冬灯夜
2022-10-24 10:41:21
501文字
Public ルミナリア
 

同じ色

ルミナリア ガスリゼ
・妹と幼馴染みの話
・千晶さんのSSから

 妹は花のような子だった。
 薄紫の花の色と同じだと褒められて喜ぶ姿に自然と口元が緩んだ。
 一つしか違わないくせに年上ぶってこちらを撫でる幼馴染みの腕をそっと外す。緑の目が何か言いたげだったけれど、ただ首を傾げた。

「あの花の色に似ているよ」
 時折そう零す幼馴染みに、そうだな、といつも同じように返す。
 妹とは似てない姉妹だと思う。髪色だけは似ていたが中身は正反対で、あのこは誰からも愛される優しい子だった。
 唯一同じ色を持ち、同じ痛みを抱えている私にだけ零されるそれは、妹を偲ぶ言葉なのだ。だからその視線の先には妹がいる。
 ……そう分かっているのに、どうしてもその先を辿れなくて、目を逸してしまうのは何故だろう。
 今日も零された言葉と視線から目を逸して、そうと分からぬようにグラスの酒を喉に流し込み、言葉を呑み込んだ。







こちらの返歌になります。ありがとうございます!


画像版