ひろっぷ
2017-03-04 19:43:07
562文字
Public
 

おはよう魔法使い

魔法使い「思ったけど不法侵入じゃない?」



部屋を借りてようやっと慣れた頃の早朝、君は少しの寒気を感じてもぞもぞと寝返りをうった。

「なんだ寝坊助。いつもの魔法使いとやらが想像出来ないな」

ううん、とぼんやり聞こえる声に曖昧な返事をすると苦笑いが返ってくる。
しばらくすると香ばしい匂いが部屋中に充満し始めた。犬のように鼻を動かし、退散した眠気と襲いかかる空腹をもって君はベッドから立ち上がる。ウィズなのだろうかと見渡すと、少し開いた窓を見てまた出かけたのだろうと理解した。そもそも今のウィズは猫だ、という事を思い出して候補から消すことにする。ではこんな時間に誰が。

「今出来上がったぞ、寝坊助。おはよう」

最強と謳われる〈夢魔装〉ラギトが、料理をしている。呆気に取られる君を他所にラギトが次々と更に料理を添えていく。
どうして。起きたてのボサボサな髪と覚醒しきっていない頭で出迎える気など毛頭なかった。急速に覚醒し、軽装すぎる自分の服やその他諸々、到底見せられるはずもないでろう醜態をその場で晒していることに気づき顔に熱がたまっていく。
あぁ待ってて、支度してくるから。

「そのままでも構わんさ。あんたもそんな事があるんだなと思うだけだ」

それが問題なんでしょ!と慌ててローブなどを羽織る君を、色とりどりの料理とラギトが微笑ましく見ていた。