ひろっぷ
2017-03-24 14:21:47
464文字
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社畜戦士残業マン

グリット「アセンシブ社はホワイトだと思った。」





「知ってるか、魔法使い」

ハイウェイをバイクで走ってしばらく、前で運転していたグリットが風の轟音の中君に言葉を投げかけた。

「こっちにも夜ってのはあって、さすがにお前の世界でも夜は仕事をしちゃいないだろう?」

そうだね、と君は思い出しつつ肯定した。
確かにクエス=アリアスでも朝に起きて依頼をこなし、夜になれば依頼などせず眠る。それがどうかしたのだろうか、と君がグリットの次の言葉を待つと。

「で、今みたいにな、こんな夜更けにまで働く事を何て言うか知ってるか?」

分からない、と君は首を横に振って否定した。
すると彼は不敵な笑みを浮かべて、バイクの速度を落とした。前のめりになり落ちそうになる師匠を支えながらでも、グリットの悲痛な叫びのような嘆きはしっかりと聞こえてしまうのだ。どことなく、いつもは大きな背中が小さく感じるほどに。

「残業、っていうんだ」

ざんぎょう。ざんぎょう。
再び速度を上げたバイクの音を遠くに、君は何度も残業という言葉を呟き復唱するのだった。
夜は、残業は、まだまだ長い。