ひろっぷ
2015-12-08 20:23:07
856文字
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見える所でくたばれ

ほんのりロアラン兼ユーパシ。Twitterから。



男女の恋愛を主体としたドラマで、縺れにもつれた場面で女性が放った台詞。
死ぬ時は一緒に。
なんて血迷った台詞もいいところだ。死ぬなら1人で死ねと思う。グラスを片手にテラスに1人、死ねるなら今かななんて。

「ここにいたのかよ。探したぞ」
「パーシ。今物思いに耽ってるいいとこだから」
「はぁ?」

円卓の騎士であり同志のパーシヴァル。
ユーウェインは彼と組む機会が多く、隙あらばどこかのバーへ遊びを求めて繰り出すような仲だ。しかし決して仲が良すぎるという訳ではない。ある一定の距離を保ってそれ以上は踏み込まない。円卓の騎士と呼ばれる者は皆そのラインを越えようとしない。
パーシヴァルは裏方を主にしている分、余計に踏み込まないようにしている節がある。ユーウェインもそれを理解しているから、そしてその距離が心地良いからこそ詮索はしなかった。

「ボスが探してた」
「って名目でお前も抜け出して来たんだろ」
「バレた?」
「バレバレだわ。なぁ」

ふと思い出したので聞いてみよう。彼は変わり者の中ではまだマシな考えを持つのではないか。確か彼は査問局に所属していた過去があったように思う。
それがこんな変わり者の中に放り出されれば、いかに彼自身がまともな人間なのだと再認識するはず。

「なんだよ」
「もし『死ぬ時は一緒に』って言われたらどうする?」

案の定か、パーシヴァルは一瞬、分かりずらく僅かに目を丸くした。
しかしすぐにいつもの少し笑った顔に戻る。心を読まれたくないからか、癖のようで素の顔を隠すのだ。それがユーウェインからすれば残念に思う。

さぁな。その時にならないとあー」
「?」

思い出したように、ポリポリと頬をかくパーシヴァルはなんだか照れくさそうで。

「お前が死ぬ時は、俺の見てる前で死んでくれ」
「!」
「ボスが探してたのは本当だぜ。早く来いよー」
「ちょっ……卑怯だろお前!パーシヴァル!!」

テラスから喧騒が消えた頃、忘れ去られたグラスだけがカランと音を立てた。