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ひろっぷ
2017-05-22 20:50:55
682文字
Public
本と傭兵と君と※ちょいバレ
ラディウスと魔法使い。なんてことないアレこれ。
「
…………………
」
腕組みをしこちらを見ることはないものの、指をトントンと鳴らして落ち着かない様子だ。君も把握はしているものの、本の内容も気になる事と彼の反応が面白く顔を上げることはしない。頁を捲る音がすると見えない獣の耳が動くようで雰囲気が変わる。
しかしこちらは何もしない。それが分かると苛立ち腕組みした指がまた忙しなく動くのだ。
「まだかよ」
まだだよ。即答すると彼が弄ばれていたのが分かったようで舌打ちを寄越してくる。あぁ怖い。
「俺で遊んで楽しいか?」
とても。そう言うと彼は不貞腐れたようにこちらに完全に背を向けてしまった。
嘘だよ。終わったから。本を閉じる音を立てると彼が分かりやすくこちらに向いた。嘘をつけない正直すぎる彼は、君にとっていい遊び相手だった。ミハネでもよかっただろうが、彼は彼で純粋すぎて申し訳なさが目立つ。その分彼には多少の無茶も効く。
そして何より、彼のあっさりとした性格が君にとっては好感が持てた。振り回されるというよりは任されるという感覚。すぐに相手の力量を把握し、それを踏まえて後を任す。彼がそういう男だからだ。
方法は覚えたから、後は上手くいけばいいけど。
そう少しの心配を伝えても。
「なんとかなるだろ。俺と、お前だしな」
勝てる見込みもあるが、死ぬ事は決してない。そんな返事のように思えた。彼ラディウスはいつもそう返す。死ぬ事はない。その意味は必ず込めて。その返事を聞く度に、君も不思議とそう思うのだ。湧き上がる何かと共に。
前は任せるよ。
「任された。後ろは頼むぜ」
任された。
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