黒羊ユク
11507文字
Public 一次創作
 

きどうこーど くだらないはなし

 これは どこかの ひとりぼっち へ むけた おんせい の ろくおん である


■-ななこめ の はなし
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こんかい はなすのは
たびさきで であった ふたりの こと
おれにとって かわっていた のは
ふたりの たいけん だった

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ひとりは にんげんの おとこ
まだ わかい みためで じっさい
そうなんだろう

おれの もう しんでいる からだを
まっさきに しんぱいする くらいには
おひとよし だった

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もうひとりは さらまんだーの おんな
おとなになって すこしくらいだろう

さらまんだー と いっても
ほのおを まとう たいぷ じゃなくて
つめたい からだで ほのおを けす
むかしながらの たいぷ らしい
ふれた からだは つめたかった

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おとこのほうは やっぱり
だまされてばかり だったらしい
けれどいつか そのせいで だれかを
しなせてしまって
じぶんを せめるしか できずに
ずいぶん すさんだ らしい

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そんなとき であった のが
つれの さらまんだー だったそうだ

おんなは おれが みても わかるくらい
ひとを うたがう ことを しらない
おとこ いじょうの おひとよし だった
もっとも あまいだけの おんな でも
ないが それをはなすのは やめておく

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おとこは じぶんが たいけんした
おろかさ かなしさ
すべてを くりかえさない ために
ふたりのこれからを まもる ために

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おんなは じぶんが たいけんした
さみしさ かなしさ
すべてを くりかえさない ために
ふたりのこれからを まもる ために

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おたがいを きづかって
おたがいを たいせつにして
ときどき けんかをしても
すなおに なかなおりをして

そんな へいわを たいせつに していた

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けれど あるとき それが こわれた

おんなには さらまんだーには
ないはずの とりのはねが
はえていた
はねには きずを なおす
ふしぎな ちからが あった

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ずっと わからなかった
はねの しょうたい は
からだに ずっと きせいしていた
ふしちょう の かけら だった

ふしちょう ふぇにっくす は
えらそうに おんなへ いったらしい

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もうすぐ うまれること
うまれたら おんなは くわれること
ふぇにっくすの えいえんの えさは
おんなの あいじょうだと いうこと

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あいじょう と いわれて
ふたりとも なんのことか すぐに
わかったくらい だから
ひっしに たいさくを さがした
けれど なにも みつからなかった

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ぜつぼうして かなしくて
ただ かなしくて たまらないまま

ふぇにっくすは うまれた

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まわりの やつには うそをついた
おんなを うしなった じじつを
おとこは ひとりで かかえた

おんなが かかえた かなしみを
だれからも なんとも おもわれない
じじつに おとこは くるしんだ

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それで どうして おんなが ぶじに
ここに いるのかと いえば

ふぇにっくすは たしかに うまれて
かんじょうを くいものに したが
おんなは かんじょうを こおらせて
ふぇにっくすを けしたらしい

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つよい かんじょうは ねつい と
いうが いくら さらまんだー でも
むちゃくちゃな しくみだ
けれどその むちゃくちゃが できたから
おんなは おとこの ところに
もどれたんだろう

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おんなの からだには もう
のろいのような はねはない
いまは いろんな ばしょを きままに
たびして いるらしい

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とうじ ふたりが かかえた かなしみは
わからないもの でもなかった

おれは たいせつに したかったひとを
なくした ことがある
つたえたいことを ほんのすこし
つたえられた だけ ましなのかも
しれないが

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そうして ふたりは しあわせ かと
おもったら
そうじゃない と いっていた

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しあわせは いつ こわれるか
わからない から
いつも しあわせに なろうと
どりょくすることが だいじ

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つらいことを のりこえて
これからの つらいことも
いっしょに のりこえようと する
ふたり ならではの
ことば なんだろう

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おれも そんなふうに なりたかった
そう いうと おんなに いわれた

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いまからでも きっとなれる
いまのおれは たいせつなひとが
つくってくれた たいせつなひと だから

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あいつの ことを かんがえてみると
とても せっとくりょくが あった
あいつは やさしい やつだった から
そう かんがえると うれしい きもする

なんだか のろけに きこえる かも
しれないが じっさい そうなのかもな
おれじしん おどろいた ことだ

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