seika_ashe
2021-08-18 23:44:04
1347文字
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【天使】がもしいるのなら

ifです
倫理のない発言を繰り返すお馬鹿がいます

「天使が本当にいるのであればどうする?」

仕事中に思いがけず盛り上がりだした話題は、浅葱の何気ない一言で始まった

「熱中症なのであれば早急に保健室に向かうことをお勧めしますよ双鶴さん」
「至って健康体だ馬鹿」
「天使なんぞおるんやったら俺は早急に天国に運んでもらいたいなぁ」
「天使って性器ついてんのかぁ……?」
「無くても口がありゃ十分よ」
「橘もしかして天才か???」
「色ボケコンビ、君達はちょっと黙りなよ」

クソ暑い、長期休みの最中に出勤させられた弊害か。いつもなら言い出しっぺである浅葱をぶん殴って寝かせて終わるはずの話題はとんでもない飛躍というか、盛り上がりを見せだした。
元はと言えば、ここ数日メディアをその話題一色にする程の発見をされたことが原因だった

『月クラスの衛星の確認』
『その周りを飛ぶ【天使】に告示した生物の確認』

冷静に考えてそんなものいない、と一蹴するような実にバカげた話題。
だが実際に天体望遠鏡で撮影された写真やら、気象衛星の映像に本当に小さくだが映りこんだ生物の映像が出回っていれば話題にも上がるわけだ。

「けど……もし本当に天使がいるなら……写真撮ってスケッチ一通りしてそれから天国に連れて行ってもらいたいなぁ……
「時雨さん????????」
「ごめん冗談」
「俺も天国行きてぇな………
「浅葱さん????????」
「悪い疲れてた」

隣と目の前でトンデモ発言を繰り出した2人を思わず2度見してしまう
やはり浅葱に関してはぶん殴ってでも寝かせた方がいいだろうかと考えていた時、逆隣の問題児1が問題児3に話を振ってしまった
……まずい、非常にまずい

「というかこの手の話は戸張が好きだろうよ、なぁ戸張?お前はどうなんだよ」
「え?何が?」
「天使がもし本当にいたとしたらって話だよ、聞いてろよなぁ」

今の今まで与えていた本のお陰で黙っていたのに、零斗あの野郎ふざけんな
もうこれについては昨夜一足先に話したのだ、話したうえでとんでもない回答が返ってきたので黙らせていたのに

「天使ねぇ」

「あはっ、もし本当にいるなら身体の隅から隅まで丁寧に解剖して確認したいよねぇ」

「そのテレビとかで確認された天使って人型なんでしょ?少なくとも羽があること以外俺たちと同じ人間型なわけじゃん?だとしたらどうやって飛行能力を得てるか気になるんだよね」

「人と同じ姿なら中身も同じ可能性が高いじゃん?ならどう頑張ってもあんな羽であの体躯を支えられるわけねぇんだよね。なら臓物はどうなってんの?骨は鳥みたいに空洞なの?羽の構造はどうなってんの?俺的には興味が尽きないよ」

「もし本当に天使がいるならとっ捕まえて丁寧に解剖してあげて」

「羽から血、骨、臓物までぜぇんぶ俺が有効活用オモチャにしたげる♥」

水を打ったように静まり返る第二職員室
遅れて響く俺の溜息
俺何か悪いことしたっけ?と言いたげな恋人サマの愛らしくも憎ったらしいことこの上ない笑顔

仕方ない、仕方ないのだ
これが『戸張征芽』という男の性質なのだから
仕方ない

仕方ない、のだけれどそれとこれとは話が別なので3秒後に拳を脳天目掛けて落としに行ったのは言うまでもない