さんと夏の日差しが降り注ぐ。
眼に痛くすらあるそれを、しかし白と紺の水兵帽が遮って、少年は笑う。
「よーし、行くよ、ユーリ!」
「おう。前見ろよ、カロル先生」
「分かってるって! しゅっぱーつ!」
ユーリの手が肩に置かれるのを確認して、カロルは元気よく腕を振り上げた。
* * *
「仮装大会だそうですよ」
エステルが街中でポスターを見つけたのが、始まりだった。
おしゃれギルド協賛、賞金あり、アピールタイムあり。
「変わった服ね」
参加を決めた面々(賞金だとか面白そうだとか宣伝だとか)を興味なさそうに見ていたリタが、付き合わされた古着屋で見つけたことがきっかけで。
「これは昔あった海を守るギルドの制服じゃな」
そしてパティが発したその一言が、決定打だった。
時に戦い時に共闘し、と懐かしそうに語る海賊少女の横で着々と話が進み。
「確か作ってもらえるのよね?」
「そうそう、原型か製図があればねー」
「誰が着るんだい?」
「で、こうなったと」
「かっこいいよ、ユーリ!」
古着屋で見つけた紺の制服
――水兵服は、大きさからしてユーリに。
もう一人、出るなら首領だろうということで、白い水兵服をカロルに合わせて新調。
色やアレンジについては、ジュディスとエステルとパティ中心に非常に楽しく盛り上がっていたことを追記しておく。
そのままの勢いで全員分作り(いや何でよ、とリタがぼやいたが出来上がった水兵服をエステルに褒められて言葉を呑み込んでいた)、大会に出るのは二人で、残りの面々は観客席から応援とサポートをすることにした。
「似合ってるじゃないか」
「そいつぁどーも」
「カロルは器用だね、上手く結ってもらってる」
「そうだな」
「
……ふ」
「
……なんだよ」
「君のそういう所は、分かりやすいと思ってね」
自慢するみたいだったよ、との親友の言に、ユーリはふいと視線を逸らす。
「
……ジュディが出た方が盛り上がるんじゃねえか?」
「そうね。盛り上がりすぎて宣伝を聞いてくれないかもしれないわね」
ラピードと一緒に応援してるわ。
わふん。
凛々の明星を背負えと、美女と相棒は笑っているようだった。
「おおー、カロルくんおっとこまえー」
「そう? へへ」
「これで女の子も一発だわね!」
「いや、別に僕はモテたいわけじゃないから
……レイヴンじゃあるまいし」
「にゃにおう。
……知ってるかい、今日、魔狩りの剣も出るんだってよ?」
「!?」
「うむ。頑張れ少年」
「が、がんばるよ! 凛々の明星は、どんなことでも一生懸命なギルドなんだ!」
「
……おう。頑張ってきな!」
* * *
わっと盛り上がる観客席が迫ってくる。
同じ水兵服を着た仲間たちが、それぞれに手を上げ声を上げ、二人を待っている。
助走から段々と速度を上げて。時々振り返りはするが、さほど気にはしない。
肩に置かれた手は、もう勝手に振り解かれはしないと、知っている。
「凛々の明星!」
「参上!」
大きく上がった歓声に、カロルは手を振った。
#ふぁぼした人の文章を自分の文体でリメイクさせていただく の絵ver
抹茶さんありがとうございます!!
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