ひろっぷ
2018-12-03 21:18:43
768文字
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農夫と魔法使いのアレやこれ

小話二個。ヒビまほ。



●冬ですね

「なぁ」

返事をするように尋ねてきた相手を見上げる。雪がちらつく真夜中、君とヒビキは並び歩いて学園を巡回していた。たまたまバッタリ出会って、なんてことはない話をしていれば今の時間になっていたのだ。
尋ねてきた相手は君を見下ろすこともなく歩きながら続きを零す。

「寒くないか」

大丈夫だよ。そう君も横の彼を見ることもなく言葉を返す。
こうしてくれてるおかげかな。伝えればやっと彼が見下ろす。顔にこそまだ出ていないが力まれて思わずにやけてしまった。
君自身も顔には出さないが、応えるように絡んだ指に力を込めて。


●少女の問い

「魔法使いさん」

少し低い所から声がかかり、見下ろせばヒビキの娘、ミスズがこちらを見上げていた。怖がらせまいとすぐにしゃがんで同じ目線に立ち、どうしたのと答えるともじもじとして少し言葉を探しているようだった。

「その魔法使いさん

この手の子供は自身の口から言うのが1番なのだとヒビキから教わっていた君は待つことにした。だが意を決した彼女の一言に君は度肝を抜かれることとなる。

「魔法使いさんは、お母さんになるの?」

近くに坂道があったら転がり落ちていそうなぐらいの問い。
しかしいつかは来る質問だとは思っていたため、君は前にヒビキに尋ねた記憶があった。どう答えればいいのかと。それを思い出し、目を泳がせながら質問に答える。

そうなるのかな。ダメかな。

「ダメじゃない」

この聞き方なら、余程嫌われていない限りは肯定してくれる。
少し意地悪かもしれないと心で懺悔しながらも、この場を乗り切れた事を後でヒビキに報告しようと決めた君であった。
離れた先のそのヒビキの元へ、ミスズと君は手を繋いで歩いていく。どことなく嬉しそうな彼女の横顔を見下ろしながら。