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著者: 雷歌/らいと
2020-10-17 02:48:32
1496文字
Public
アクナイ
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【akni / 葬博】願うは不変
葬博未満。手探り中。
「じ、地雷禁止!」
「何故ですか。ドクターの執務室には訪問者が多いため、休息を確実に取るには適切な対応かと思います」
イグゼキュターの理解できない癖として、私が休憩を取ろうとすると地雷を設置しようと──いや、気付かないうちに設置していることがある。今のところそれによる被害は起きていないが、地雷のことを知った時は肝を冷やしたものだ。
秘書をお願いする度に、地雷の設置をやめて欲しいと願い出ているのだが、あれこれ言われて押し切られてしまっている。
本日もまた、ふと気付くと執務室ドア前に地雷が設置されていた。
「イグゼキュターが私のためにしてくれているのは嬉しいけど、被害が出てからじゃ遅いし」
「いいえこれはドクターのためだけではなく、私のためでもあります」
「
……
どういうこと?」
「聡い者はこの地雷を見て執務室に入ろうとは思いません」
「そうだね」
「それにより、執務室はドクターと私の二人きりになります」
「うん
……
えっ?」
もう一度、えっ? と口から漏れた。二人きりになりたかったの? と驚いてイグゼキュターを見やる。
彼は私の反応を特に気にした様もなく続けた。
「ということは、私の秘書業務も進みます」
「ああ、そう、うん、なるほどね」
妙な勘繰りをしてしまい苦笑を浮かべる。
そもそも、そういうのをイグゼキュターに求めるのは間違いだろう。女性職員からの人気は高いが、アプローチをしたそれぞれが玉砕しているのだ。しかも、そういうアプローチだという理解さえ得られずに。さらには、人間ではなくロボットでは、なんていう疑惑も出てきている。
よくよく見ればそうではないということはわかるのだが、それもこうして秘書や戦場での作戦時に過ごす時間が長いからこそわかるものだろう。
「君の考えはわかった。とにかく、地雷以外で邪魔されない時間が確保できればいい、ということだね?」
「そうですね。地雷よりも、より良い確実な方法があるのならそれで良いと思います」
「オッケー、考えておく」
ドアにでも、入室禁止とか書かれたプレートでもかけておけばいいだろうか。これに関しては、アーミヤやそういうことに考えることに長けた子にも相談してみよう。
「ああ、それとドクター、もうひとつ」
なんだい、と作戦が表示されたモニターに向けていた目を、再度イグゼキュターへと向けた。
「休息中のドクターを見るのも、邪魔されたくありません」
しばしの間ののち、へ? と間抜けな声が出る。
「それは、えーと、なんでかな?」
「説明するにはまだ理解が及んでいません。それを理解するために、まだしばらくお時間をいただきたいと思います」
「そう、か」
理解したところで、どういう結果が出るのか少し楽しみで少し怖ろしい。昇進の際やその他の際にも、予測した返しが今まで外れてきているので、観測相手として面白がっている節は認めよう。
「ドクター? 何か楽しいことでも?」
「おっと顔に出ていたか。なんでもないよ」
自身の頬を軽く捏ねながら、さて仕事に集中するか、と改めてモニターに目をやった。
イグゼキュターといるのは少しだけ気が楽だったりする。彼は以前の私を知らず、今の私に個としての興味を抱いていない。指揮官たるドクターとしての興味は抱いているかもしれないが。彼の前で、何か取り繕うこともしなくていいので、そういうことで私はよく彼に秘書をお願いしてしまうのだろう。ただ単純に優秀でもあるのだが。
どうかそのままでいて欲しい、なんて思いながらモニター越しにイグゼキュターを見つめた。
end.
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