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airliss_pokech
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末路の話。
※嗤う人間師 ネタバレ※
村人さんのふせへのアンサーも少々含みます。
彼の部屋には、取り立てた特徴は無い。
一人暮らしの男の家としてはそれなりに整ってはいるか、くらいのものだったと記憶している。
しかし、久しぶりに訪れた彼の家は随分ぐちゃぐちゃだった。
ゴミ屋敷だとか、服が積んであるだなんて状況ではないが、投げ捨てられた文庫本に、灰皿に溜まった吸殻たち。普段の彼からしたら荒れていることは確かだった。
主がいかんせんだらしないもんだから、などと言い訳が浮かぶも、すぐに訂正する。
「暇だからちょくちょく掃除してんだよね」
確かに趣味らしき趣味を持たないその男は、かつてそう教えてくれた。
ジャズと煙草、新聞を嗜む程度に齧るくらいで、金の使い道と言えば外食くらいしか無いような男だ。
……
仕事を辞めた今でも、当分は食っていけるだけの財産はあるのだろう。
少女が部屋に入ったとき、男はベッドの上で、膝を抱えるように座り込んでいた。
もともと荒事には向かないような体格だったが、あれからまた微かに痩せただろうか。
彼は少女を目に留めると、へにゃりと気の抜けた笑みを浮かべる。
ああ、でもやっぱり目付きに、頬の膨らみに、なんだか精気が無い。
悪いね、散らかってて、と。男は取り繕うように口に出すと、茶でも出そうと思ったのだろう、ゆるりと立ち上がって台所に向かった。
あくまで人形の身だからと、少女は自分がお茶を淹れるように申し出たのだが、
たまには自分でさ、などと言い、男がさっさと二人分の紅茶を淹れてしまった。
口に含むと、芳醇な香りの後に、雑味が舌に残る。
こういったことは手慣れていないに違いない。まあ、だからこそ世話が必要だとは思っていたのだが。
少女がひどく深刻な顔をしていたものだから、男は一体どうしたのか、と彼女に問いかけた。
お喋りな彼だから、いつもはくだらない話をして気を紛らわしたりするのだろうが、
今日はどうでもいい話のストックも無かったのか、それとも長々と喋る余裕がなかったのだろうか。
「自分という物の所有権を手放してください」
少女の訴えに、男は動揺を隠せなかった。
「は、あんだけ俺が『主人なんてくすぐったいから』って言っても聞かなかったお前が
……
え、一体どういう風の吹き回しだ」と。
その問いに、少女がどう答えたかはここでは語らないことにする。
想いを胸にしまいこみ、沈黙で答えたのだろうか。
それとも、危険であることを、主人たる彼にしっかり伝えたのだろうか。
彼は言った。
「危険なのは別にお前が居なくたって一緒じゃないか。
ほら、俺だってヤツらから目を付けられちまってるじゃん?何を今更」
それに対して、あるいは少女は反論したのかもしれない。
彼女がより強く目を付けられたことは、彼女しか知らない話だった。
それを告白したか否かは定かではないが、仮にそうしたとして、
彼にはそう大した問題ではないのだろう。
低く、消え入りそうな音に、チクタクと時計の音が重なる。
彼のカップの紅茶は既にぬるくなっている。最初の一口以外、ほとんど手を付けられていなかった。
「人間師の件。
……
俺、なぁんも、できなかったなぁって、思ってたんだ。
俺がしたことといえば、署長の計画を掻きまわしたってくらいで。
後輩の凶行も止められず、マリアを救うことも出来なかった。
……
ロイドもだ」
ロイド。かつて自ら殺めた者の名を聞いて、びくりと少女の全身が跳ねる。
少女は男の顔を、そっと覗き込む。
男の目に、怒りの色は無く。あるのはただ、失意だけだ。
「あるいはもっと察しが良ければ、ロイドを守ることも出来たかもしれない。
騎士は、王を守るものだったはずだ。だから俺はそれが出来たはずだった。だが、しなかった」
「でも、殺したのは私じゃ
……
」
「お前、ごめんなさい、って言ったろ。殺したくて殺したんじゃなかったんだろうさ」
「
……
っそれは、」
「そういうことにしとけって」
影が落ちる。男は長く、息を吐く。
「仮にもスコットランドヤードに入りはしたんだ。
警察としてのプライドはあったさ。それがこのザマだ。
……
」
「
……
何しても無力なままなら。
守れなかった罪深い騎士は、いっそ死んでしまおうか、って。思ってた。
そんな時に、お前の顔が浮かんだんだよ。お前を、置いてはいけないって」
オッドアイの瞳が、主たるその男を捉える。
視線に気づいたのか、男は少女の方へ向き直った。
整えられた髪を、くしゃりと撫でる。
こんなふうにされたのはいつぶりだろうか。少しシワの増えた手は、今も温かかった。
「お前がしたことに怒ってないわけじゃない。
……
だから。悪いと思ってんなら、俺の願いを聞け。
捨てろだなんて、そんな寂しいことを言うな」
ことりと。力を失った手からマグカップが零れ、地面にぶつかる。
ぶちまけられた紅茶から立ち上る香りさえ、今は虚しかった。
「
……
お前たちまで失ったら、俺は、どうしていいかわかんないんだよ」
ただ。鉛のような言の葉だけが、そこには残されていた。
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ユアンには自殺願望があったけど、でもシャロンちゃんがいるから思いとどまってたって話。
そんな時に辞めるって言われてめちゃめちゃ動揺したんでしょう。
というか自殺願望ってのもあまり正確じゃない気はするな
いや正しいには正しいんだけど
……
なんか
……
こう
……
わたしの恣意が入ってない?って不安です
わたしすぐ死にたがりを作るよな
……
?
途中から何書いてるんだ?ってなりましたがわたしは元気です。
スコットランドヤード辞めてから何するか決めてないんですよね みんな前向いてるってのにな(栗鼠班見ながら)
生き延びたんだろ
……
進めや
……
(なんも教えてくれないユアンを殴りながら)
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