ひろっぷ
2019-10-21 00:46:15
3033文字
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刀の小話まとめ

刀同士の交流のみ/ほぼ会話文/gnj兄弟、長谷部、燭台切


【文字喰い】

「ん。それ美味しそうだな」

「あっ!ちょっ!それ書類の!」

(うん?)

「何、また書けばいいだろう。貰うぞ」

「長文だから!書き直すの大変だか……ぁあああ」

「!?膝丸お前今何を食べた?」

「うん?あぁ、文字だが」

「も……?お前は山羊にてもなるつもりか?」

「言い得て妙。山羊丸」

「やめてくれ」

「腹を下さないか?にしても何故

「そういう物理的なものではない。巻物語だけの『俺』も存在していてな。存在を表すための文字は良く言えば貴重、悪く言えば執着する。だから癖になって腹に収めたがる」

「なんだそれは」

「俺は確実な刀ではない。だから不安定故に衝動的な事が多くてな」

「なんだそれは





【厨マスター光忠】

「カレーオムライス……ううむ」

「ん?珍しいね膝丸さん。厨に立つなんて」

「光忠か。何、主が俺の料理を食べたいと言っていたのを思い出してな。非番でする事もなかった故何か作ってみるかと」

「それで出来たのがこれと。なるほどねぇ」

「現代ではどちらも使って食べる家庭もあるらしいしな」

「いいと思うよ。それにしても膝丸さんも料理出来るのは意外だったなぁ」

「そうか?」

「貴方も厨に立ってもらって僕らの負担も軽くなったら嬉しいね。主くんに打診しておこう

「!?」





【意気投合】

………ふぅ」

「はぁ……

「ん?」

「お?あぁ、お前か膝丸」

「長谷部か。随分疲れているようだが」

「それはそっくりそのままお前に返すぞ」

……兄者がな」

「俺も鶴丸がな

………

………

「少し話をしないか」

「いいだろう。内番も終わった事だしな」

…………

「わぁ。何あれ。入りたくないねぇ」

「いやはや面白い組み合わせだ全く!俺は混ざりたくて仕方ないが!」

「怒る未来しか見えないよ。やめなよ〜も〜」








【似て非なる】

………

「鶯丸。どうした、あの二振りに何かあったか?」

「鶴丸か。いや、真面目な所は同じだがどうにも何か違うなと思ってな」

「長谷部と膝丸か。そうさなぁ確かに真面目だが柔軟なのは膝丸の方か?」

「まぁな。だが筋を通すのは長谷部の方だろうな。揺らぐのは欠点でもあるぞ」

「違いない。冗談が通じにくいというのはどちらも同じだろうが」

「ふむ。天然というのも共通点か?」

「はは。それもあるなぁ」

………本刀がいる前で堂々と話をするな」

「全くだ」

(結局似てるんだが)

(そうだなぁ)






【ハッピーハロウィン!】

「僕は今から胃が痛い」

「どうした急に」

「もうすぐハロウィンだろう」

「あぁ。……あ〜

「ね?歌仙くんや北谷菜切くんがいたとしてもお菓子が間に合うかどうか」

「買ったら?って言っても聞かないんだろう君は」

「そう!僕の心が許さない」

「たまには妥協するのも大切だぞ」

「いいや。その心配はないからね!」

「?」

…………
……………
……………
………………

「どうしたお前達見つめ合って。何故膝丸は顔面蒼白なんだ?」

「長谷部くん」

「だからどうしたんだと

ハロウィン知ってるよね?

「あぁ」

…………

………おい、まさか」

「今この足の速さを生かすべきか否か悩んでいる俺がいる

「奇遇だな。俺もどうするのが最善か考えている」

「考えてみろ光忠、俺は菓子など作った事がない。余計に足を引っ張るだけだ」

「嘘」

「え?」

「僕知ってるよ。膝丸さんが一振りでフルーツサンド作ってたの」

「なっ……

(墓穴を掘っている)

「あ、あれぐらいだ!そもそもクッキーや飴など細かいものは」

「よく知ってるねえ?」

「!!!!!!」

………はぁ。やり方は教えてくれるんだろうな?」

「勿論さ!頑張ろう!」

「ぁぁああ」

「腹を括れ






【人の身とは】

刀として在った頃から常に隣にいて、笑って、怒って、あの兄ですら泣いて、日々を過ごした。
戦にあるべき姿で振るわれ血を吸って互いに褒め称え、敗れても尚鼓舞した。
離れても忘れるまいと気丈に振る舞ったのも。兄もそうだった、と後に語った事に驚いたのをよく覚えている。
しかしそれからが生を得てからの怒涛であった。
人の身を持ったのである。
知識を注がれ歩くことを当たり前としたが、静かになった瞬間ふと俯くと時々落ち着かなくなる。
動けなかった刀の自分ではない者、としてそこにいるからだ。そしてそれは兄も同じ。
ただ、戦場に出れば何もかも一緒であった。己を振るい、敵を殲滅し、主を守る。そこは何も変わっていない。
しかし一つ、付け加えねばならぬ事があった。

兄の勇姿を目に焼き付けられる。

これが人の身を得てからの衝撃だった。気を抜いてはならないと分かってはいるものの、それでも惹かれずにはいられない。
戦以外での一挙手一投足すら全ての動作で、目が離せなかった。
この気持ちが何なのかは分からない。しかし刀であった頃に比べれば天と地ほどの差があるのは否が応でも分かる。

兄の姿をこの目で見られる以上に素晴らしいことはないのだと。





【お前の兄でいさせて】

「第一部隊、帰還した!傷が深い者がいるから手入れ部屋を開けてくれ!」

…………

(まだ、自然治癒で治るぐらいか。大丈夫だ、)

「膝丸」

「!?あに、」

「お前も手入れされておいで」

「いや、俺は何とも」

「この僕に誤魔化せると?」

「!!」

「今回は厳しい戦になると主も予想していた。報告も後日で構わないと言っていたでしょう。言いたい事は分かるね?」

………分かった。行ってくる」

「うんうん。僕はかすり傷程度だから手入れ部屋が空いたら呼んでおくれ」

「あぁ」

…………

「は〜相変わらず弟溺愛だな君は」

「そうかい?そんなつもりはないけどな」

……溺愛してる奴は大抵そう言って無自覚なんだぜ




【激おこぷんぷん光忠】

「呆れた!また討伐数競って無茶して右腕失くして!百体倒した?知らないよマイナス百!五体満足じゃないなら零!まいなす誉!いや誉ですらないよ!」

「ご、ごめんよ」

「すまない……すまない光忠」

「わぁ燭台切さんがあんなに怒ってるの初めて見た」

「あの兄弟熱くなりやすいんだろうなぁ」

「落ち着いてたら頼もしいんだけどね。敵にはいてほしくない刀

「違いない」

「貴方達は本当にもう!もう!!辛い物も甘い物もしばらく作らないよ!?」

「あっあっ待ってそれだけは」

「すまない。本当に反省している。それは勘弁してくれもうしない

「あっはっは!」

「珍しいもの見たね





【激おこぷんぷん光忠・特】

「資材消費最多記録!!」

「語呂がいいな」

「言 っ て る 場 合 か な ?」

「す、すみませんでした」

「申し訳ありませんでした」

…………

「光忠があの兄弟よりも強い」

「はは。俺達も気をつけねばなぁ」

「今回あの兄弟の次に消費多いぞ、君」