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ひろっぷ
2019-05-12 18:24:00
4453文字
Public
刀と審神者のあれこれ-弐-
うち本丸、うち審神者。
会話だけ多め。
※うち本丸、うち審神者♂
【再三はない】
ん?貴方方は
……
。そうか、主の。
会わせてくれ?それは出来かねる。いいや、主が言ったのではない。俺の言葉だ。
しかし貴方方も中々に酷な事をなさるものだ。
産んだ手前、普通ならばこの世から手離すまい?
俺も兄者がいるが、昔は引き離され酷く悲しかったものだぞ。
…
まぁ、俺の話はよそう。
とにかくお帰りいただこう。
何、今ならまだ間に合
……
会えるまで待つ?ここは世の境界線だぞ。貴方方では原型を保てなくなる。
それに契約したはずだ。治療の代償で会う事は叶わぬと。
……
おい、そろそろ俺も我慢ならぬ。いくら主の親と言えど限度があろうな。
去れ。ここより先は俺達付喪神の領域よ。
主を穢す不届き者は必要あらず。
去れ。去れ!
主の平穏を、主の道を塞がせはしない!
【刃生は、長い】
「今はあんな遊びが流行っているんだね。昔じゃ考えられないよ」
「貴族が遊んでいた蹴鞠ぐらいしか思いつかんな」
「俺も俺も。後は狩
…
ぐらいか?」
「けまり
……
かり
……
」
(そういえば皆俺よりも随分長生きなんだったな)
「おじいちゃ
…
」
「主?」
「!!ま、まだ何も言ってないだろ!」
「
………
」
【生き血を啜ったり?】
(人を食べる)
(刀は人を斬るけど、食べはしないよな)
(でも分からないな。村正の言い伝えみたいに精気を吸い取るとか、膝丸が言うように瘴気を断とうとするから)
(どうだろうな)
「ご主人様?」
「うん。今行く」
(ま、弱い俺でも立ってるんだから、ないよな)
【※if】
審神者の両親が亡くなった。政府からその便りが届き、膝丸含め本丸の刀剣達はどよめき立った。審神者もさぞ驚いているのだろう、と報告を含め近侍である膝丸は彼の元へと参じたが。
彼は顔色一つ変えず、そうか、とだけ呟きこちらの目線から外れるようにその場を後にするではないか。
驚きつつも近侍であるため、立ち上がる審神者にどこへ行くのかと問えば庭へ行くだけだと言う。人として生きているのは審神者の方が長いはずだが、これはあまりにも。
衝撃を抑えられない膝丸は、その場で畳を見つめ動けずにいた。
夕刻。
病弱故に余り動けない審神者はずっと縁側で庭を見つめていた。刀剣達が声をかければ普段通りに返事をするし、きちんと食事もしている。表立っては心配はないだろうと膝丸はひとまず安堵したが、目下心配は別にあった。近くに控えていて分かる程度のもの。孤独感。
表現を持ち合わせていなかったため、膝丸は審神者がひどく寂しそうだと感じていた。だが、声はかけるべきか否か。そう悩んでいる間に襖越しから声がする。
「なぁ、膝丸」
「
…
なんだ」
「やっぱり分かる?」
「まぁ、長い事近侍を任されればな」
「そうか。そうだよな」
ざぁざぁと木々が揺れる音だけが響く。
「もっと話せばよかったかな」
「葬儀に行くことも可能だそうだ。契約があるから表立っては難しいようだが」
死者に口なし、とは言うが死後すぐは耳の機能が残っているというのも聞く。そう膝丸は伝えたかった。それを汲んでか汲まずか、審神者が首を横に振る気配。
「行かない。契約なんだろ。だからまぁ、ここからでも、いい、かな」
「あぁ。もちろんだ。きっと届く」
涙声なのは聞かなかったふりをしよう。続きの言葉をかけるでもなく、ただ黙って審神者の横へと腰掛けるのだった。
【胃袋ぶらっくほおる】
(もぐもぐ)
「よく食べるね」
「みたいだな。食費大丈夫か?」
「そこは君の手腕のお陰さ。まだまだ余裕がある」
「なぁ」
「ん?なんだい?」
「美味かった」
「それは何よりだよ!」
「
…
もうないのか?」
「!」
(あ、光忠の周りに桜が)
「あるよ!沢山食べて!」
【兄者】
「兄者、大人気ないぞ!」
「ぇえ〜お前は今までずっと主の近侍だったじゃないか。僕が近侍になってもいいじゃない。ねぇ主?」
「いや、まぁそうなんだけど
…
」
「もっと抵抗してくれて良いのだぞ主。兄者も、近侍になったからといって何もされないだろうに!」
(酷い言われようだ)
【世話焼きオーバーヒート】
「いい!大丈夫だから!!」
「そういう訳にはいくまい!一人では危険だと何度も
…
!」
「ど、どうしたんだい二人とも」
「いつもの膝丸のお節介が今回度を過ぎちまったってところだ」
「ありゃ。やっぱりこうなってしまったか」
「髭切くん
…
」
「
……
しばらく近侍を外してくれないか」
「っ
……
。分かった
……
。獅子王」
「おう。承ったぜ」
「
……
どうすればいいんだろう」
「冷めるまでだよ。鉄は熱いうちに打てなんて言われるけど、刀だって人だって、時が経てば冷めるものさ」
「そういうものかい」
「膝丸」
「兄者、俺はひざ
…
!今俺の名を
…
」
「まぁそれはいいから。ねぇ、僕が来るまでの間のここの事色々教えておくれよ」
「一通り話したと思うが
……
まさかまた忘れてしまわれたのか?」
「違う違う。あのね、主くんの話」
「!」
「お前、僕に対する態度と主に対する態度が違うようで似てると思うんだよ。意識はしていないのだろうけど、他の刀達との接し方がまるで違う」
「それは主だから
…
」
「ううん
……
参った。顕現してから間もないから言葉が見つからないね」
「兄者
……
」
「とにかく、お節介も度が過ぎればなんとやらだよ。人として生きてるのは明らかにあの子の方が長いのだから、たまには見守る事も覚えなければね」
「見守っているつもりだったのだが
…
兄者がそう仰るのであれば」
「うんうん。それがいい。くうるだうん、ってやつだよ」
「はぁ
……
」
「珍しいもん見たぜ。主でもあれだけ大きな声出せるんだな」
「そんなに大声だった?」
「かなり」
「はぁぁ
……
」
「落ち込むこたぁねぇよ!膝丸だって心配で言ってくれてるって分かってるだろ?」
「そうなんだけど。偶には一人で頑張ってみたいだろ」
「ん〜。あれはあいつだけ特にお節介、ってだけなんだけどな〜」
「
……
そう言えばそうだな」
「だろ?ま、色々落ち着いて考えてみろって。無茶した時もあるだろ」
「
…………
ある」
「ほらな。そういう過去があるからだ。反省しろよ〜」
「うん」
「主、今少しよいだろうか」
「いいぞ。入って」
「
……
朝方はすまなかった。いつもの事だと思って口煩く
…
」
「俺の方こそ。獅子王に言われて思ったんだけど、俺も足が悪いのに無理に動こうとした時もあったから
…
その
…
」
「
……
」
「
……
」
「はは
…
」
「へへ
…
あいこってやつかな」
「うむ。おあいこだ」
「近侍は任せてもいいか?」
「勿論だ。だがまた煩くなるぞ?」
「それはいつもの事だろ」
「はぁ
……
一日だけだったとはいえ疲れたねぇ
…
」
「あんたは常にその兄貴面でいてくれれば格好良いんだけどな」
「でもよかったよ。いつもの調子に戻ってくれて」
「さも自分は無力でしたみたいな顔してるけど、縁の下で頑張ってくれてたみたいじゃない?」
「んふふ、何のことだい?」
「
……
あぁ、内番の急な変更はそういう
……
」
【夢追い刀】
『お前に友達がいないのは知ってるんだが、もう少しお前も歩み寄りなさい』
「はぁ」
そんな事を言われても、高校生にまでなるともう今更なんだけど。
と面談の後に愚痴が浮かぶ。言えばいいと突っ込まれるだろう。でも。
(面倒くさい)
これである。
考えていると何かにぶつかった。
『いってぇな』
『気をつけろよ』
「
………
」
避けたつもりだったが態々ぶつかりに来てよく言う。面倒くさい。面倒くさい。
『おい、何か言え、』
『おい、待てお前
…
!』
『あ?何
……
』
ふと、目の前の二人が友達だったら面白かったかな。と想像してみる。
しかしその想像は一瞬のうちにかき消されてしまうのだった。
「君は全く。夢の中でも危なっかしいな」
『なんだこいつ
…
!』
『なぁ逃げようぜ
……
。真っ暗になってるしよ
…
』
「悪いがお前達は危険分子だ。逃す訳にはいかん」
やっぱり無理だった。俺に人の友達は出来そうにないらしい。
「なぁ、付喪神って夢魔にもなれるのか」
「むま?何だそれは」
「人の夢を食べる存在。俺もそれしか知らない」
「食べてはいないぞ」
「じゃあ何」
こいつはにぃと笑って俺に答えた。あ、知ってるぞ。こういう顔をする時は大抵碌でもない。
「なぁに、覗いて見たら随分冒険をしているようで楽しそうだと思ってな。混ぜてもらおうとしたまでだ」
ほら。こんな感じだ。
でも、神様の友達が出来るなら悪くない。
【世話焼きオーバーヒート②】
「主!だから何度も言っているだろう!」
「わ、分かってるってば!」
「では何故!君が毎度
…
」
「膝丸」
「!!」
(!?)
「やめなさい。その押し問答は時間の無駄だよ」
「ぐ
……
。すまない主」
「い、いや
…
俺も気をつける」
「うんうん。仲良しなのが一番だよ」
「ありがとう髭切」
「どういたしまして。でもね主」
「!」
「僕がいつも止められる訳じゃないの、分かるよね?」
「は
………………
」
「ね?」
「はい
………
」
「うん。仲良き事は美しきかな!」
(どの口が言っているのだ兄者ぁ!!)
【ストップ!成長期】
「おかしい
……
」
「ん?どうしたの」
「俺が審神者になってからもう一年経つだろ?」
「そうだねぇ。それぐらいかな」
「伸びないんだ」
「何が?」
「身長が」
「
………
あぁ〜」
「えっ何だその微妙な反応」
「いやだって主。ここがどこだか分かるかい?」
「そりゃ
…
。本丸
…
」
「そうだ。そしてここがどことどこの間だとこの前教えたはずだが?」
「あ、弟お帰り」
「膝丸」
「うむ。菓子を貰ってきた。主も食べるといい」
「ありがとう。えっと
…
確かこの世とあの世の間?」
「そうだね。で、主のいめぇじで聞かせて欲しいのだけれど、あの世ってどんな所だと思う?」
「あの世か
…
。殺風景な所とか、時が止まった
………
ような
…
」
「
…………
ふふ。ごめんね、酷な事を言わせてしまったようだ」
「兄者
……
。だが主、これで分かっただろう」
「
……………
」
「我々も含め主の身体の成長は止まっている。だが間にあるから多少の成長はあるらしい」
「縁者と交流を断つって言われたのも今なら分かるな
……
」
「そうだな」
「まぁお前らも伸びないならいいか」
「
…………
」
「そう言われると伸びてしまいたくなるねぇ」
「牛乳か?」
「いやもっとこう
…
僕たち付喪神だろう。力で伸ばせそうじゃない?」
「やめろ!やらかしそうで怖い!」
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