ひろっぷ
2017-02-01 22:23:36
1078文字
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喰っちまおう

現パロ。学生な魔法使い(君)が神社に住んでる神様(に見えないようにしてる)スオウとうんたらな話。つまみつまみ。




「なぁ、こんな真昼間から何やってんだ?」

神社の賽銭箱前、君は階段に座って眼前を見つめていた所、大木の上から声が聞こえた。見上げると橙色の鮮やかな髪色をした青年が木の枝に跨りこちらを見下ろしている。ニカッと見せられた笑顔に不信感が和らぐと君は一言告げた。特に何も、と。

「そういや、子供は今学校なんだよな。もしかしてサボり?」

ぎくりとした。正にそうだったからだ。まだ知り合って間もないこの青年にも自分は何か小言を言われてしまうのではないか、そう思った君は他の逃げ場所を考え始めようとした。だが。

「暇ならさ、俺と遊ばねぇ?」

君は鳩が豆鉄砲を喰らったような顔になる。ぽかんとしてしまっている君の顔を見た青年はそれにつられて同じような顔をした。

「なんだよ。嫌か?」

ぶんぶんと首を横に振る。
嫌じゃない。怒られると思った。
伝えれば青年はまたもや不思議そうな顔をする。大木から飛び降りてくる所を見るにかなり身軽なのだろう。そしてずんずんと近づいてきて手を差し出してきた。最初の時の笑顔をまた見せて。

「スオウってんだ。俺も暇してたんだ。遊ぼうぜ!」



………………




「なぁ。いじめられてるって本当か」

神社で出会ってからしばらくした頃。
神社に遊びに来る同じ学生達から聞いたのだろう、彼に嘘をつく必要もない君はそうだと肯定した。彼の眉間に深い深い皺が出来ていく。怒ってくれているのだと君は嬉しく思ったが、余計な事に巻き込まれて欲しくはないと感じたため君は大丈夫だから、と嫌な空気を誤魔化そうとした。

「大丈夫なわけあるか。お前の顔見りゃ分かる。誰だよ。センセイってやつか?同じガクセイってやつもか?」

こんなに思ってくれる相手を君は知らなかった。少し俯き、そうだよとただ一言答えてしまう。

「そうか」

スオウはそうただ淡々と答える。
俯いていた君からは、彼がどんな顔をしていたのかも分からずに。

(アイツかな、あぁアイツもお前の名前言ってたっけ。センセイってどれかわかんねぇな。とりあえず、お前の名前言ったやつ)



(喰っちまおう)



翌日。
久しぶりの学校の後、神社へまた遊びに来た君を見てスオウは嬉しそうに歩み寄る。

「おう!学校どうだったよ」

たくさん休みだったから、急に学校も休みになったんだ。風邪かな。
スオウはその疑問を打ち消すように笑って君の背を叩いた。
見えないように、少し血のついた口の端を釣り上げて。


「しばらくしたら戻ってくるだろ。な、今日も遊ぶよな!」