九夏
2019-11-23 22:33:48
967文字
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氷雨ちゃん本

次に出したい氷雨ちゃん本のこぼれ話的な

 ――貴女を、感じる。
 それが聖翔祭のスタァライトを観てる最中に思った事でした。
 本来のスタァライトにない、女神達を含めた感情、苦悩、そして……悲劇を乗り越えたいと言う、強い願い。
 かつて貴女が一人で演じてみせた――魅せた、あらゆる感情が込められたあの舞台を、否が応でも思い出される。
 ただ一つ、あの時と違うのは貴女の隣には共に演じる共演者が立っている事。
 貴女の想いに、実力に引けを取らないきらめきを持つ共演者。……かつての私が、なりたかったもの。なれなかったもの。
 座った腿の上に乗せているパンフレットを持つ手に自然と力が入り、パンフレットがくしゃりと歪む。
 悔しい、けれど……つぅ、と頬に涙が流れるのを感じた時に胸を満たしていたのは、大きな感動でした。
 素晴らしい……。これが、あのスタァライト? 新しい結末は、希望は。私の胸を光で満たしていく。
 あの日の舞台も私を魅了したけれど……あの日私は、光を浴びて消えてしまいそうだったから。
 あの日とは違う。違う…………そう、今の私は違う。あの日の、逃げた私じゃない。
 貴女の眩しさに背を向けた、弱い私なんかじゃない。
 ――だから、今度こそ。もう肩を並べる事は出来なくても。裏切り者と恨まれても、向かい合って舞台に立てるはず。
 ……そこが、同じ舞台と言えるかは分かりませんけど。
 ハンカチでそっと涙を拭き、私はカーテンコールで舞台に立つ貴女を真っ直ぐと見つめながら万感の拍手を鳴らしていました。
 あの日と違って、貴女の笑顔は心の底からのもののようだと思ってしまう私を。
 ……私は、許して欲しくなかった。貴女に。

 * * * * * 

次に出す予定の氷雨ちゃん本、元々は夏コミに出す予定で大まかな話の流れとかは出来ていたのですが、
あらゆる事情で本の予定がずれこんでいっている内に舞台版コミカライズがきたので
ちょっと変更加えないといけないなぁと言う冒頭に置く予定だった氷雨ちゃんモノローグの部分です。
今年の6月頃に書いてました。

読んでからキャラへの色々印象が変わったので、当初想定していた話とはまた少し方向性が変わりそうですが
精一杯氷雨ちゃんはじめななちゃんや青嵐の皆を書いていければなぁと。

ボツりそうなのでアップしておきます。