな」
「弟〜。それ頂戴〜」
「ん。ほら、口を開けてくれ兄者」
「あー」
【ばれんたいん】
「くれてやる」
「ん?どうしたこの箱」
「い、いらないなら捨ててくれて構わん。ではな」
「あ、おい長谷部!
…
なんなんだ」
「お前は肝心な所は察しが悪いなぁ」
「君に言われたくはないがな!」
「早く開けてやれ。このままでは本当に行方をくらますぞ」
「へいへい分かりましたよっ
……
と
…
」
「ははは」
「〜〜!あいつは本当にもう!急用を思い出した!」
「あぁ、さっさと行け行け」
「
………
らしくないな、俺は」
「どうした。渡せたのだろう?」
「碌に会話をせずにな。どうしてもあの様な雰囲気が苦手で」
「まぁ
…
『男』というものは貰う側だと聞いているからな。少なからず抵抗は感じるのではないか」
「そうかもしれん。
…
ん?」
「はーせーべー!」
「んなっ!?」
「あぁ
…
では俺は失礼しようか」
「待て膝丸去らないでくれ頼むこの雰囲気絶対耐えられんだからいてくれないか」
「すまんが当て馬にされたくないのでな」
「薄情ー!!」
「長谷部!作ってくれたんだよな!」
「そ、そうだ。でも不味かっただろう」
「いいや!君が作ってくれたものはなんでも美味いって前にも言ったぜ」
「!?あ、ええと」
「それになぁ君。自信がなけりゃ俺にくれる前に捨てる機会があったろう」
「!!」
「ということはだ。俺に自信を持って渡してくれたんだ。不味いわけないだろうということさ!」
「分かった。分かったからもういい。だから今日は帰れ」
「何故だい」
「は?」
「色んな食べ方があるって聞いたぞ。早速実践しようじゃないか!」
「はぁ!?なんだそれは!俺は知らんぞ!待て、待て待てそれ以上近づくな!止まれ鶴丸!!」
「やなこった」
「うあぁぁぁぁ」
【君が心配なんだ】
「鶴丸」
「
………
」
「鶴丸、もう大丈夫だから」
「
……
だめだ
…
」
「
……
」
「君が目の前で折れかけたんだ。俺が見ていないと駄目なんだ」
「
…
なら、部屋を共にしよう」
「うん」
「朝から晩まで、食事も湯浴みも、なるべく共にしよう」
「うん
…
」
「それでは、駄目か?」
「分かった
…
。君がそこまで譲ってくれるのなら、俺は受け入れよう」
「あぁ。悪かった」
「全くだ。本当はこれだけじゃ足りないぐらいだからな」
「
……
これ以上何を望んでいるんだお前は」
【へし切にゃんにゃん①】
「山姥切、少しいいか」
「長谷部?どうした頭を押さえて。頭痛か?」
「ち、違う。その
…
お前の布を借りたいんだが」
「布?内番でしか使わなくなったから構わないが。怪我でもしたか?手入れ部屋に行った方が
…
」
「怪我もしていない。大丈夫だから、早く布を
…
」
「
……
長谷部」
「な、なんだ」
「抑えてる手を取れ。怪我でも頭痛でもないならなんてことないだろう。理由が分からなければ俺も貸すに貸せない」
「
……
。絶対に笑うなよ」
「?笑わない」
「ほら」
「
…
は?
……
はぁ?猫の
…
耳?」
「見せただろう。布貸してくれ」
「その前に長谷部」
「なんだ!」
「触っていいか?」
「だから見せたくなかったんだ!させんぞ!貸してくれないならもういい!」
「残念だ。待て、布なら貸す」
「
…………
治ったら洗って返す」
「そのままでもいい。というか鶴丸に相談
……
は
…
駄目だな」
「だから来たんだ
…
何されるかわかったもんじゃない」
「という驚きの気配を察知して!!」
「うわぁぁぁあ!!?」
「うわ鶴丸早いな」
「俺の退路は防げない!!」
「おっとー!そうはさせないぜ!」
「わぶっ」
(これは
…
)
「鶴丸、程々にしてやれよ」
「おうよ」
【へし切にゃんにゃん②】
「
………………
」
「なーはせべーその布もう返してやれよー。鶴さんもう分かっちゃってるからさ」
「
……
何もしないと誓えるか」
「それは
…
うーん。見てみないと分からんな!」
「
……
」
「困った困った。見せてくれたら治せるかもしれないのになぁ」
「
……
本当か?」
「ふふ。隙あり!」
「!?あっ!?」
「
………
」
「
……
」
「本当に可愛いな君
…
」
「うるさい」
「普段の可愛さにその耳かい?俺の幻覚だったら驚きだ!」
「口を閉じろ」
「そりゃ無理だ。ふぅん
…
この耳は髪の色と同じかい」
「ひっ
……
」
「
………
」
「
……
触るな。もう触
…
ぁっ
…
!?」
「
…
ふぅん?」
「
………
!!!!」
………
「この声は
…
長谷部か?」「いつものだねぇ。あ、弟〜そろそろ遠征だよ〜」
【恋について】
「なぁ長谷部。恋ってなんだと思う」
「今更それを聞くのか。俺とお前みたいな関係のことだろう」
「それを具体的に」
「
……
。互いの事が大切で、手離せず、生涯を共にする
…
仲
…
?」
「うんうん。それで?」
「それ以上?言葉では思いつかん。
…
?あぁ、鶴丸、修正する」
「ん?」
「恋は、愛に到るまでの試練だ。憎み、悲しみ、最後は己が手に欲するまでの過程。俺はそう思う」
「
…
こいつは驚いた」
【白がいない日は】
「くぁ
……
」
「おはよう。眠たそうだな。寝不足か?」
「ん?あぁいや、なんとなく寝付けなくてな」
「
……
。そういえば鶴丸はまた遠征で不在だったか。それでか?」
「ちが
…
何故そうなる!俺はただいつもより寒くてだな
…
!
…
!」
「ほうほう。ほうほうほう」
「くっ。悟ったような顔をするな鶯丸!!」
「いやいや。鶴にも春は来るのだなぁと感慨深くなっていただけだ。なに、寝不足ならば良い茶葉があるぞ。朝餉の時に出してやろう」
「それはいただこう!!」
(そこは貰うのだな)
「長谷部〜!鶴さんが帰ったぞ!寂しくなかったか?ちゃんと寝たか?」
「お前は俺の母親か。
……
その」
「うん?」
「寒かった
…
少し。お前がいないだけであぁも変わるんだな」
「
…………
」
「鶴丸?どうし
…
!な、なんだ!離せ!」
「君ってやつは〜!今日は暖かくして寝ような!」
「??あ、あぁ
…
?」
(あれは分かってない顔だなぁ)
(すごいな。噛み合ってるようで合ってないとはこんな風なのだな)
【いない、いない】※死ネタ
目を覚ます。そこはいつもと変わらない本丸のいつもの朝。心配して見に来たのであろう仲間が各々声を掛けてくるなか、己は乾いた返事をするだけ。
皺になった布団を見下ろし、ぼうと開いた襖の先を見る。中庭で遊ぶ短刀達、それを離れて見守る兄弟刀。微笑ましいと思った。だが、それだけ。
それ故に思い出す。
自分にも、あんな相手がいたのだと。
白い、白い、無邪気な刀が。
こちらを庇って折れた刀が。
微笑ましく見ていた先が、急に憎らしくなる。
これ以上は、と思わず閉めてしまった襖。あの光景と、白の刀の面影が交互に思い浮かぶ。
そして知らされる。へし切長谷部は、鶴丸国永のいない世界に生かされるのだと。
「ふ、
…
ぅ
……
ぁ、ぁあ」
畳を掻きむしり、口が小さく震える。耐えきれず出た嗚咽と共に涙が溢れて止まらなかった。
(あぁ。連れていってはくれなかった)
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