魔法使いとあいつは違うはずなのに。先を歩く魔法使いをふと見つめ、後ろ姿をなんとなく比べていた。格好も違えば顔も性格も。だけど何故だか酷く思い出させる、人生でただ1人の親友の姿を。泣く事なんてやめたはずだった。すがる事もやめたはずだった。
あんたなんか来なければ、なんてそれは建前で。皮肉ならいくらでも言えるのに、本音が喉をいったりきたりしてしまう。考え事を始めた魔法使いの姿にまた面影を見てぐしゃりと顔を崩す。気付かれないようにそっと近付いて、振り向かれないように肩に額をくっ付けた。
「あんたが…あんたが来たから、あいつを忘れられない…!」
搾り取った掠れ声。魔法使いは振り返らずじっと聞いていた。けれど数秒ののち、返ってきた返事。
忘れなくていい。けど、自分とその人は違うから。
少し怒りがこもったような、傷ついたようなそんな返事。
返す言葉は搾り取った声でもうない。そして期待していないとでもいうかのように、魔法使いもじっとして別の話を持ち出してきた。置かれたラギトの額をそのままにして。
(そんな態度も、思い出させるんだって言ったら…怒るのだろうな)
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