ひろっぷ
2018-04-23 19:11:24
1153文字
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お疲れ様、良い夢を。

魔道杯お疲れ様でした。レジ主。




君にとっての大きな行事の1つが今幕を下ろした。
魔道杯。階級制度のある定期的な試験のようなものだ。
もっとも魔法使いの数だけ様々で、楽しむものもいれば真面目に取り組む者もいる。そして喚びだす精霊が自由なのもあり、お気に入りの精霊を喚んで友好を深めるという絶好の機会でもある。
しかしこれはまだ下位の階級であればの話。
上に登ってくるとどうにも厄介な相手が配属されるらしく、泣いて帰ってくる魔法使いが後を絶たないのだ。
そしてその真っ只中にいる君もその1人で、今まさに頭を悩まされていた。

『俺を使え』

脳裏に語りかける声。ついこの前まで苦楽を共にした彼だった。レッジ。そう名を呼ぶと彼は鼻で笑って応える。
彼が自信を持って伝える時は必ず勝機があるということ。君も思わず笑みが零れ、しばらくよろしくと言葉を投げた。再び、彼が息を吐いて応える。

詠唱を終え、現れた彼の後ろ姿が酷く眩しかったように感じたのだった。



「なんなんだアレは

枯れた声でレッジが呟く。ごめん、と君は謝罪したが、彼も君も悪ではないのだと理解はしていた。口から咄嗟に出ただけだ。
彼は何度も叫んだ。君も他の精霊を喚びだしたりと声を出したが彼ほどではない。叫ぶのをやめればよいのではないかと思うだろうが、彼のようなメアレスは武器に短い詠唱を必要とし、言葉を登録して発することで威力が発揮されるという。故に小声で武器に語りかけても反応をしない可能性があるため、武器を持つメアレス達は皆叫ぶということなのだ。
家へ戻った君と、未だ名残惜しいとそのままに顕現しているレッジがげっそりとしてベッドで寛いでいる。しかし、と君はちらりと彼を見ていた。

「何だ」

リラックスしている彼が珍しい、などと口が裂けても言えない。

………………言っているぞ」

あ。
疲れて思考回路が上手く働いていないのだろう。思ったことをそのまま言ってしまった君はあの、その、と慌てるしかできない。それを疲れた目で見ていた彼がぷっと吹き出して笑う。思っていなかった表情に呆気に取られていると彼が1つ咳払いをする。

「その反応で帳消しだ。いいものを見れた」

トンと肩を叩かれ気にするなと伝えられたよう感じ、更に君の体に重みが増す。彼が君に寄りかかり目を閉じているようだ。普段見せないような態度なだけに、君は好奇心がうずいて仕方がない。だが今回ばかりは彼に負担をかけすぎている自負があるため、うずいた好奇心は大人しく底へ蓋をしていようと思った。
もう少し、と名残惜しく顕現させている寝てしまった彼に、伝え忘れた感謝をぽつりと呟く。
お疲れ様、ありがとう。

肩越しに眠るレッジの口が小さな笑みを作っていたことを、君は知る由もなかった。