ひろっぷ
2016-08-12 21:13:42
598文字
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見ていて飽きない(現パロ)

夢魔装と魔法使いの現代パロディ。手品が趣味の主人公。


ホームルーム、教師の気怠げな解散の合図を気に散らばる生徒。帰宅する者もいれば部活を始める者と様々だ。君はそんなどちらの生徒になるでもなく、1人ポツンと雑音もなくなった教室に座っていた。お前が1番聞きやすい、と常に決められている1番前の席。
パンパン、と手を叩いて紙吹雪を出したり、金貨を消したり増やしたり。しかし誰も見てはいない。最初こそすごいだのもっとと強請られたが、他にないのかと言われ困ってからはもう周りに誰もいなくなった。
否。
「ここにいたか」
1人だけ、常に自分の手品を見てくれている男がいた。
「今日も熱心だな。また見せてくれないか」
いいけど、そんなに変わってないよ。そう言うと彼はからかう様に笑う。
「そんなに、なら多少は変わっているのだろう?俺が見たいんだ」
彼はいつもこう言って、君は決まって卑下した文句を言う。毎日のように。
飽きないの。
「あぁ。常に新しい発見がある」
本当に?
「あぁ。信じられないか?」
少し。呟いて俯くと彼は君の額を軽く弾いた。部活の練習だろう生徒の掛け声が小さく聞こえる中、朱色に火照った彼の瞳が君を見る。
「あんたの色んな事が知れる。俺の楽しみなんだ」
一瞬君はきょとんとし、次第に口の端がつり上がっていく。なにそれ。変なの。けらけらと笑う君を見つめながら、彼はポツリと聞こえないように呟いた。

「ほら、それを見るのが楽しいんだ」