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著者: 雷歌/らいと
2020-09-02 23:56:29
776文字
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戦セバシリーズ
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【戦セバシリーズ】午前十時に見ていた世迷い言
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使用人ズのふとした会話。
朝食の片付けも終わり、屋敷内の清掃へと入ってしばらく。いつもの一日では終わらない窓ふき掃除を進めながら、ぽつりとAがこぼす。
「今日は
……
ないかな」
それに耳をぴくりと動かしたツネッテは首を横に振った。
「ないわけ、ないでしょ」
「いやでも、今日ぐらいはさ」
「ない日なんて、あった?」
「そうだけどさー」
口を少しとがらせて、それでもAは手をしっかりと動かしている。
ない、ある、と話しているのはいつも大体この時間帯に起こり得る出来事の話である。
朝食をぱぱっと済ませたあと、八時からこの屋敷の主人の仕事が始まる。それから二時間、おおよそ十時頃。集中力が切れた主人の欲が爆発するのだ。
とはいえ、時折は十時という予測をはずしてくることもある。だが、それが起こらなければ起こらないほど、後がやばい。爆発力が通常よりもすごいのだ。
「油断してると死ぬぞ」
両手にバケツを持って、Bが現れた。
二人のそばにバケツを置いて、厳しい目線をAへと向ける。
「いつも言ってるだろ、業務中はここは戦場だと思えって」
「だけど、たまにはさー!」
「やめとけ、そんな期待をもつと対応に遅れが生じるぞ」
「馬鹿なこと言ってないで、はやくここら辺終わらせるわよ」
Bとて、ここで働きだした当初はそういう淡い期待をしたりもした。
今日こそ平穏無事に一日が終わるのではないかと。そんなことを漏らして、執事たるセバスチャンに鼻で笑われたのは今となっては、そりゃそうだよな、と頷くしかない。
我ながら馴染んだものだなぁ、と少し遠い目をする。そうして自分よりはまだ経験年数の少ない二人へと、哀れみと慈しみの目線を向けた。
様々な出来事に負けなければ、二人もこうなるのだろうな、と。
そして、今日も屋敷の中と外に盛大な轟音が響くのであった。
end.
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