yossy
2020-12-04 19:06:38
3220文字
Public 自創作
 

うちの子天下一武道会ダイジェスト

やりたい事をした、後悔はしていない

諸君にはここで殺し合いをしてもらう。
ご都合シナリオだから死ぬことはない。
ルールとか細かい事は気にするな、
存分に殺し合ってくれ。

そんな声が聞こえると、
目の前には如何にもといった戦闘をするための舞台が出現する。
ご都合主義。時間軸無視。
世界線も勿論無視の、乱闘騒ぎが始まった。



予選一戦目
名黒哲VSスコーピオン
……
よろしく」にっこり

「急に始まったねー」
観客席から座って頬杖をつく幸。
「突然拉致られるのは慣れてきたけど
「哲ファイトー」
余裕そうに応援を始める龍一郎を横目に
清はため息をつく。
「哲ならあんなの倒せるに決まってるわ!」
幸も楽しそうに観戦を始める。
他の参加者は下を向いたり、
そわそわしているが。
同業者は余裕そうな顔をしているなぁ。
早く帰れれば何でもいいか。


[K.O.!]
[Winner!スコーピオン!]
そんな音声が会場に鳴り響く。
そこに会場のざわめきがこだまする。
スコーピオンという男は、
余裕から生まれた隙に喰らった拳以外、
攻撃を喰らわなかった。
それこそ、並大抵の人間であれば気絶するような攻撃を負いながら、笑って拳で返し、
戦闘が終わった。
そもそも、銃器を取っ替え引っ替えしながら攻撃を避け、近距離戦になれば拳で応戦。
元ボディガードの哲を削り切る化け物が、
この会場にいるのか
あれに勝てると思う?」
無理じゃない?」
喚き出す幸を宥めながら、龍一郎の方を見る。
久々に見たな、笑ってない顔。


予選二戦目
道外百合VS三島龍一郎
「一度やってみたかったんだよなぁ」
久々にヤるからお手柔らかに」

「なんか、ゲームか映画見てる感じだね」
赤い髪と夕焼けみたいな瞳をしたお兄さんが呟いた。
「そうですね」
「さっきも、こう空間から拳銃やらライフルやら出てきたし今も刀が出てきて夢なのかな」
舞台上から伝わる熱量は夢かどうかわからない
「夢だったら、何でも出来ますね」
「そうだね俺はサッカーしかやった事ないから、いまいちよくわからないけど
サッカー選手なのかな
「夢だったら、怪我もしてないのかな?」
お兄さんは悲しそうな顔をしていた


[K.O.!]
[Winner!三島龍一郎!]
拳銃は確かに当たってた。
なのに避けられるし、距離を詰めて斬りかかってくるし、剣と銃じゃ武器の相性が悪かった。
あークソッ、リボルバーじゃなくてデザートイーグルをイメージしときゃよかった!
百合立てる?」
差し伸べられた手を払い除ける。
「生憎相棒以外の手は取らない主義でね!!」
そんなに元気なら次はネコよろしく」
「死ね!!」
くっそー!顔狙わず攻撃しやがって!!


予選三戦目
宮代幸VS優暮清
「一回本気の殴り合いしたかったんだよねー!」
「幸のは殴り合いというより刺し合いでしょ

先輩だから任せときなさい!
なんて幸さんは言っていたが大丈夫なのだろうか
清さんもあまり見た事がなかったが
へらへらする割に、相手に銃を向ける迷いはないし、幸さんもナイフを刺す箇所は悪くないが。
清の兄貴、戦闘のスタイルがあまりにも卑怯だなぁ……


[K.O.!]
[Winner!優暮清!]
「だぁ!負けたー!!ずるいー!
清、狡すぎるー!」
「ナイフぶん回した幸の言う言葉か?」
「だってー!あとちょっとだったのに!
何あの最後!じゃあなじゃないんだけど!
かっこよく決めてくれちゃってさー!」
龍がにやにやしている気がする。
タバコの煙を吐き出し、幸の腕を引っ張って舞台から降りる。
あと一刺しで死んでたんだよなぁ


予選四戦目
夜見仁史VS鐸木緋人
「お、お願いします
「サッカー以外わからないんだけどなぁ

ぱっと見マイナス思考そうな若人の対戦。
高校生くらいの男は押され気味。
体格差から厳しいだろうけど、
身体が軽いからかな?
結構いい回避出来てるなぁ。
そして彼はあれ伊達メガネかな。
サッカーの動きっぽく戦っているけど
足が、悪いのかな?
見たところ直っていそうだけど
トラウマ持ちとかかな?
頭突きで決めて試合終了
筋がいいのに、
トラウマのせいで本領発揮できてない?


[K.O.!]
[Winner!鐸木緋人!]
身体に異常はない、
むしろいつもより軽いくらいだ。
足が頭の信号から遅れて動くこともない。
ちょっと大人げなかったけと
それに、蹴り上げるたび呼吸がうまく出来なくなる夢だから、ここなら自由に動いたっていいだろうに!
緋人さん?」
声にはっとする。
先程戦った彼は微笑んだ。
「自分を守るための攻撃じゃ、
全然及ばなかったです。」
「緋人さん、次も頑張ってください。」
見ず知らずの少年は晴れやかだった。



準決勝
優暮清VS鐸木緋人
はよ終わらないかね」
そうですね」

「清さんは控えめだなぁ」
るんるんで応援する龍一郎の横に無理やり座らされる。
お兄さん達、仲良しなんですね」
幼そうな男の子に声をかけられる。
「一緒に寝た仲だからねぇ」
?そう、何ですね?」
わかってないんだろうなこの子
純粋な君のままでいてくれ
「ああ、一緒に寝た仲って言うのは」
「余計なこと言わなくていい」
頬を思い切り抓る。
男の子は困ったように微笑んだ。

[K.O.!]
[Winner!鐸木緋人!!]
上手いなぁ。
「人と喧嘩したことあるの?」
口に出すと彼は驚いた顔をした後
「喧嘩はちょっとないですね
「選抜にも選ばれないしいつも二軍で」
「大口叩くと周りから非難されるので
凄く卑下するな。
まー、何でもいいや。
センスあるよ十分。」
………サッカーのですか?」
「殺し屋の方だよ」


準決勝
スコーピオンVS三島龍一郎
「どうぞよろしく」
「お手柔らかにどうぞ」

「あー心配、超心配!龍頑張れ
祈るポーズをする幸さん。
手の置き場に困り、同じポーズをする。
にしても、初手は相手を見合って睨み合いから。警戒するのは確か
銃器の警戒と、刀の攻撃範囲の警戒から
スコーピオンが先に動くとそれに合わせて龍一郎さんも刀を振るい上げる。
攻撃に合わせ避けると、反撃に近距離攻撃を繰り出すが不発。
龍一郎さんが先制を取った
銃声が会場に鳴り響く。
ゼロ距離射撃、命中したのは指か。
スコーピオン
何があればあんな禍々しい笑みを浮かべるんだ


[K.O.!]
[Winner!三島龍一郎!!]

肩で呼吸を整える。
あー痛、くらくらする。
毒みたいに身体をじわじわと蝕むような攻撃だった
真剣じゃなかったら、負けてたかな?
どうして負けたんだ。」
俯きながらぶつぶつと呟く蠍を見下す。
「覚悟が決まってないんだよ?」
覚悟」
これは、相当精神が壊れてそうな


決勝戦
三島龍一郎VS鐸木緋人
お手柔らかに」
加減できますかね

案外呆気ない決勝戦だった。
龍の動きの遅さに、彼は攻撃を避け、
すかさず足やら頭やら使って攻撃。
満身創痍気味の龍一郎はもうまともな攻撃も当てられずK.O.
何で此奴に負けたのか、情けなくなるような試合だった。

二人は手を取り合い、いい感じの雰囲気に会場が包まれる。
が、運営(いるとしたらぶっ飛ばしたい所だが)の音声が流れる

[三位決定戦を行います]


三位決定戦
優暮清VSスコーピオン
「帰らせてほしいだけなんだよなぁ
…………

笑顔の失せた蠍は、最後は獲物を仕留めたかのように満足気な表情を浮かべ試合は終了した。
清さんは「こいつ化け物だろ……
と声を絞り出していた。