ひろっぷ
2017-11-04 23:37:42
757文字
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拝啓、お空の上の師匠へ。

ジークと魔法使い。ほんのり。


拝啓お師匠様。お元気でしょうか。今頃は空の上でしょうか。自分は今、空を落ちている真っ最中です。大変身の危険を感じております。

そんな遺書のような何かを脳内で書き連ねながら、横で共に落ちているジークにどうすべきか尋ねてみる。

「後で迎えに来るからとりあえず落ちておけと」

追記。師匠、こちらは前途多難ですがこれからもお元気で。

事の発端はどこの所属かも分からない飛空挺と小競り合いを続け、気がつけば君が飛ばされ飛空挺から落ちた。ところをジークが見兼ねて助けに入ったが追撃をくらい共に落ちている。というのが今の状況だ。
下からや上からの風圧で思ったように息が出来ない中、ジークとしては空のベッドといわんばかりにうつらうつらとしている余裕ぶりだ。なんなのだろう、自分もここで意識を手放すべきなのか。
明後日の方向を見てうつろな目になったのもつかの間、落ちつつも何かに引き寄せられた。ジークの体に密着する形になり一瞬驚いて身じろぎするものの、覚醒しているジークが青白く体を光らせているのを見て固まってしまう。この世界で廃れていたと言われる魔法。なんとかしようというのだろうか。手伝おうか。爆風なりなんなりとして受け身を取れば。
しかしかざした君の手は彼の手に遮られてしまう。どうしたのかと近くなる地面とジークを交互に見返した。

「必要ない。が、貰うぞ」

何を、と聞き返す間も無く襲ってきたのは重度の疲労感。魔力が抜かれた感覚だった。
意識まで持っていかれそうになる中かろうじて見えたのは、急速な落下から速度を落としゆっくりと降下していく景色だった。

美味いな」

物騒な声が聞こえた気がしたが聞かなかった事にして、未だ抱きしめられているこの状況をどう脱するべきかと思案するしかなかった。