【能楽鑑賞】#101 「未来につながる伝統」能公演

狂言「川上」 能「清経」音取 能楽謡隊「猩々」

「未来につながる伝統」能公演
宝生能楽堂
2023年12月24日(日) 14:00 開演

スペシャルトーク
佐野登 (能楽師シテ方・宝生流)
野村萬斎(狂言師)
司会:本田勝之助(内閣府クールジャパン地域プロデューサー)

「清経」の世界(演目解説)
 解説:佐野登
案内人:小山龍介(京都芸術大学非常勤講師)

仕舞「班女」クセ
宝生和英
地謡:小倉健太郎、水上優、髙橋憲正、藤井秋雅

狂言「川上」
盲目の夫:野村萬斎
   妻:高野和憲
  後見:内藤蓮

能「清経」音取
シテ:佐野登
ツレ:和久荘太郎
ワキ:殿田謙吉

 笛:一噌幸弘
小鼓:観世新九郎
大鼓:柿原光博

後見:宝生和英、水上優
地謡:辰巳満次郎、大友順、
   小倉健太郎、小倉伸二郎
   髙橋憲正、内藤飛能、田崎甫、辰巳和磨

能楽謡隊「猩々」
シテ:SAM

 笛:一噌幸弘
小鼓:観世新九郎
大鼓:柿原光博
太鼓:桜井均

後見:佐野登、辰巳和磨
地謡:能楽謡隊

*・*・*

今年の能楽納めでした。

このシリーズ公演は今回が初参加。
クリスマスイブに「川上」と「清経」の夫婦ものを演るという、なかなか洒落た公演でした!

またラストには、現在、佐野登師の弟子として能を学んでいる、ダンサーのSAMさんがフル装備で「猩々」の舞を披露するという、とても豪華な会でした。



●スペシャルトーク

左から司会の本田さん、萬斎さん、佐野先生の順で座ってのトーク。

前日、あんだけ働いても疲れを見せることなく、また働いてる萬斎さん凄いなァ😅

萬斎さんの話は川上の解説がメインでした。
オチは言わないつもりだったのに

「これね、海外で演ると新作ですか?ってよく聞かれるんですよ。離婚訴訟とね、あっ、言っちゃった(笑)」

うっかりな萬斎さん可愛かった😂笑

離婚訴訟や、介護の問題も入ってるから、比較的新しい時代に作られたものなのかと勘違いされるそう。

でもね、私は最近、能楽を見てて思うのは、男女の関係って今も昔もそんな変わらんと思うのよ。だから今の時代でも通用するんじゃないかなーと思うのよね。


佐野先生の「能楽の世界ではストーカー化するのは女の方です、って学校で教えると、皆ビックリして、男じゃないの?って反応が返ってくる」っていう話も興味深かったです。

確かに、古典も演歌も女の方が女々しく描かれて、鬼になるのも女の方です。でもニュースを見てるとストーカー化して事件起こすのは男の方が多いのよね🤔


「川上」は、佐野先生の方から是非演ってほしいとお願いしたそうで、万作さんが大事にされてる曲ですよね、と話を振られると

「ウチのオヤジが演るとハッピーエンドに見えるんだけど、自分のようなリアルな世代が演ると悲劇的に映るんですよね(笑)」

老人がやると生い先短いからか、なんて言ってたけど、そんなことないと思うけどな😂

20年位前の万作さんの川上をDVDで観たことあるけど、もうその頃から完成されてたし、やはりここは、視力と妻を天秤にかけた時に、別れたくないと言った妻に対して、気持ちを全振り出来るか否かなんじゃないですかね?

万作さんはその辺の悟りを開いてるから、あの演出に変えたんだろうし、ハッピーエンドに見えるのかな、と🤔
ちょっとでも夫の背中から、視力を取り戻すことに対して未練を感じたら悲劇的に映るだろうし、観てる側も夫婦仲が良好か否かで捉え方変わってくるだろうな、と感じました。



●仕舞「班女」

宝生流宗家による仕舞。
一つ一つの所作にオーラがあって、すんばらしかった!👏

和英さんの舞は魅入ってしまいますね、好きだなァ。以前、和英さんの船弁慶を観た時に、普段は前シテのターンで眠くなっちゃうンだけど(ヲイw)、この人の場合、好きな後シテよりも静御前の舞の方が印象に残ってたりするんだよねぇ。不思議。



●狂言「川上」

前にも全く同じ組合せで観たけど、やっぱ良い組み合わせだなァと思う。萬斎さんが狂言のキャラクターを演じる時は常に愛嬌があって、何となくお調子者そうな感じがあるので(笑)、そこに対する、たかのんの持ち前の圧の強い感じが、恐妻家として上手くハマってるといいますか(笑)

たかのん(妻)が真相を知って激怒するシーンは、あまりのハマりっぷりに、肩を震わせて笑ってしまいました😂(大笑いするような演目ではないと思ったので

でも、再び視力を失ってしまった夫の手を引く時は、橋掛りに入るまでの間、ちゃんと夫の足元を見ていてね、愛情を感じてしまったよ😌

なので妻視点からするとハッピーエンドなのかな、うん🤔



●能「清経」音取

この演目を観るのは4回目ですが、宝生流で観るのはお初。

宝生流の謡が心地良すぎて意識飛びそうになったけど、そこは踏ん張った(多分w)

初めて観た時から好きなんですが、小書きの存在を知ってからは、より好きになりましたね。

笛の音に惹かれて清経が現れた時、揚げ幕が上がった瞬間から妻は例え夢の中でも逢いたかったと言わんばかりに、ジッと夫の居る方向を見つめて居たので、一噌幸弘さんの笛は、二人の間を取り持つような優しい音色に聴こえました。

ホントに妻の面が夫に会いたそうに見えたので、この時の妻の気持ちを思ったら、(観能ではたぶん初めて)ちょっと目頭が熱くなってしまいました🥺じわん

まぁ、お互いの行動に納得してないので言い合いにはなるんですが😅、でもそれも二人が仲が良かったが故のこと。

何度でも観たくなる演目のひとつです。



●能楽謡隊「猩々」

フル装備だったので、この時、SAMさんのお顔は拝見出来なかったけど、帰りにロビーで先生と一緒にお見送りしてたので、一応お顔はそちらで観ることが出来ました。

最初に出てきた時は、少し緊張されてたようにも感じられましたが、中盤くらいから乗ってきた感じがしました。

所作を観てると、能の動きを忠実に再現なさってたので、プロの先生に教わってるんだってのは、ひしひしと伝わってきました。

てか、ブレないね。全然ブレない。

面を着けて視界の悪い中、立ち位置はカンペキだし、ちゃんと能舞台の空間を掴んでた。元々ダンサーとしての基礎があるから、ここまで動けるんだろうと思った。素晴らしい👏



ということで、貴重なものを観させてもらいました。
演目構成もイブらしくて、
良きクリスマスプレゼントとなりました😌

来年もたくさん観能出来たら良いなァと思います😊



帰りにお土産にお米を頂きました😊