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鹿
2023-12-31 19:27:45
2908文字
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俺とお前と大◯郎
一人暮らしする受けに何が必要だと思う?って相談されて「俺」って答える攻めかわいいみたいなツイートが流れてきて現パロ土斎にもやってもらいたいと思ったもの。地の文は無い。
「僕、春から一人暮らしするんです。まず何が必要ですかね?」
「俺」
「
……
は?いやえっと、土方さん一人暮らし長いし、アドバイスもらえたらなって」
「だから俺だって言ってんだろ。俺がひとりいれば毎日洗濯機回す、まめに掃除もする、早く帰った日は風呂の用意してやって三食たくあん付きだ」
「そんな一家に一台みたいなノリで⁉︎あと別にたくあんはいりませんし、一人暮らしって言ってんでしょ!」
「お前はひとりにしてたら絶対にろくでもねえことになる。具体的には大五郎の大容量ペットボトルを抱えて床に寝てる」
「そんな見てきたみたいに
……
いやその、無いとは言い切れないとこありますけども」
「なら聞くがな斎藤、お前どういう部屋に住むつもりだ?安いからってコンロも一口、風呂はユニットバスの上、まあ日中は外に出てるんだしとか言ってろくに日も入らんようなとこ選ぶつもりじゃねえだろうな?」
「なんで知ってるんですか怖い」
「まさか洗濯機共用かコインランドリーか?」
「ええ
……
エスパーかもしくはストーカー
……
?」
「馬鹿が!そんなわかりやすくカスの生活の第一歩踏み出してんじゃねえ!てめえのことだ、『洗濯機使おうと思ったら他の住人が使っててぇ
……
その後もこの時間だと音が気になるとかでタイミング逃しちゃってぇ
……
そしたらなんか
……
全然着るものなくってぇ
……
』とか言うに決まってる!」
「やめてくれません⁉︎自分でも詳細に想像できて悲しいんで!」
「ユニットバスもやめとけ。毎日湯船に湯を張って浸かるのが億劫になる。今日くらいはシャワーでいいか、が今日もシャワーでいいかになって、そのうち風呂が一日の疲れを取るためじゃなく、ただ毎日やらないといけない面倒な作業に成り果てるだろうな」
「いや、入ったら気持ちいいのはわかるんですよ、でもなんか、入りに行くまでに謎に時間かかっちゃってぇ
……
」
「もう既になりかけじゃねえか!それと一人暮らしだろうとコンロは二口確保しろ。一口じゃパスタ茹でながらソース温めるのさえできん。お前が今まで当たり前に食ってたもんの大半が面倒で作れなくなる。レパートリーが減って食事自体が楽しくなくなって、最後は『結局一人暮らしで自炊ってコスパ悪いんだよね』とか賢しらぶって全部買って済ませようとする」
「いや別に
……
いいじゃないですか買うんでも
……
どうせ僕土方さんみたく料理上手いわけじゃないし」
「買うの自体はいい、実際ひとりだと自炊はそこまで効率よくねえしな。けどコンビニ弁当ばっかりになるとコスパも栄養も全くダメだ。そんで冷凍食品や出来合いの惣菜も使おうとすると、お前が住もうとしてたような部屋に置ける小っっっせえ冷蔵庫じゃまず足りねえし、どうせ飲み物くらいしか入らないからって、気づけばただでさえ狭いスペースに缶チューハイしかねえってオチだ」
「
……
確かに僕、酒であんたに散々迷惑かけましたけど
……
大学の飲み会でべろべろになって迎えにきてもらったこと片手じゃ足りないくらいですけどぉ
……
」
「サバ読むな!既に両手でも足りてねえ!挙げ句に『缶のゴミ出しに行くの面倒だな、もっとコスパ良く酔いたいな』とか考えはじめて、行き着く果ては大五郎だ!楽するためのはずの生活全てで慢性的に疲労を溜め込んで、好きなことにすら効率しか考えなくなった人間の姿だ!」
「
……
うう゛〜〜〜
……
」
「
…………
え?お、おい、泣いてんのか?」
「なんですかもお〜〜〜〜!そんなに僕の人間性全部ぶっ叩かなくてもいいじゃないですかあ〜〜〜!!!ひじかたさんのバカ!自分がちゃんとできる人間だからって!!!」
「あーーー
……
いや待て、違う」
「なにがっ!ちがうんですか!」
「お前の人間性叩いてんのは半分だ」
「半分は叩いてんじゃねえか!!!」
「もう半分はな、自虐だ」
「
…………
え?」
「
……
さっきの話だが。かなりの部分俺の実体験だ」
「えっいやでも土方さんの家、俺が飲みすぎて急に押しかけた時とかもちゃんと綺麗にしてて、作り置きのおかずとかもあって」
「一人暮らし初めて数年は全くダメだった。まあ俺はさすがに洗濯機共用ではなかったし、酒も飲まなかったけどな。実家にいた頃はそこそこやってた料理も、狭いキッチンで毎日やるのは苦痛でな
……
気づけば冷蔵庫の中が、一番近いスーパーで買えるたくあん一種類だけになってたりもした」
「あ、ダメになってる基準それなんですね」
「仕事行ってる時の方が人の目があってしゃんとしていられたくらいだ。家は薄暗えし空気も悪いし、疲れに帰ってるみてえだったよ」
「うわあ、悲惨
……
でもなんか意外っていうか、土方さんってそういう生活許せないタイプだと思ってました」
「ろくでもねえ状態なのは自分でわかっててもな、一度ダメな方に行くと気力が落ちる。現状を我慢した方が楽な気がしちまうもんなんだよ。一人暮らしってのは、ちゃんと生活してようとしてなかろうと、見てるのも困るのも自分だけだからな
……
」
「自分のためだけには、頑張れない?」
「自分でも驚いたよ、こんなに他人を必要としてる人間と思ってなかった。知ってんだろ、俺の家は兄弟が多い。だから、常に誰かと一緒なのに慣れすぎてたんだな。昔はむしろ煩わしくもあったってのに、いざひとりになったらそのザマで」
「
……
それじゃあ、どうして土方さんは変われたんですか?」
「幼なじみの斎藤が、数年ぶりにこっちに戻ってくるって聞いたから」
「は」
「一人暮らし羨ましいな、土方さんのうち遊びに行きたいです、なんて言いやがるんでな。しけた部屋でしみったれた生活してる歳三にいちゃんなんて嫌だろ。日の当たる部屋に引っ越すことにした」
「へ⁉︎いやそういえば初めて来た時、前の部屋狭かったから引っ越したばっかりとか言ってたような気がするけど、わざわざ僕のために⁉︎馬鹿なんですか⁉︎」
「お前のためじゃねえよ。俺がお前にみっともない姿見せたくねえって話だ」
「格好つけじゃないですか
……
知ってたけど。まさかそこまで
……
」
「親の目から逃げられるって味しめてちょくちょく来るようになってくれたから、まめに掃除するようになったし、昔みたいに料理作ってやりたくて、色々食材買って待つようになった。お前のおかげだよ」
「
……
へー、そうですか
……
そう、なんですか、へええ」
「お前の顔思い浮かべながらだと、スーパー巡るのも楽しくてな。今はたくあんも常に五種類はストックしておけるようになった」
「それはただのたくあんバーサーカーですね」
「まあ、色々言っちまったけどよ。お前がひとりでも、自分で自分のこと気遣ってやれそうなら、別にどこでもやってけるさ。だがな、そうじゃないなら俺を頼れ。力になりたい」
「
……
具体的には」
「ちゃんと家事してるかって毎日メッセージ入れてやるし、週末は様子見に行く。野菜の入ったおかずも作って持っていってやる。もしくは」
「もしくは?」
「いっそウチに住め。二人分まとめて作る方が楽だからな」
「
……
え、ええ〜〜?どおしよっかな〜〜〜あははは、は、ふふふ」
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