ひろっぷ
2016-11-05 22:01:51
1081文字
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機械少女と︎魔法使い

魔法使いが頑張って修理しました、なんでしょう?という閃き。


★機械少女と魔法使い


アーデ達の世界に来てから拾った人形。君は何故だかその女の子の形を模した人形をなんとか出来ないかと仲間達の隙をついて材料調達に励んでいた。共にしているウィズがため息をつきつつも、好奇心が勝っている輝いた目をした弟子を見るとつい助言をしてしまうのだ。

「君もしかして直そうとしてるの?」
夜の野宿、見張り番のついでとばかりにその人形を取り出し直しはじめた君をアーデが心配そうに尋ねてくる。
「ここ最近夜に見張り番したがるから何かと思ったら
ごめん、でも直したいから。苦笑いするとアーデもつられて苦笑い。
「いいんだ。直るといいね」
そう言ってまた自分の寝床へと戻ったアーデの後ろ姿を見送り、君は黙々と少女を直す作業に戻るのだった。
毎晩、いくつの夜が過ぎただろうか。途中、メモリアがいなくなったりシャボンヌ達が悪戯をしてきたり様々な事があったが、それでも君はその少女を手放さなかった。なんだか今手放すと2度と戻らないかのような、そんな気がしてならなかったのだ。
そしてシャボンヌ達とも違う魔法生物と対峙している最中、君は徹夜続きの反動で動きが遅れてしまう。
「キミ!!」
油断していた。フラフラとして足を地面に踏み止める。しかし敵の攻撃に詠唱しようと構え直そうとするが間に合わない。確実に一撃を受けてしまう。ギュッと目を瞑り庇うように腕を掲げる、刹那。
「マスター!」
「にゃっ」
眩い光。それは一瞬の事で慣れた目を開ければ敵である魔法生物はいなくなっていた。否、消されたというのが正しいのだろう。その証拠に、君の目の前には先程まで直そうとしていた機械の少女が立ち上がっていたのだから。
くるりとまわって少女は笑う。慈愛に満ちた笑みで君を見つめる様は聖女のようだ。君がまさかと呆気に取られて立ちすくんでいる所に近付いてきて少女はぎゅっと抱きついた。周りのアーデ達も呆気にとられてこちらを見ているだけしか出来ないようだ。
君はもちろん分かっていた。この少女は自分が直そうとした少女なのだと。だが直るという保証などどこにもなかったし、こんな奇跡が起きるとは思うはずもない。
「マスター、倒せました!褒めてください!」
マスター、って自分の事?そう言えば少女は必死に首を縦に振る。嬉しそうに、それはもう嬉しそうに。
君も段々と現実に染みて嬉しさがこみ上げてきた。だが褒める前に聞かなければならない。

君の名前は。

「スワンです。マスター!」

スワン。頑張ったね。ありがとう。
撫でた桃色の髪は人のようにとても暖かかった。