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ひろっぷ
2017-04-02 21:34:37
569文字
Public
遭遇した愉快
モブおぢが魔法使いを見たお話。
その男はなんと言葉を放っただろうか。私は遠くでよくある喧嘩が起こっているのだろうと思ったが、なんだか様子がおかしい。近づいて見ると火花が散り、流氷が舞い、雷が落ちた。元を辿ると1人の魔法使いで、どこにでもいそうな普通の魔法使いのように見える。
しかし周りには異形の、明らかに異常な精霊たちが飛び交っていた。異常現象の向かう先には1人の男。もしかすると殺してしまったのかと疑ったが、その気配を察知したのか魔法使いはこちらに向いてしぃと口に指を当て私を制止する。余計な世話のようだ。
『魔法使い、こいつはどうするんだ。俺の怒りが収まらん』
駄目だよ。もう殴っちゃったし。
『川にでも投げたらどうだ。ややこしくなくなるだろう』
流れ着いた先がややこしくなるでしょ。
『差し出せばいいんじゃないか?』
自分が疑われる。
なんとまあ、というぐらいに自然と精霊たちと会話をしている。
助けは不要か?と目線を投げれば彼は笑って口を動かした。どうか、この事は内密に。そう言って静かに、颯爽と黒猫を連れた魔法使いは姿を消していった。
後日聞けば、クエス=アリアスで有名となっている『黒猫の魔法使い』だとのことだった。
被害を受けた男はなんと言ったのだろう。その事に興味が注がれて仕方がなかった。
世は、実に面白みで溢れている。
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