ひろっぷ
2016-07-12 00:01:40
909文字
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げきおこぷんぷんまる

魔法使いがヘマをして、夢魔装が激おこ。

♦︎憤怒

「しっかりするにゃ!!キミ、そんなこんな所で!!」
にゃあにゃあと黒猫が鳴く。ぼんやりと見える顔からは大粒の涙が。カッコつかないなぁ。なんて零すと頬を爪が右往左往。失態だった。いつものロストメアだと思っていつもの対処をしていたつもりだった。だったのだ。
第二の形態へと姿を変え、魔法使いへと襲いかかった。油断していたとはいえ1撃や2撃ぐらいは耐えられるとたかを括っていたのが仇となっただろうか。1撃が重く、気付けば毒がまわってしまっていた。
なんとか意識を保っているが、それに集中しているせいで身動きが取れない。壁に打ちつけられてしまった怪我もあり、魔法使いはさながら袋の鼠だった。師匠、誰かを呼んできて。そう提案するも、ウィズは必死に首を横に振って否定した。
「呼びに行ってる間にキミが死ぬにゃ!ここで威嚇してる方がマシにゃ……!」
じわりじわりと歩み寄る悪夢。まさかこの異界で終わってしまうなんて、と半ば諦めかけていた時だった。
「魔法使い!!!!」
聞き覚えのある、少年の声が辺りに響く。ラギトが救援にきたのだろう。その声はひどく魔法使いを安心させた。
「何があった。黒猫殿」
「見たことないロストメアにゃ。毒がまわって動けなくて
「なるほど。黒猫殿は魔法使いを見ててくれ。俺がやる」
「わ、分かったにゃ!」
壁に凭れながら会話を聞く。節々に、どことなく怒りが露わになっている。ラギト、と名前を呼べば彼は目だけをこちらに向けて言い放った。
…………くたばるなよ、俺より先になど許さないからな
!?にゃっ!?」
ウィズが毛羽立てだと同時に、君の心臓が跳ねた。今までに聞いた覚えのない声。怒っているという表現すら出来ない、感情に呑まれた声だった。ヒュッと息を吸って、まだ死ねないと踏ん張るように下りた拳を握り締める。
それを見届けたラギトは少し昂った感情を抑え笑う。しかし、まだ許してはいないという雰囲気だけは感じ取れた。ロストメアは跡形もなく消えるのだろう。心の中でせめて一瞬で終わりますようにと祈り、少年は夢魔装へと姿を変えていった。

「屠ってやろう。跡形もなく!」