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冬灯夜
2017-12-02 00:41:37
891文字
Public
TOV
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あたためてあげる
TOV レイエス
#彼女の冷たい足をあっためてあげる彼氏そんな二人のハートフルストーリーを書いてみたからみなさんもください
ということなのでお察しください。状況は気にするな。くっついてる
水音。湯気に隠れ、俯いたその表情は読めない。
熱く濡らされたタオルが足指の先から甲までを包み込む。それから土踏まずに踵。こするほどでなく、心地よい強さでタオルが足を拭っていく。踝までが終わると、ゆっくりと湯を張った桶の中に足を下ろされた。
一連の所作はどれも丁寧で、さきほどから胸の音が耳に響く。
タオルが浸され、絞った波紋が届いた。
「水の潤沢なとこだとね、こういう風に足を洗う用の水を出してくれる宿もあんのよ」
「そうなんですね。初めて知りました」
桶の外に宙ぶらりんだった逆の足を優しく取られ、同じように爪先から踝までを拭われる。
「あの、ありがとうございます」
「いやいや、このくらい」
顔を上げたレイヴンは、いつものようにへらりと笑った。
「じゃあ次はわたしが」
「いーっていーって」
「でも、自分では拭きにくいってレイヴン言ったじゃないですか」
「これはおっさんの嬢ちゃん限定サービスだからいーの」
……
確かにこれは、オルニオンの宿屋が用意してくれたものではなくて、レイヴンが頼んでもらってきたものだった。
「せっかくのお湯ですし。レイヴンが寒いのも、わたしはいやです」
お湯が冷めない内に。そんな言い訳と共に、先程までの気恥ずかしさを飛ばす為にもとタオルを取ろうとしたのだが。
「じゃあ」
持ったままだった足を、少し持ち上げられる。
「これで、お代」
足の甲に、タオルともお湯とも違う、ぬるい温度。
顔を上げたレイヴンは、同じように笑っているはずなのに。殆どなくなった湯気は、その表情を覆い隠してはくれなかった。
その後
「(手を温め中)」
「(温められ中)」
「
……
」
「
……
いや、うん、さっきのお湯であったまってるっしょ、ほら、ね?」
「そうですね。でもわたしが何かお返ししたいので付き合ってください」
「
……
」
「
……
」
「(さっきよりめっちゃくちゃ恥ずかしいっつか俺さっきのはアリか? ナシか? わりとナシじゃないか?)」
「
……
」
「
……
(うおおおおお)」
「
……
あ、少し体温上がってきましたね」
「そ、そーね
……
」
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