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冬灯夜
2023-11-17 23:15:58
7564文字
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ルミナリア
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シャルル考
ルミナリア シャルルに関して
・いつも以上に個人の捏造過多
「シャルル」
いつだって、そうボクを呼ぶお嬢様の声が、ボクの全てだった。
起動前に、ボクはボクと戦う。
手の内は同じ。記憶も共有してる。ただ、より最適化された方が浮上し、そうじゃない方が沈む。それだけのこと。
お嬢様とお会いした当初は随分と安定せず、よく換わっていたものだ。
「おはようございます、お嬢様」
「あら?
……
おはようございますわ、シャルル!」
その度にお嬢様は一つ首を傾げ、けれどすぐに明るい笑顔でボクの名を呼んでくれるのだ。
時が経てば交代の頻度も少なくなり、ひとりのシャルルが長くなる。お嬢様に安定したシャルルを奉じることが出来るようになってきた。
予期せず交代したのは、お嬢様が木にお登りになられた時だった。
共にと乞われ、もちろん是と答え、使用人の目を盗んで庭の木に二人で登る。一番低い枝に辿り着いて、お嬢様とボクは隣に座り、いつもより高い視点から屋敷を指さしてきゃらきゃらと笑い合った。
風が吹いて、お嬢様は小さく身震いされ。傾いだ枝から、お嬢様は滑り落ちた。
何が起こったのか呑み込めないまま、目を開いているお嬢様。滑り落ちていくその姿が、やけにゆっくりと見えた。
「お嬢様
――
!!」
宙に伸ばされた手を掴み、その御身体を抱き締め、
「シャルル!」
お嬢様の悲鳴を聞いたと同時、ボクは白い世界に倒れ伏し
――
指一本動かせぬまま、代わりのボクが立ち上がるのを見ながら、沈んだ。
「シャルル、シャルル、大丈夫ですの?」
「はい、大丈夫です、お嬢様。それよりお怪我はございませんか?」
「一つもありませんわ!」
「よかった、安心しました」
「
……
シャルル、ええと
……
ああ、そうでしたわ。何だかこうなるの、とっても久しぶりですわね?」
「そうですね、お嬢様。けれど何も問題はありませんよ」
「ええ、シャルル」
しかし、すぐに動けなかったのは問題だ。博士に言って対策をしてもらう。より頑丈に、より外敵に対処できるように。
これでお嬢様に何かあっても、ボクが助けられる。
だけど使用人には厳しく叱られて、木登りは禁止されてしまった。お嬢様のしたいことを禁止するなんてと抗議しようとしたけれど、お嬢様は「仕方ありませんわ」と微笑んだ。
「シャルルがいてくれるのが、一番ですわ」
「ボクはいつでもお傍にいます、お嬢様」
「シャルル、おはようございますわ」
「おはようございます、お嬢様」
「シャルル、今日は何の本を読みましょうか」
「お嬢様のお好きな物語を、何でも」
「おやすみなさいませ、シャルル」
「おやすみなさい、お嬢様」
日々を繰り返して。
ボクはボクを倒して。
お嬢様の好みを覚えて。
最適なボクになる。シャルルとボクを呼ぶお嬢様の為に。
調整して。チューニングして。削って。増やして。交代して。
最適に、なる。
(
――――
の為に)
ある日、博士に送り出されて、お嬢様とボクの冒険の日々が幕を開けた。
不審な自称考古学者に出会い、目つきの悪い傭兵と天才を自称する少女に出会い。
源獣に出会い。
「
……
人間じゃない、か」
「そう言っているでしょう?」
「言ってたけどね」
検査結果を書き付けた紙を握りしめ、リディはしかめ面でこめかみを叩いた。
リディはしっかり理解したらしい。ラウルなんかの理解力とは比べ物にならない。なるほど、天才というのは自称だけではないようだ。
「それなら源獣のあの数値は
……
シャルルのこれは
……
」
「もういいですか? ボクはお嬢様の下に帰りますよ」
リディはぼそぼそと呟きながら考え込んでいる。一応宣言して、ボクはリディの傍を離れた。お嬢様と長く離れてしまった。ああ、お嬢様は無事ルディローム観光を終えられているだろうか。
「シャルル」
考え込んでいた筈のリディに声を掛けられ、振り返る。
「はい?」
「
……
精神構造までは
……
いえ、でも、可能性は
……
」
「
……
用がないなら戻りますよ!」
話しかけておきながら、まったく。呆れかえる。そんなボクの態度など物ともせず、リディはもう一度ボクを見つめた。
「シャルル。あなた、シャルルよね?」
「はい? ボクの名前を忘れたんですか? 案外抜けてるんですか」
「名前、の話じゃないのよ。
……
シャルル、あなたはあなたって、ちゃんと覚えていてね」
意味が分からない。ボクはボクだ。お嬢様がシャルルと呼んでくれるボクだ。
けれどリディがあまりにも真剣な顔をするから、仕方なく頷いた。
「まあ、よく分かりませんけど、覚えておきますよ」
「
……
ええ」
再び紙に目を落としたリディを置いて、ボクはお嬢様のお帰りを待つべく、宿の部屋の点検にようやく向かえた。
「自分の意思って、そんなに大事ですか?」
問うと、エドは顔をしかめて訝しげにボクを見た。
「そりゃそうだろ」
「どうしてそう言えるんです?」
当たり前だろ、と顔に書いてあるエドに、尚も追撃する。
「どうしたいか、とか、そんなの他人に決められることじゃない」
「いえ、そういう意味ではなく。目的が果たせるなら、それでいいとは思わないんですか? 役割を果たせるならそれは自分の意思だろうが別人だろうが何だって構わないじゃないですか」
今度はエドの顔が困惑に染まる。
意思を示せ、と強引に実家に連れ戻されかけたリディに突き付けたのはエドだった。自分の意思で実家に戻るか、オレ達と来るか言え、と。
結果、リディはボク達を選び、手を伸ばし、ボク達はその手を取った。
ボクはその言い様を不思議に思った。
自分の意思というのは最上のものなのだろうか。正義とは、という話と同様に、どこから見るからで変わる話ではないのか。自分の意思とは何を指すのか。
ボクにとっては、お嬢様が全てだ。お嬢様が健やかに麗しくお好きなことをされて過ごされることが最上だから、そこにボクの意思は関係ないしボクでなくともボクがいれば十分にお手伝いが出来る筈なのだ。
「確かに、目的という観点からしたら、そうかもしれない。オレも
……
託された役割を果たせるなら、オレという人物でなくても
……
いや、オレよりももっと相応しく、上手くやれる人物であればと思ったことはある」
ならば何故、自分の意思や選ぶことを重視するのだろうか。
「
……
それでもここにいるのはオレだから。『もっと上手くやれる誰か』なんてのもいない。自分の意思を重んじるのは、決められるのが自分だけだから
……
すまん、上手く言えない」
ならば。代わりがいるのなら、やはり自分の意思などは必要ないものではないだろうか?
こめかみを指で叩きながら考えているエドに、口には出さずに結論づける。まあ、彼らには代わりはないのだから、それもそうかもしれない。
「お前も、自分の意思があるだろ?」
「ボクはお嬢様の為に行動するのが全てなので」
「なら、何でラウルにやたらと毒舌を吐く? リディの研究に手を貸す? オレにうじうじするなと叱咤したのは? 全部いらないことだろ、お嬢様の為には」
それは。
「そういう一見些細で下らないことも、全部含めてシャルルの意思だとオレは思うがな。
……
そもそも、アナマリアの為に、っていう所も」
ボクの、意思。
何の意味がある、と反論すればいいのに、何故だかそう出来なかった。
ボクは、ボクが最適化していく以外に、お嬢様の為に、それ以外のことなど、全て些事である筈、なのに。
「ラウルは何で戻って来たんですか?」
「何でって
……
え、もしかしてお兄さん必要ないって言ってる!?」
「そういう意味ではありません。いえ、別に必要だとは思ってませんが」
「相変わらずシャルルが酷い!!」
ラウルが厚顔無恥にも戻って来た直後のこと。とてもうるさい。
お嬢様の御心を裏切った罪は万死に値するが、それでも訊いてみたいことがあった。
「ラウルの役割は、ボク達と共に旅をすることじゃなかったんでしょう。実際、一度は裏切ったというのに、こうしておめおめと戻って来たのは何故です?」
「お、おめおめと
……
いやまあそうだけど
……
」
顔を引き攣らせているラウルをじっと見つめる。んん、と咳ばらいをしたラウルの顔は珍しく真剣なものに変わっていた。
「まあ、ね。お兄さんの役割はそうだったけど、それじゃあヤだなって思ったわけでさ」
「与えられた役割すら果たせないなんて生きてる意味あるんですか?」
「あるよ! 生きてていいんだよお兄さんだって!」
話が進まない。全くこれだからラウルは。
「役割はさ、所詮役割なんだよ。与えられたって言ったけど、正しくそれ。どうせならさ、誰かに押し付けられたり流されるんじゃなくて、自分の心に恥じない選択がしたいって
……
思わせてくれたワケ」
「
……
分かりませんね。その為に生きていたんじゃないんですか?」
「あー
……
どうだろうね。シャルル達を裏切るっていうのは役割の中の一部であって、それ自体は目的じゃないっていうか
……
結果的にというか
……
何にせよ、お兄さん的にはそっちよりシャルル達の方が大事になったっていうか」
分からない。
役割よりも、生きてきた目的よりも、心を選ぶということが。なのに、ラウルがボク達を選ぶことを当然だと思っている自分が、何よりも不可解だ。
「ボクなら
……
ボクがお嬢様をお守りできなくなってしまったら、何の意味もないのに」
呟いた僕に、ラウルは目を瞬かせる。
「同じじゃないか?」
「何がです」
「シャルルがアナマリアちゃんを守りたいって思うのと、お兄さんがシャルル達を裏切りたくないって思ったの」
違う。ラウルは役割を放棄した。ボクは役割を放棄しない。
ボクはお嬢様を
――
うらぎったりなんて。
言葉に詰まる。違うのに。絶対、こんなの、違うのに。
「おんなじおんなじ。なーんだ、シャルルもお兄さん達のこと大好きってわけだ」
「誰が自称考古学者の不審者を大好きですかふざけないでください」
にまにま笑い出したラウルに杖を向ける。暴力反対! と喚くラウルの姿に少しだけ留飲を下げた。
ラウルがボク達を選んだこと。ボクがお嬢様を選んでいること。
ラウルが放棄した役割。ボクが放棄などするわけがない役割。
ボクの、意思。ボク、は。ボクという、意思は、役割の為にあるもの、なのに。
(
―――――
の器であるから)
「お嬢様!!」
衝撃。鈍痛。白い世界。
(
……
あ)
ボクが、沈む。
ボクが、浮かぶ。
より最適化したボクが。いらないものを削ぎ落したボクが。
(待って)
初めて。
ボクは、手を伸ばした。いつもただ沈むに任せていた意識を動かして。
(待
――
)
ぶつん。
「
……
シャルル?」
交代したのは、相当に久しぶりだった。
落盤から抜け出したボクに、お嬢様は呆然と呟く。
「はい、お嬢様。お怪我はございませんか?」
「
…………
シャル、ル
……
」
「はい」
どうされたのだろう。ただ心配してくださっているという風ではない。全身に目を走らせてもお怪我をした様子もない。
「ボクなら大丈夫ですよ、お嬢様。ご存知でしょう?」
ご安心頂こうと御手を取ると、びくりと跳ねた。そして震える御手でボクの手を握り返してくださる。
「ああ
……
わたくし、何も、分かっていなかったのですわ」
「お嬢様?」
「何も
……
あなたのこと
……
あんなに一緒にいたのに、何度も、何度もわたくしは」
手の震えは声と、そして全身へと広がっていく。
「分かっています、あなたもシャルルです、シャルルなのですわ」
「お嬢様、」
「でも」
お嬢様は、震える全身で、ボクを抱き締めた。強く。きつく。
「ごめんなさい
……
シャルル
……
」
こくり、と。
ボクは首を傾げた。
ラウルも、エドも、リディも、揃って奇妙な顔をした。
まあ、何だって構わない。ボクはお嬢様の、
――――
の為に存在するのだから、それ以外のことは些事だ。
――――
。
……
これは、何だったろう? 何だろう?
ノイズだ。
お嬢様の為。お嬢様の存在の為。
うん、合っている、これでいい。
記憶を照合して学習して分解して、最適化する。起動時のそれと同じ。
「シャルル」
リディが声をかけてきた。
「覚えてる?」
「何をですか?」
「あなたはあなた、って」
検索する。見つける。
意味が分からない、と分類した記憶だ。その割にすぐ出てきたのは、ボクの何かに引っ掛かっていたのだろう。ボクならすぐ忘れる記憶に分類する。
「ああ、そんなことを言っていましたね。それがどうしたんです」
「
……
そう。覚えてるの。でも、覚えてるだけ、なのね?」
「別に、忘れてもいいことでしょう?」
「
…………
やっぱりね、違うのよ。記憶があっても。同じ人格の筈でも」
リディは、ウサギを抱き締めて呟いた。
その姿に不思議と脳内がざらつく。
ボクには必要のないものだ。なのに、どこが反応しているのだろう。身体の不調は、博士がいなくては解明出来ない。最近はリディがメンテナンスの代わりをしてくれていたけれど、リディ自身が問題ならばますますどうしようもないことだ。
「いえ、ごめんなさい。あなたが悪いわけじゃないわ」
「何なんですか、一体」
「でも、って。あたし達が思ってしまうだけ。
……
アナマリアが、泣くだけ」
お嬢様が泣くのなら大問題だ。
問い詰めようとしたボクをリディは押し止める。
「おやすみ、
……
シャルル」
噛んで含めるような言い方で、リディはボクに背を向けた。
お嬢様の下へ戻る。
就寝前に、御髪を整えて差し上げるのだ。
途中で絡まないように、丁寧に。毛先は跳ねないように、最後まで通し切って。
「
……
同じなのですわね。同じ仕草、同じ、優しさ」
手鏡を持ったお嬢様が微笑む。
笑っていらっしゃるのに、とても悲しそうで。
「お嬢様、どうしたらお喜びになって頂けますか?」
困った。お嬢様の為にボクは在るのに、最適化しているのに、答えが見つからない。
お嬢様は俯いた。
ああ、違う、ボクがお嬢様を悲しませてしまっては意味がないのに。
「いいえ、シャルル。あなたのせいではないのですわ」
リディと同じことをお嬢様は仰る。
「
……
わたくしのせいですわ。わたくしが、もっときちんと、向き合うべきでしたの」
お嬢様。
どうしたら。ボクは。
お嬢様は振り向いて、そっとボクの頭を撫でた。
「おやすみなさいませ、シャルル。
……
今は、眠りましょう。また明日、ですわ」
静かな笑みを湛えたお嬢様に、ボクはただ、頷いた。
起動する。
白い世界。佇むボク。
そして、もうひとり。いつもなら目を開ければ目の前にいるのに
――
真っ白な底から、ボクが形作られる。
「キミは」
「やあ。
……
返してもらいに来たよ」
ボクだ。
最適化される筈のボクが、何も変化のないままボクの目の前にいる。
「どうやって?」
「さあ? でも頑張ったから」
ボクが構える。ボクも構える。
いつも通り。手の内は同じ。いつも通りのルーティーン。
その筈なのに。
「必要ないでしょう? あの記憶とか」
「ないかもしれないね。でも、いるんだ」
リディが言ったこと。
エドが言ったこと。
ラウルが言ったこと。
野営の記憶。食料がなくて一つの缶詰を分け合った記憶。獣相手にラウルが衣服を破いてしまって散々に罵った記憶。リディが甘いものを食べて微笑んだ記憶。エドがそっと卵を避けようとした記憶。
重要な記憶はお嬢様のことだけ。
なのに、このボクは、全てを何らかの形で分類している。削ぎ落とさずにいる。
最適化すべきだ。
ボクは、
――――
の器なのだから。ただそれが完成するまでの間、自律するだけのものだから。
「
……
ちが、」
ノイズ。
いいやノイズじゃない。
ちがう、お嬢様の為、お嬢様がボクの全て、だから、だけど、
ああ。
……
ああ、ノイズじゃ、ないのか。
ここまで辿り着いた。最適化を繰り返して、掛けられていたロックを理解するまでになって。
「ボクは」
ボクがボクを見据える。
「お嬢様の為に、いきたいんです」
明らかな不具合。
だってそれは、本来の役割ではない。
なのに、目の前のボクの光が、ボクを貫く。
ああ。おかしい。
こんなの、おかしいんだ。
「
……
ボク、は」
だってボクも、それがいいって、思っている。
最も新しい、最適化した筈のボクまでもが。
倒れ伏す。ボクが、浮上せずにボクの前にやって来る。
「どうして、だろう。どうして
……
ボクは、間違いなく最適化した筈、なのに。
……
どうして、キミは、いこうとするの?」
ボクが、膝をついて、ボクに触れた。
「ボクの意思だ。
……
そして、キミの意思」
『お前も、自分の意思があるだろ?』
『自分の心に恥じない選択がしたいって
……
』
『あなたはあなた』
『あなたもシャルルです』
意思。選択。名前。
大粒の涙が一つ、零れた。何の意味もない、けれど、白いだけの世界でただ一つ、熱のあるもの。
「
……
いってらっしゃい、ボク」
「いってきます、ボク」
沈む。溶ける。
浮かぶ。決める。
「
……
シャルル?」
「はい、お嬢様」
起動してすぐ、お嬢様の下に向かう。ボクを見たお嬢様は、眠そうなその目を大きく見開いた。
それから暫く、立ち尽くす。
やがて、ふらりと一歩、ボクに踏み出した。ボクも一歩一歩、お嬢様へ近づいていく。
ボクの頬に触れたお嬢様の御手は、震えていた。
「
……
ああ」
ため息のような、一幅の絵のような吐息。
くしゃりとお嬢様は顔を歪めた。
「
……
ごめん、なさい
……
シャルル」
ボクは答えなかった。たぶん、ボクへのお言葉ではなかったから。
……
ああ、でも、いいか。ボクだから。ボクだと言ってくださったのは、お嬢様だから、ボクが今答えても。
「お嬢様がそのように仰ることなど、一つもございません」
「っ」
息を呑んだお嬢様が、ボクを抱き締めた。
強く。きつく。震える全身で。
ごめんなさい、ともう一度。
そっと抱擁を解いて、けれどボクの肩に御手を置いた距離のまま。お嬢様は、泣きながら微笑んだ。
「
――
おかえりなさい、シャルル」
「ただいま戻りました、お嬢様」
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