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著者: 雷歌/らいと
2020-10-19 03:11:10
2415文字
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ツイステ
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【#twstプラスB / イデ監】ちとせ
リプthx!
#リプもらった番号のワードを使って文を書く
20. ちとせ -> 恥じらう, 幼気, あえか
「もしも、なんだけど」
「ん?」
「なんだ?」
暇なときはお邪魔しているハーツラビュル寮の談話室。紅茶とトレイ先輩作のお菓子を食べながら、いつものようにエースやデュース、それにグリムとだべっている。
そんな折、ふと思った疑問を口にしてみた。
「もしも俺がずっとこの世界にいたとして、魔法使えなくてもちゃんと生きていけると思う?」
「え、平気じゃね? お前図太いし」
「褒め言葉として受け取っておこう」
グリムがお菓子をいっぱいに頬張ってもごもごと言っている。お前なら大丈夫だゾ、といったところだろうか。エースと同じく図太いから、とか思われてそうだ。
「実際のところ、魔法に頼らず生きている人もいるし、大丈夫だと思うぞ」
「ああそうなんだ。けど、魔法使えないのにNRC出身てどうなんだろ」
「というか、お前は帰る気ねえの? 元の世界とやらに」
「どうなんだろ。けど、こっちで死ぬまで生きるって想像はまだできないよね。いろいろと違いすぎて」
この学園の外を見たことがあるわけではないが、すでに経験したあれこれで元の世界の常識が通じないことはわかっている。この学園で学んでいることや経験していることが普通だとしたら、帰りたいと思うこともいつかはあるかもしれない。
「じゃあ、イデア先輩と死ぬまで添い遂げる、ていう想像は?」
「ああ、それも
……
うーん」
正直なところ想像はできない。きっといつか別れは来る。それに、何やらいいところのお坊ちゃんらしいという話も聞いたことがあるので、例え両想いになったとしてもそういう別れはきそうだ。
両想いになる前からすでに別れを覚悟するというのもどうかと思うが、長い間続く関係を想像できないのは本当だ。
「幼気だなあ、それでもイデアにアプローチを続けるんだな」
いつの間にか来ていたトレイ先輩が、自身のティーカップ片手に隣のソファへと座った。明日はなんでもない日のパーティーがあるのだが、そのしたごしらえが完璧に終わったのだろう。
「いたいけ
……
に見えるんですかねえ、俺って」
「知ってるとなあ、見えるなあ」
「見えますかあ。身長とか小さくない方だと思うんですけど」
「平均だろ。けど、イデアと比べるとな」
トレイ先輩もイデア先輩と同じぐらいの身長なのだが、そのトレイ先輩から見ると俺は小さいらしい。元の世界では平均身長より少し小さい程度で、けれどそれでも小さい方だとは思ったことない。エースやデュースといても、自分の身長を気にしたことはない。
つまりは、百八十センチ代の人間は縮めばいいと思う。イデア先輩を除いて。
「猫背だからそう見えないんですけど、背を伸ばすと、大きいんですよねイデア先輩。そのギャップも良くて」
「背を伸ばしたところを、見たことあるのか?」
「一昨日。お昼に学園長に呼び出されたときあったじゃん。あれの帰りさ、イデア先輩に遭遇して」
「え、めずらしー! 生身で来てたの、あの人?!」
「来てたの。それで、庭でなんか遊んでたのか課題中かわからないけど、人の魔法が飛んできてさ」
とっさに腕で頭をかばったため、被害は腕だけ。強い魔法ではなかったため、少し痺れたぐらいで済んだのだが、魔法が使える人間ならとっさに防御壁を作ってああいうのは無傷で済むらしい。
魔法が使えないということがどういうことなのか改めて知った。魔法が普通の世界では、自分はとてもあえかな存在なのだ。考えてみれば、魔法の力を行使されている時にそういう面で役立ったことはない。生きているのは運が良いと言えるかもしれない。
ごめん! 悪い! とか、声が飛んできた方に気にしないでくださーい! と一声かけて、改めてイデア先輩の方へ駆け寄った。
「イデア先輩! 偶然ですね!」
「いやいやいやいや、何平気そうな顔してこっち来てんの?! 痛くないの?! 痛みに鈍感か?!」
「え、ああ、痛いですね。けどそれよりも」
「いっ、痛いならすぐ保健室へ!」
「大丈夫ですって、ちょっと力入らないぐらいで」
「どんな魔法かも分かってないのに、放っておくのは馬鹿の極み! 愚か者のすることでござる!」
そういうと、腕を掴まれて引っ張られる。保健室へと急ぐ姿が、いつもの猫背より少し伸びていて、改めて大きいなあと思ったのだ。
強い力で引っ張られるているのと、大きい背と、いつもより少しだけ激しめに揺らめく炎に、イデア先輩に申し訳なくも嬉しくなってしまった。
「それで? 結局、腕は無事だったのか」
トレイ先輩の問いに、軽くうなずきながら返す。
「軽く腕が腫れたぐらいで、あとはなんとも」
「気を付けろよ。課題でなら魔法結構使うから、その時に下手な学生だと暴発させるからな。当たらないように」
「はーい」
「俺様と一緒だったら、俺様がバリア作ってやるんだゾ!」
「うん、頼りにしてるねグリム」
一通りお菓子を頂いてから、ハーツラビュル寮を後にする。
さきほどの話の続きで、保健室のことも思い出していた。
駆けこんだはいいが保健医はいなくて、慌てた様子のイデア先輩が何を思ったのか、結局手当してくれたのだ。真正面に向かい合って座っているものだから、いつもより距離が近くて。恥じらいを持つとかキャラではないのだが、あの時は柄にもなく手当が終わるまで口が開けられなかった。久しぶりにタブレット越しではなかったからということもあったのだろう。
手当てが終わった後、オルトを呼べばよかったと青ざめた顔でぶつぶつ言う姿を思い出して、少し笑みを浮かべる。俺はイデア先輩に手当してもらえて嬉しかったですよと言えば、そんなこと思うの監督生氏ぐらいでござる、なんて返ってきて。
「巻いてもらった包帯、宝物にしよ」
手当してもらった腕を軽くさすってそんなことを言う俺に、グリムは少し引いた目を向けた。
end.
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