0208_某国支部事務所にて

(後書に)エレウシスの秘儀ネタバレ

アイシェさんと弊マルコ班隊長の関係とか、弊マルコ班の雰囲気のようなものの幻覚
本編とは別の事件の話してます
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LEDの放つ白が夜を照らす。
今なお眠らぬ人の営みを見つめていた窓の蛾が、書類を立てる音に羽を広げて飛び立っていく。
「これで本件は一区切りですね。お疲れさまでした」
静かな夜を包むような、柔らかな声色がひとつ。
少し休憩しませんか、と彼女が湯気の立つマグカップをふたつ差し出せば、事務所の中のもう一つの人影は、礼と共にそれを手に取る。
彼女よりもかなり小柄ながら、ずっと鋭い目つきを湛えたその女性は、マグカップの中身で喉を湿らせ、「甘いものが沁みるな」と寒空に呟いた。

「今回の件が滞りなく解決して、本当によかったです」
長身の女性が目を落とせば、ノートパソコンの画面に刻まれた数字が目に入る。
レネゲイド災害――認知した頃には既に"害"が確認されているであろうその性質上、「被害が0である」などといった理想はそう叶うものではないが。
数字だけ見れば、今回の被害は随分と小さく抑えられたのではなかろうか。
「発見が早かったのが幸いだったな。うちの班員も各所の救助を迅速にこなしてくれたようだ」
「ええ。現地民の協力もスムーズに得られましたし隊長の指揮もお見事でした」
しかし、そう口で言う割には、彼女の表情はどこかしおらしく。
少し、心配だったんですよ。らしくない顔をするものですから」
眉を下げた彼女の言葉に、隊長と呼ばれたその女性は僅かに目を細め、視線を手元のココアへと落とす。
すまない。顔に出てたか」
「あ、いえ。作戦中は凛とした振舞いをなさってたのですが見てしまったものですから」
「あああの時か」
二人の女性は今、同じ場面を思い浮かべているのだろう。
しばしの沈黙を埋めるように、白い湯気が部屋を揺蕩う。
「私だって人間だよ、アイシェ。人を救う立場でありながら、ああも無残な光景を見せつけられれば、トラウマにもなる」
腹を満たした温もりを吐息とともに吐き出してしまえば、現実が腹の底を冷やしていく。

――レネゲイド災害に、レネゲイドで武装していない人間が立ち向かう術はない。
故に被害は出続け、故にこそR災という組織がその被害を最小化するために必要であるのだが。
彼らが人の、いや生命の理の中を生きる以上。未来視など不可能な以上は、どこかで予期せぬ被害は発生する。
現にアイシェと呼ばれたその女性は、ほんの数日前、隊長たる彼女の絞り出すような慟哭を聴いていた。
彼女が身を挺して守ったはずの小さな命がひとつ、その腕の中でこと切れていた。
此度の災害は彼女とその命をあっさりと飲み込み、押しつぶしてしまったからだ。
その場面にアイシェと班員が駆け付けた時、そこで息をしていたのは、レネゲイドを身に宿していた彼女だけだった。

「トラウマ
ああいや、心配しなくて大丈夫。いや、これはやせ我慢とかではなくな」
揺れた声色をかき消すように、次いで自分の言葉に上塗りするように、声が重なる。
「被害ひとつひとつを受け止めて潰れてしまうような人間じゃ、R災の隊長など務まらんよ。我々に求められるのは困難や絶望の中でも、路を示せる胆力だ」
「ただ私は、起きたことをわざと忘れたり軽んじることはしたくないし、そういった感情を鈍らせたくはないんだ」
今思えば、その悔しさや悲しみも、私が人間たる証拠なのだろうと思うしな」
窓の外に視線が移ろう。一度飛び去ったはずの蛾が、また窓の外で群れを成していた。
羽をひらひらと彷徨わせながら、彼らは二人の長い夜を見守っている。
「じゃあ、心配しないでというのは」
そう問うアイシェのカップを満たしていたミルクティーは、既に半分ほど消えている。
舌に残る温もりとほのかな甘さが、彼女の憂いを撫でて柔らかく解く。
「なに。痛いものは痛いが、傷の一つ、いや、十や二十で私は挫けたりせんよ、というそれだけだ」
そしてアイシェの不安を埋めるように敢えて今言語化されたそれは、以前より彼女が知っていた事実だった。

ああ。やはり、ここに落ち着くのだ。
きっとこれが、テレーズ・ブルムが、まだ年端もいかぬ少女ーー"ヒカリ"を隊長に指名した理由だ。

「まあそうは言っても、あんな醜態なんて普段は気の知れたお前たちにしか晒さないものだが」
照れ隠しのように、彼女はココアを流し込んでカップを置く。
実際、住民や他の班の班員、エージェントたちを相手にするとき、彼女は厳しい顔を崩すことはそうそう無い。
その差異を良く知っているアイシェは、くすりと笑みを浮かべて、少し意地悪っぽく返す。
「もう。気が知れてる私たちだって、隊長が泣きそうな顔してたら不安にもなります」
「それは悪かった。でも、私がそういう性格だと知ってついてきてるのはお前達だろう?」
「ええ、もちろん」
だからこそ、と添えながら、アイシェはカップを手に取り席を立つ。

「これからも人としての貴方を支えさせてくださいね。隊長」
まだ温もりが残る、空っぽになったカップを預かれば。
「もちろん。頼りにしているよ、アイシェ副隊長」
御馳走様、と言葉を添えて、変わらぬ瞳と微笑みがアイシェへと向けられたのだった。

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R災ルカ班が戒律重視の軍隊式、ヨハネ班が家族的で結束が強い、みたいな班ごとの印象の設定は公式であるのですが
マルコ班に関しては、エレウシスと銀弾のアペンディクスを見た感じ、エレウシスPC2に任せてくださってるであろう感じなので

弊マルコ班に関しても「結束が強い」だけど、それはヨハネの関係とは違ってて
「チームプレーを前提とする」といった雰囲気、例えるならサッカーチームの結束のようなもの
というのも隊長たるコルトの方針が
「数百人規模の未来を奪う災害に、人間一人で立ち向かうのは重責が過ぎる」
「故に"互いに躊躇なく助けを呼べる関係"を構築すること」だからです
彼女自身が攻防を人並みにこなす一方で、その真価が出るのが"他人と組む時"なので
※モル/オルでヴィークル駆りながらオートアクションバフを振りまく型

エレウシス道中でトリガーHOのそれでPLが頭を抱えたり、最後のアイシェさんの件で
テレーズさんに「慕われてますね」って一言添えられた結果、ここまで愛が肥大化したともいう
あのGM許さねえからな ありがとう

まあコルトは生真面目な割に、子供っぽさとか気さくさとかあと世間知らずとかもあるので
いじられ系悪友な隊長としても班員と親しいんですが(????)
幼少期に出来なかった分、休日に班員とか助けた人にお洒落とか遊びを教えてもらっているといい