ひろっぷ
2017-08-10 21:55:57
432文字
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記憶する、夏

ヒビキ×魔法使い。現パロ。夏祭り。


「これ、あんたに似合うと思ってさ」

差し出されたお面。

「なぁ、あれ買ってやるよ。好きだったろ」

差し出されたりんご飴。
どんなに尽くされても、どんなに笑ってくれても、きっとそれは彼だから胸が高鳴るのだろうと君は思う。
離れまいと手を握り続け、歩きながら隣の彼を見る。汗が滴り落ち、けれど目的のものを見失うまいと前を見据え、君の手をしかと握ったまま。
カラカラと慣れない下駄を鳴らし歩く君の歩幅に合わせ、ゆっくりと。しかししっかりと握って導いて。はたから見れば歳の離れた兄弟に見えるだけなのだ。手を握る事などなんてことはない。それが俗に言う恋人つなぎというものでなければ。

「な!アレやろうぜ。金魚すくい!」

真夏の夜、薄暗くでも分かる彼の笑顔が君に降りかかる。
うん、やろう。
断る理由など1つも見当たらない。それは彼だからだ。1つ1つ、彼の動作を記憶に刻むように、君は短い夏の宴を楽しむ。

まだまだ、彼とやりたいことはたくさんあるのだ。