冬灯夜
2014-07-23 00:10:26
2354文字
Public TOV
 

恋愛相談

TOV レイエス
・会話文のみ
・あやねさんの呟きを元に作成





「おっさんさー、柄にもなく恋とかしちゃってさー」
「そうなんです!? でも、それならキャナリさんのことは、もう……
「あーうん、十分吹っ切れてるよ」
「よかったです。……それで、あの、どういう方なんです? わたしの知ってる人ですか?」
「んー。かわいいかな」
「かわいい……抽象的ですね」
「まあ、その子のやることなら何でもかわいく見えちゃうからね」
「す、凄いです……
「嬢ちゃんもさ、リタっちが何か危ない薬品開発とかしてても可愛く思えるでしょ?」
「開発は止めますけど、一生懸命なリタは可愛いです。……!? ま、まさか、リ」
「違う違う! 違うから!」
「び、びっくりしました」
「こっちこそびっくりよ……
「ごめんなさい、早とちりを」
「いいのいいの。おっさんも紛らわしい言い方したし」

「それじゃあ、どんな感じの方なんです?」
「そうだねえ。優しくて、笑顔が花みたいで眩しいかな」
「わあ……
「って何よ嬢ちゃん、その顔」
「レイヴンから、そんな詩的な表現が出てくるなんて思いませんでした」
「いやこの程度口説き文句じゃ普通に」
……好きな人がいるのに、別の人を口説いてるんです?」
「いやいや昔の話ね、昔の」

……そんでさ、その子はもう全っ然、俺の気持ちに気付いてないのよね」
「告白したんです?」
「や、してないけど」
「なら分からないのも無理はありませんよ」
「うん、でも空気とかね。あるじゃない? あ、今なんか笑ったな、とか」
「ううん……分かるような、気もしますけど……難しいです」
……まあ、そうよね。察して、ってだけじゃあね。今、そんな頻繁に会えるわけじゃないし」
「遠くに住んでる方なんです?」
「俺もさ、こうやって帝都来たりダングレスト戻ったり、色々してるじゃない。
 その子も拠点はあるけど、色々出回ったりもしてるからさ」
「そうなんですか。すれ違いになると、大変ですね」
「そーね。やるべきことと、やりたいことと、一杯あって大変そうだわ」
「そういう時こそ、レイヴンが支えてあげたらいいんじゃないでしょうか。
 あ、でもレイヴンだって大変ですし……なかなか会えないのなら、難しいですね」
「俺は支えてあげたいなーって思うんだけどね」
……素敵です」

「いっつも、ありがとうって言ってくれるんだけど、そんだけなのよねー」
「それだけ、とは?」
「だからね、俺はその子に好きになって欲しいわけよ。下心って奴ね」
……好きになった人に好きになって欲しいと思うのは、当たり前のことだと思います。
 それに、レイヴンは例えその方がレイヴンのことを好きじゃなくても、好きだと思います」
……ん? えっと?」
「あ、その、恋愛じゃなくて、信頼とかです! 相手の方がそういう『好き』であっても、
 レイヴンは関係なく支えたいと思うんだろうな、って勝手に思ったんです」
「そーお? 俺様その子と色々したかったりするけどー?」
「でも、支えてるんでしょう?」
……支えになってるのかねぇ」
「なってますよ。きっと。だってレイヴンが、こんなに……
「こんなに?」
……こんなに、一生懸命なんです。ならない筈、ありません」
……なーんか、照れちまうね。あんがと」
「ふふ」

「嬢ちゃんはどうなの」
「え?」
「そういうの」
「え? えっと……特には、ない……と、思うんですが……
「歯切れ悪いね」
「何でしょう……あの、よく分からないので」
……そう。じゃ、今はいいや」
「は、はい。それより、レイヴンの話の続きを聞きたいです」
「続きねぇ。まあ、進展なくてどうしよっかなーってくらいかな」
「進展、ですか……それならやはり、きちんと気持ちを伝えた方がいいのでは」
「伝わるかね?」
「伝わりますよ。離れているなら尚更、伝えないと、その方が何も分からないじゃないですか」

「でもその子、俺のこと好きじゃなかったら、迷惑だろーし」
「そんなことありません!」
「うおっ」
「迷惑なんて、そんなこと」
……嬢ちゃん、何で言い切れるの? 人の気持ちなんて分かんないもんでしょ」
「だって、レイヴンが好きになった人です。
 レイヴンが伝えた気持ちを無碍にするような方じゃないでしょう?」
…………真剣に悩んでくれるとは思うけど、さ?」
「でしょうっ!」
「じょ、嬢ちゃん、さっきから勢いが凄いんだけど」
「ご、ごめんなさい、つい」
「いや、真面目に聞いてくれてあんがとね」
「いえ、わたしも聞きたかったんです」

「それで、どうするんです?」
「何を?」
「その方に、これから」
「そーねぇ。嬢ちゃんはどう思う?」
「わたしは、やはり一度、その方に想いを伝えるべきだと思います。
 キャナリさんのように既に恋人がいらっしゃるなら別ですけれど……そうでないのなら、気づかないままなんて、悲しいです」
「そっか。そうね、別に恋人がいるわけじゃないみたいだし」
「なら問題ありませんね。……よかったです」
「うん。っていうわけで……好きだよ、嬢ちゃん」
「はい、………………え?」
「伝えるべきって言われたらねぇ」
「え? え? わ、わたし、です?」
「うん。嬢ちゃん」
「え、あ、あ、あの、あ、」
「さて、そろそろ戻んないとハリーがうるせえことになるな。行くわ」
「あ……
(こつこつ)
「めっ、――迷惑なんかじゃないですっ!!」
――
……
……やっぱ嬢ちゃんは、優しいね」
「あ、」
「んじゃね」
(ぱたん)


……
……っ」
(ぱたん)