紫乃
2022-01-27 22:51:15
Public 二次創作こぼれ話
 

チェズルク音楽アンソロこぼれ話

ネタバレしかありませんので、アンソロを読み終えてからの閲覧を推奨いたします。

テーマは「チェズレイ、プロポーズをする」です。

【曲決め】
プロポーズにピッタリなクラシック音楽(ピアノ曲)って結構あるんですが、リスト(シューマン)の「献呈」やサティの「ジュ・トゥ・ヴ」は既に字書き様による素敵な作品がありますし、さてどうしたものか……と色々考えて最終候補として残ったのがリストの「愛の夢(三番)」と今回選んだエルガーの「愛の挨拶」でした。
そこから曲調や作曲背景などを考えて「愛の挨拶」がいいんじゃないかな、ということで今回の選曲と相成りました。
(「愛の挨拶」は、エルガーが自身のピアノの生徒であり恋人のアリスとの婚約記念に贈った曲です。
エルガーは当時無名の作曲家、アリスは陸軍少将の娘という身分違いの恋で、周囲の反対を押し切っての結婚でした。)

【曲の使用箇所】
「愛の挨拶」は終始穏やかで甘く優しいメロディーが続きます。そんなわけで、ピアノを弾くシチュエーションは朝(目覚め)か夜(眠る前)かな、と考え、冒頭の"眠っているルークがチェズレイのピアノの音で目覚める"、というシーンになりました。おはようの挨拶 。
チェズレイは、ルークに聴かせるというよりはプロポーズ前の精神統一、覚悟を決める意味でピアノを弾いています。ルークに言った「ピアノを買ったと手紙に書いてあったので来た」的なセリフはチェズレイジョークです。彼は最初からプロポーズ目的で訪問してます。その辺かなり分かりづらかった。反省。
チェズレイの語りのシーン(物語の大部分)は前述の作曲背景を意識しています。チェズレイに「ピアノの先生」とセリフで言わせたのも、チェズレイとルークをエルガーとアリスの関係と重ねたかったためです。

【他】
作中でチェズレイが弾いた、「ルークが買ったピアノ」はアップライトピアノです。ルークが買ったことにしたのは、彼が自力でピアノを購入するくらいピアノを好きになった、ピアノを買えるくらいお金に余裕ができた(=それくらいの時間が経過した)ことの表れです。

チェズレイのプロポーズが話のメインではあるんですが、ルークも合鍵を渡したりとかなり思い切ったことしてます。ルークの全力にチェズレイが全力で応えた結果が一年後のこの合瀬。

プロポーズのシーンはバディエピソードの「おまじない」を意識しています。(原稿を提出した際に主催のあおさんにいただいた感想で指摘され、伝わった!!と心の中でガッツポーズしました)
横道に逸れますが、あのおまじない、「まずは私を思い浮かべて」って、チェズレイの密かな願望みたいなのが見え隠れしててすごい好きです。その後「誰から思い出しましたか?」とか聞いちゃうのも含めて。

ラストシーン、ルークは結婚指輪を左手薬指に嵌めていますが、チェズレイはネックレスにしています。チェズレイは普段手袋を嵌めているから指輪してても見えない(我が家のチェズレイが手袋を外すのはピアノ弾く時と風呂入る時とルークにふれる時だけ)……でもせっかく結婚したんだから見せたい……という葛藤からああなりました。うん、見せつけたかったの……
チェズレイをポニテにしたのは趣味です。ポニテを描きたかった。
二人がいる場所はウィリアムズ家……ではないような感じにしました。ルークの仕事の都合上エリントンかその近郊だとは思いますが。
いつかこの作品の未来の話とか、ルーク視点の話とか、描いてみたいですね。


以上……です。
プロポーズというどでかいテーマを8ページに収めるのは大変でしたがとても楽しかったです!
読んでくださった皆様に少しでも楽しんでいただけたならとても嬉しく思います。
チェズルク×クラシック音楽という素敵な題材でアンソロジーを企画してくださった主催のお二方、本当にありがとうございました!


中村紫乃