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ひろっぷ
2016-08-14 12:25:49
750文字
Public
神様
ゆめまそと魔法使いがグダグダ。
なんてことない地平線の1つ、君とラギトは向かい合って立っている。上を向けば空が、下を向けば海が。浮いているような、しかししっかりと地に足を踏みしめている感覚。そんな場所に、君と彼は立っていた。
「なぁ魔法使い。この世には誰かしら、信じられない事の1つや2つを持っているものだろう」
そうだね。君はどこへも向ける対象がなくなった視線を彼へ向ける。師匠の黒猫もおらずただ1人の魔法使いとなった君は、彼から何を問われるのだろうか。夢だと認識していても、構える癖は直らなかったようだ。
「神様はいると思うか、魔法使い」
しばらくの沈黙。
けれど彼は答えを待っている。曖昧より的確な答え、否、応えが欲しいのだろう。地平線に見える雲は変わらず一定の速度で進み、向かい合う2人の陰影を濃く薄くする。僅かな風も産まれラギトの髪を左右へ揺らし、君のローブもヒラヒラと揺れている。数回瞳を小さく瞬かせて君は口を開いた。
いる時もあるし、いない時もある。信じる時もあるし、信じない時もある。神様なんて不安定だ。そんなものだと思うよ。
「
………
そうか
…
」
お気に召さなかった?
「いいや。誰の答えでもなくあんたの応えだ。俺は
…
」
途端に風が強くなる。思わず手をかざして身を守ろうと縮こまった。そしてもう一度目の前を見ると、跡形もなくラギトはいなくなっていた。ただ1人、君を残して。けれど聞こえた声はラギトそのものだ。
「神様など信じない」
ハッキリとした、君への明確な応えだった。嫌悪感や不快感など一切感じない、ただただ強い意志を持った応え。そうか。それならよかったよ。見えない声に返事をすれば、かすかに笑った雰囲気があった。
猫の鳴き声が聞こえ足元が朧げになる頃、君はようやっと現実へ帰ったのだった。
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