古賀峰十一郎
2018-02-14 02:48:44
1001文字
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20180214ハッピーバレンタイン、白鳩音取の場合(fromN)

一人称と○○さんの○○に入れたい名前を入力すると夢小説みたいに楽しめます。
町田さんこやまさんありがとうございます!

名前名前 2月も中旬となれば日が落ちるのも早く、それは同時に冷え込むことも意味する。友人にどうしてもと頼まれて委員会の仕事を手伝えば、終わる頃にはもうすっかり外は暗くちらほらと雪が降り始めているのが見えた。更に教室へ忘れ物を取りに行けば、もう学校には自分の他には誰もいないような状態で、先生にせっつかれながら靴を履いてびゅうと吹く風の冷たさに慌ててマフラーを巻きなおす。
 次のバスの時間を考えながら小走りに門へ向かうと、一人ぼんやりと、手袋もつけずに佇む黒髪の女の子がいた。
「あれ、白鳩さん……何してるの?」
 女の子の正体はクラスメイトの白鳩音取さん、彼女は確かシスターをやっていて、クッキーが得意なんだって今日も昼にみんなに配ってたっけ……そういえばまだ貰ってなかった、気がする。もしかしてにクッキーを渡すために待っていた?
「何って、名前さんを待ってたに決まってるじゃないですか……こんな時間までお疲れ様です、どうぞ」
 いろいろと考えをめぐらしてはいたが、少し不機嫌そうな白鳩さんの声で現実に引き戻される。
「もー、クッキーくらい明日でもいいのに……て、あれ?これどっかで見たことあるような……
 押し付けられるように受け取ってから違和感に気付く、冷えて赤くなった指先が握りこんでいたのはお昼に見かけた金の透かしの入ったいつもの白い紙袋ではなくて、もっと、つるつるとしていて、つい先日デザインが可愛くてちょっと欲しいと呟いたチョコレートブランドのそれにしか見えない。
……今日が何の日か覚えてます?」
「え?ええと、今日は確か14日で、……あー、ええと、バレンタインです、ネ」
「今日じゃないとダメな意味、分かってもらえました?」
 じとっとした目で覗き込んでくる顔に正解を返すとパッと綻び、ほっとすると同時にこんな時間まで待たせたことで胸がちくりと痛む。
「う、うん……でも大変だったでしょ?今日も配ってたけど、みんなの欲しいチョコ買いに行くなんてさ」
「これは私が好きでやったことですし……なにより、音取がこんなことしたの、名前さんだけですよ」
「え?」
「いいえ、なんでもありません!」
 消え入る語尾を聞き返すと溌剌そうな笑顔で誤魔化され、はっと今の時刻を思い出して、冷たくなった手を引いてこけない速さで走り出す、もうすぐバスが来ちゃうから、続きはそこで聞かなくちゃ。