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ひろっぷ
2017-06-20 23:16:22
730文字
Public
彼女
アーサーとマイア。
「アーサー!あーさー!」
朝一番の明るく可憐な声が響く。ランスロットがこちらを見てクスクス笑っているし、ガウェインに至っては笑いを隠すことをしていない。本当にこちらを慕っているのだろうか?と疑問を募らせていく。
「王、今日は?」
「分かっているだろう
…
。通せ」
返事を聞くや否や、王室の扉が豪快に開く。ランスロットが会釈して手招いたその者は、大剣を携えた少女1人。マイアだった。
「元気そうで何よりだな。マイア」
「ご、ご機嫌うるるるわ、うる!」
「
………
いつものでいい」
両隣の臣下は相変わらずクスクスと笑い声が止まらないようだ。
「で、また何か進展でもあったか?」
「いいえ。それは問題ないわ」
尋ねれば否定されたそれ。ならば何が?と次の言葉を待ったアーサーだったが、満面の笑みを放ったマイアの顔で全てを悟ってしまった。
「マイア」
「元気かなーって思って挨拶に来たの。思った通りで何よりよ」
「マイア
………
」
「何かしら?」
溜め息を吐きそうになるのを必死にこらえ、両隣の臣下を再び見やるとこちらを見てにやけ顔を隠そうともしていない。何がそんなに面白いのだろうか。
とぼけているような顔でも、彼女はおそらくその気は全くない。寧ろ善意でこうしているのが合っているほどだ。
隣国周辺の小競り合いが続いてピリピリとしていた空気は彼女が来るといつも緩和されていたのを思い出し、眉間に皺が寄っていたアーサーも観念したのか玉座から立ち上がってマイアに近づいた。
「お茶にしよう。いい菓子がある」
「本当?アーサーの所のお菓子はたくさんあるのね」
そんな2人のやりとりを、臣下達はまた微笑ましく見つめるのであった。
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