ひろっぷ
2019-11-06 21:18:55
2770文字
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【腐】驚きと主命の小話

鶴へし。会話文のみが多いです。


【無意識の告白】

「鶴丸。俺はお前の驚きを求める姿勢が理解できん。だが、生き様は尊敬に値するものだと俺は思う」
「素直に尊敬してくれて構わんぞ」
「ぬかせ。といいたいのに反論出来ない。不思議なものだ」
「!」
「お前にその探究心がなければ俺は、」
「待て。待て待て」
………
「君は自分の言っている言葉を理解しているか?それ、どう考えても説いているだろう!」
「誰が」
「君!へし切長谷部が!」
「誰に」
「鶴丸国永!俺だ!」
「何を」
……愛を!」
………
………
邪魔をしたな」
「帰すと思うかこの野郎!」
「くそっ離せ!お前のせいだ!」
「あぁそうだ俺のせいだな!大丈夫だ責任はとる!」
「なにが大丈夫なんだお前!くぅう俺を刀解してください主ー!!」



【地の果てまでも】※現パロ

「やっと見つけた!」
「!?な、なんだお前は!」
「俺!俺だよ!分からんか!?」
「そんな珍妙な姿をした知り合いは一人ぐら……!?いや、何故俺は?い、いない!そんな奴は知らん!」
「そりゃないぜ!地の果てまでも見つけてやるって約束したんだぞ!」
「約束した覚えはない!くそ俺が独り言言ってる不審者になるだろうが!」
「ん?つまり周りに見えてないってことか」
……?」

「じゃあ問題ない。なぁ国重。いやへし切長谷部」

「!?」
「ここじゃ退屈だろ。俺と行こう。な?」
……
「そんなに驚いてくれたか!嬉しいなぁ」
「ちが、な、で
「おお泣くほどか!あっちのが楽しいからな、俺が一緒だ」
………っ」

「おかえり、だな。長谷部!」




【好きになるほど】

……!!……っ!!」
「待ってくれよ〜!ちょっとだけ!ちょっとだけだから!」
「騒がしいな。この声は鶴丸と誰だ?」
「へっしーくんだね」
「兄者。しかし長谷部か。珍しいな」
「そうだねぇ。つるつるくんがなにか持ってたみたいだからまぁね!」
……あぁ頑張れよ長谷部





【なぁ】

鶴丸国永、お前はずる賢い刀だ。驚きを求め、しかし戦場では弁え力を振るう。
そんなお前を疎ましく思い、反面羨ましく思っていた。なんて自由で、なんて気まぐれな奴なのだと。
それがなんだ。ただの刀になって帰ってくるだなんて誰が予想した?
この本丸の誰もがそう思っているはずだ。
いつものように笑って驚かせるだろう。何故何も言わない。
なあ、聞いているのだろう。
………なあ。鶴丸。
いつものように、俺に、冗談を。
なぁ。鶴丸国永。

俺は、これからお前のいない時をどんな顔をして過ごせばいい?



【高揚ゆえ】

「鶴丸」
………
「鶴丸国永」
「え、あ、なんだ?」
「こちらの台詞だ。そろそろその殺気を仕舞え。それとその血だらけの服なんとかならんのか」
「なんとかと言ってもな。帰城するまではなんともならんだろう」

(周りが見えなくなるほどとは困りものだな)

「それになぁ長谷部」
「なんだ」
「俺は昂ぶって仕様がない!人の身を得てからこんなに楽しいことはないんだ。君は楽しくならないか?」
…………そんなもの」
「ん?」
「楽しいに決まっている
「!」
「貴様がそれほど浸れるものに、俺が抗える訳ないだろう……
………
「おい何か言え」
「じゃあ可愛いと言っ」
「圧し切るぞ」




【つるまるとりなが】

「終わったー!長谷部さん帰ろー」
「分かった分かった。帰るから気を抜くなよ。ん?」
「鳥こっちに飛んできてない?」
……お前か」
「へ。長谷部さん?」
「付いてくるなと言っただろう、全く
「わぁ可愛い!これ鶴丸さんの服着てる
「こいつは鶴丸だが」
「え」
「さぁ帰るぞ」
「待って長谷部さん!詳しく、詳しく!」
「知らん。話さん」
「も〜!」




【何に化けても】

「おおい、誰か鶴丸を知らないか」

始まりは誰かのこの言葉だった。そういえば、とあちこちから声はあがるものの、誰も見ていないという。またどうせ驚かそうとどこかに隠れているのだろうと誰かは言ったが、長谷部だけは皆を驚いた顔で見まわしていた。

「お前達は何を言っている。鶴丸ならそこに

指をさした先には確かに何かがいた。けれど皆が知っている鶴丸国永ではなく鳥に見える。
しかも遠目でも分かるぐらいには大きいときた。
聞けば長谷部にはあれが鶴丸だと感じるらしく、堂々と歩いて近づいていくではないか。

「長谷部!危ないぞ!」
「平気だ。おい鶴丸!皆がお前を探していたぞ!」

長谷部がそう叫ぶと鳥らしき生物はひと鳴きし、頭を彼に近づけた。
思わず魅入ってしまった刀達だったが、ひとつ瞬きをするといつもの鶴丸国永が長谷部の隣に立っている。
呆気にとられている皆を他所に、鶴丸は頭を掻きながら謝罪を零す。

「いやぁすまん。驚かせる練習をしていたら内番を忘れてたな!」
「も、もー!充分驚いたから!」
「内番は僕と畑当番ですよ。いきましょう」

わいわいと賑やかになる縁側を他所に、少し離れていた長谷部の元に膝丸が近付く。

「よく鶴丸だと分かったな。害はないと感じではいたが」
「逆に俺だけだったのかが謎でしかないな

本刀も分かっていないようで膝丸は小さなため息をつくしかなかった。そしてそれを聞き逃す長谷部ではあらず。

「な、なんだ」
「いや。報われるといいなと思っただけだ」
「?」




【きんぐはせべ】

「長谷部を探しに来たら本丸以上に大きくなっていると誰が予想しただろうか」
「起きたらこの姿で。自室で大きくならなくて幸いだったが」
「本当だね。でもどうしようかこれ
「何でもかんでも長義に相談するのはまずいな。政府にかけあってみよう」
「すまない膝丸。助かる」
「いい。常日頃の礼だ」
「ここぞとばかりに日頃の行いが発揮されている

……

「どうだった?」
「結論から言うと本丸内の霊気の乱れだそうだ。二、三日すれば治るらしいから、その間は本丸の側でその野宿になるだろうか」
「大丈夫だ。治るのであればそれぐらい容易い。偵察もしやすいし本丸を守ろう」
「ごめんね長谷部くん。本丸の中は僕達でなんとかまわすよ」

………

……で、何故お前がここにいる」
「つれないこと言わないでくれよ。中に長谷部がいなくて退屈なんだ。話し相手になってくれてもいいじゃないか」
…………仕方ない」
「お!いいのかい!じゃあ茶菓子を持ってこよう」
「あ、あぁ」

(本丸に背を向けてる君が余りにも寂しそうだから、と主が俺を寄越したってのは黙っておくべきだろうなぁ)