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冬灯夜
2017-08-25 00:09:58
1995文字
Public
TOL
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TOL12周年
TOL
・12周年おめでとう
・大好き!!
「やはり
……
花だろうか」
凛とした黒髪の少女剣士は、やや迷った末にそう言った。
フェニモールも、やっぱりそうだよねと一人頷く。
「ありがちだが。面白みのない答えですまない」
「いえ。参考にします」
しっかり書き留めてから、彼女は次へ。
「個人なら本などもいいと思うが、そうだな。皆でということなら、料理があると話が弾むのではないか?」
年よりも貫禄のある博物学者は、ちらりと台所を見ながら言った。
なるほどそれはいい。フェニモールも皆がおいしく食べてる姿を見るのは好きだ。
「お料理するの? ハティも手伝うわよ!」
「ハリエット、これは彼女がやりたいという話だから、それはまた今度だな」
「ど、どうしてもやりたいというわけじゃ
……
それじゃあ失礼します!」
ちょっぴり慌てて、彼女はドアを閉めた。
「そりゃも~お宝でしょ!
……
そゆ話じゃない?」
いつも元気なトレジャーハンターは、最後に首を傾げた。
そういう話ではない気がする、とフェニモールは苦笑する。
「でもさお宝っていうかー、大事なもの持ってきて飾ったりするの、いいと思うよ? あたしにはお宝って話だけどさ。ってなわけで、あたしはいつでも何か募集中ー!」
「は、はあ。あの、また今度」
にじり寄るのをそっと避けつつ、彼女はまた次へ。
「常識的には皆さんの答えでいいと思いますが。
……
まあ、でも」
素っ気ない情報屋はやはり素っ気なく、けれど少し目を逸らして付け足した。
「皆でこうして集まったり、楽しくしてるのを見せるのは、いいんじゃないですか」
楽しいと思ってるんだな、とフェニモールは笑う。
「
……
何ですか、その顔」
「いえ別に」
弱味でも握られては堪らないと、早々に彼女は退散することにした。
「そら皆でわいわい、はもう出た? いやほんでも美味いもん食いながら
……
それも? ほ、ほんならここは王道に花
――
も出たじゃと!?
……
ぴかぴかする宝物も!?」
兄貴分の山賊は、がっくりと肩を落とした。
「なしてワイに最初に訊きにこんのじゃあ
……
ワイの頭じゃ限界じゃあ
……
」
……
自覚はあったんだなあとフェニモールはこっそり思った。
「
……
そんでものお。こうして思い出して、騒いじゃるのが、一番じゃとやっぱりワイも思うんじゃ。皆で静かなのは性に合わん。そういうんは、一人でやってやるのがええんじゃ」
「
……
そうですね」
どこか遠くを見る山賊に小さく頭を下げて、彼女はまた次へ。
「そうだな
……
海を見に行きたいな」
マリントルーパーのお兄さんは、遠くに目を遣りそう言った。
それはいい。そこなら皆が繋がれる。フェニモールは嬉しくなった。
「大いなる滄我にも、静かの滄我にも行かないとな。皆でまたピクニックがてら行くか」
「またって、私は行ったことありませんけど」
「これからまた何回でもあるだろ」
疑わぬ笑顔に、圧されるように彼女は次へ
――
最後へ。
「そっか。ありがとう」
「別にお礼を言われることじゃ」
「わたしも皆に訊きに行こうとしてたの。同じことしてくれて、嬉しい」
祈る人、大事な大事な親友は、柔らかく笑った。
私も嬉しいよ。フェニモールは笑う。
親友が、彼女の手を取る。
「本当に嬉しい。
……
全部しようね。お花と皆の大事なものを持って、おいしいお料理を用意して、海の見える所に行って、皆で楽しく過ごすの。
ね、テューラ」
彼女は
――
テューラは、妹は。目を逸らしたけれど、その手を払うことはなく。
「きっと、喜んでくれると思う」
「姉さんが、ですか」
「フェニモールも。わたしのお姉ちゃんに
……
ワルターさん、は会ったことないよね。それに、グリューネさん。いっぱい、いなくなってしまった人たち」
「
……
だから、別に私はそんなつもりで訊いてたわけじゃないんです。
ただ、もうすぐ大きな争いが終わった日が来るから
――
」
「うん」
「あなたが姉さんのこと、忘れてないかって」
「うん。忘れない」
「
……
忘れるわけないって知ってます」
言いながら、テューラはどんどん声が小さくなっていく。昔から意地を張って、でも本心じゃないことを言ってしまうと嘘は吐けなくて、しゅんとなるのだと、フェニモールは知っている。
「うん。忘れたくない」
親友はぎゅっと妹の手を握った。
「だから、いっぱいお話ししよう。皆と一緒に、楽しく過ごそうね」
妹は、ただ小さく、こくりと頷いた。
「今年は色んな人に会えますね、ワルターさん」
「別に必要はない」
「そんなしかめ面しなくてもいいのに」
「
……
元からだ」
「そうでしたっけ」
「
……
」
「楽しみですね」
「
…………
お前がそうなら、構わん」
「
……
はい。ありがとうございます」
レジェンディア12周年おめでとう!!
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