ひろっぷ
2017-03-26 13:51:03
736文字
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だからパパじゃない!!

無理をした魔法使いを怒るパパ(じゃない)。





「おい、聞いてるか?魔法使い!」

はっとなる君をまたグリットが小突く。なんだなんだと周りのグリットの同僚達が心配そうに見ている中、君は正座をしていた。否、させられていた。理由は君自身も充分記憶に新しく、至極単純な理由だ。無理をしたのだ。戦闘で乱戦となり、流れ弾に当たりそうになっていたエニィを魔法無しで庇った。
いつもなら防御障壁を展開するのだが、その時は何故か体が先に動いてしまった。そしてそれをしっかりと目撃してしまったグリットが怒り心頭、という所である。何故魔法を使わなかった、何故あんな無茶をした。とグリットはしばらくまくし立てたが、落ち着いたのか顔に手を当ててため息をつく。

「そんな捨てられた犬みたいな顔しないでくれ。俺だって怒りたくて怒ってんじゃない。こんな無茶はやめてくれって言いたいんだ」

当然だった。君が逆の立場でもきっとそう言うはずだからだ。シュンとなってごめん、と零すと、今度は小突きではなく撫でられた。
触られた頭を君自身が撫でる。呆気にとられて口を開けたままグリットを見上げると、どうやらもう怒りはおさまったらしくいつもの顔に戻っていた。これはまさしく親のような顔では。飴とムチを使い分けている。君は親の記憶がないものの、直感で確信してしまった。
やっぱりパパだ。ぼそりと零したその言葉を聞いたやいなや、グリットの顔が再び険しくなる雰囲気。じわりじわりと青筋を立てるそれに君はしまったと立ち上がって逃げようとする。だが時既に遅く。

「だぁれがパパだってぇ?」

低くなった声を皮切りに、君は再びアセンシブ社のロビーの床に叩きつけられるかのように正座をさせられ、長い長い説教を聞くことになるのだった。

「自業自得にゃ」