ひろっぷ
2018-11-04 20:31:43
647文字
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夜の会合

ランスロットと交サーくん。



「眠れないのですか、アーサー様」

テラスで夜風に当たっていたアーサーが振り返ると、そこには飲み物を手にした軽装のランスロットが近づいてきていた。差し出された飲み物は湯気が出ておりほんのりと甘い香りがする。

「ちょっとね。最初から色々あったからさ」

(………もしや)

苦笑いを隠すように頬をかいたアーサーをランスロットは見逃さない。不安の色を混ぜた瞳。ランスロットはこの瞳を何度見てきただろうかと同じように瞳を曇らせる。

「まだ数日と経っておりません。が、アーサー様」
「うん?」
「辛いと感じたならば、無理をせず剣を捨ててください。命を落として剣を落とすより、生きるために剣を捨てる方がよほど貴方様のためです」

言い切るや否や、アーサーが持っていたカップが僅かに震える。碌な訓練も受けさせてやれなかった後悔と、任務ゆえの、近くで守れないもどかしさ。
ランスロットも不安だった。
だが、アーサーはそのランスロットの台詞を激励と捉えたようで笑って応えてきた。その表情に呆気にとられてしまう。

「うん。でもまだ頑張れるよ」
「アーサー様
「でもさランスロット。俺がもしそんな事になったらさ」

飲み物の水面を見つめ俯き、表情は見えない。だがランスロットは分かっていた。アーサーが紡ぐ次の言葉を。

「その時は俺を止めてよ。そんなの、"アーサー"じゃないんだからさ」

困ったように笑う王を見て、改めてランスロットは己と彼の運命を呪うしかなかった。