ひろっぷ
2019-06-16 00:57:49
2746文字
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刀と審神者のあれこれ-伍-

いつもの小話つめ。源氏兄弟とおバカやってるだけ。会話文多し。※創作審神者


【狂刀再び】

………………
「あの、膝丸」
「なんだ」
「もういいよ、思ってること言って」
「ん、いつもはここではご法度ではないのか」
「いつもならね。今日はあのお局様がいないみたいだって長義が」
………いや、君とこうして話して気が紛れた。やめておく」
「そう?」
「だが」
『ぐえっ』
「!?」
「俺とて刀ではあるが人でもある。モノを見るような目を向けられると大変不愉快でな!!なぁ兄者!!」
「あはは。それ僕達の存在意義でしょ。確かにイライラするんだけど、ねっ!!」
『ぐぁっ』
「おぁぁ」
(こりゃアウトでは)
「か、帰ろう報告も済んだし。な?な?」
「ふん」
「ばいば〜い」
『ひぃ
『なんなんだよぉ




【おとうとすいっち】

秋は好きだ、と襖を開けた先に見える景色を見ながら思う。空の夕日と相まって赤く彩られた紅葉がはらはらと舞って落ちていく。広めの庭では短刀達が焚き火をしており、審神者の姿が見えるや否や全力で手を振っていた。

「元気なものだ」
「本当になぁ」

寒さが極端に苦手と言う膝丸はげんなりとして呟いている。しかも吼丸などと呼ばれていた経緯もあり蛇特有の現象も起こりうるのだと思い出し、審神者は彼を案じていた。

「近侍を兄に変えるか

ぽつりと呟いたそれを膝丸は生き逃さず、瞬時に審神者の腕を掴んでいた。
思わなかった衝撃に審神者は飛び上がるぐらいに驚く。

「ならん。冬眠するわけでもあるまい。近侍は俺のままで構わない」
「えぇそうか?」

彼らは何で反応するか分からない、と後の審神者は語るのであった。



【恋をするのは難しい】

「主、聞きたい事があるのだが」
「ん?」
「"恋"とはどういったものなのだ」
………え?」
「だから、こ、」
「いやそれは聞こえた。膝丸の口から恋?と思って
「おかしいのだろうか」
「いやいや。でもそうだなぁ。俺もよく分からないものだしな
「む、そうか
「あ、じゃあいくつか質問していいか?」
「質問?構わないが」
「人というか刀といてここがドキドキしたりする?」
……するな」
「(するんだ)その人と口吸いしたい?」
「!?何故そのような事を!」
「それをしたいと思ったら恋なんだって」
………
「難しいよな。俺もそう思う」
俺は、兄者も君も好いている。だが、そこまでしたいとは思っていない」
「うん」
「恋とは、それ以上の事を言うのだな」
「それ以上っていうか、うん。その人を可愛いとか、離したくないとかそういうので恋だと思ってもいいんじゃないかな」
「それならば君もそうだな」
「んん?」
「兄者はよく俺を可愛いと言うが、ふむ……なるほどこれが可愛いという感情なのだな」
「自己解決するな。俺は対象外だと言ったばかりだろ」
「しかし捉えるのは各々だと」
………分かった。分かったから撫でるな!」




【分かっちゃう】

ここ最近、当本丸では少し困った事が起きている。

「えっ膝丸さんじゃなかった!」
「残念〜僕だよ」
「じゃあ膝丸さんどこに行ったの?」
「ここだぞ」
「!?あれ?そこ髭切さんいたのに!」

こんな具合に、源氏の重宝が味を占めて入れ替わり立ち替わりを繰り返して遊んでいる。
幸いこれを仕掛ける相手は選んでいるようで、短刀達や騙しても許されるであろう相手に絞っているようだ。しかしこれが魔が差してしまったらを考えると審神者が頭を抱える事件となってしまう。
ここは自分が一肌脱ぐべきか。うんうんと悩んでいる間に本刃達が背後に忍び寄っているとも知らずに。

「わっ!!」
「うわぁっ!?」
「はは、ははは!成功だな兄者」

二振りを不満げに睨みつつ、審神者はふとした違和感を感じ見つめた。

「どうした主、俺達の顔に何か付いているか?」
「いや。分かっちゃうなって思ってさ。な?髭切」
………!」
「ほう」

膝丸であろう刀に言葉を投げかける。
審神者が数回瞬きをすると左の兄が弟に、右の弟が兄に変わった。正確には戻ったというのが正しいが。

「いやはや、君に見極められるとは僕もまだまだかな」
「主の目が黒いうちはなんとやら、だな兄者」
「本当にな」

一通りの小言を零し、燭台切に呼ばれた審神者は姿を消した。残ったのは源氏の二振りのみ。

……主に特別な力は見られないが、不思議なものだな」
「まぁまぁ。暇にならなくていいじゃない。主ばんざい!」
「それは違う気がするぞ兄者……





【やだやだ遠征】

………遠征かぁ」
「遠征か……
「えっ。どうしてお前達はそんなに落ち込んでいるんだ……
「だってねぇ?」
「うむ」
「え?何?」

「「主も一緒ではないの(か)?」」

「現代遠征じゃないから!早く行って!」





【妖怪遠征連れてけ丸】

「あ、髭切いたいた。膝丸知らないか?」
「弟?そう言えば見てないなぁ呼んだら来るかな?」
「本当に来そうだからいい。けどそうも言ってられないかな
「用事かい?だったら僕も探すよ」
「助かる」
………
「う〜ん?呼んでも来ないね」
「おかしいな。ついさっきまで見かけたって他の刀も言ってたからなぁ」
「ん〜…………あ」
「何か思い出した?」
「あれ、主の大きい運ぶ箱?だったかな?」
「?キャリーか?」
「そうそれ。もしかしたらそこにいるかもしれない」
「ぇえ?入れないって」
「まぁまぁ」
………
「いた……嘘だろ
「言った手前だけど本当にいるとはね
「しかも器用に収まってるのが何とも言い難い」
「可愛いねえ。そういえば主、君は近々現代に用事があるのだろう?」
「そうだな」
「さしずめ付いて行きたかったんじゃないかな?現代には政府側の刀がつくって話だったし」
「あぁ……それで不機嫌だったのか政府に掛け合ってみるかな
「駄目元でもそうしてくれると嬉しいよ」
…………
「だってさ弟。よかったね」
……………兄者ぁ
「ふふふ」




【審神者を駄目にする刀】

「主は兄者を近侍にした事はあるのか?」
「あるよ」
……ど、どうだった?」
「いやまぁお前と同じぐらいしっかりやってくれたな」
「そうか!やはり兄者だ、」
「でもな、お前と違う方向で出来すぎてて」
「違う方向とは?」
「言い方の違いなんだろうけどな、『もうそろそろお八つにしようよ主』『僕眠くなってきたよ。そろそろ寝よう主』だぞ。お前と言ってる事は同じなんだけど」
「兄者……兄者……!」

「そんな僕を堕落の化身みたいに