古賀峰十一郎
2018-02-14 01:30:13
979文字
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20180214ハッピーバレンタイン、飛王御貴の場合

一人称と○○さんの○○に入れたい名前を入力すると夢小説みたいに楽しめます。
ゆいらさんリクエストありがとうございました!

名前わたしわたし 余裕を持って作られた制服であってもわかるほどにすらりとした手足、軽やかな足取りにふわふわと揺れる金髪、あまり友達付き合いなんかを大切にしなさそうな彼、放課後になるといつも決まって部室棟へ向かう彼のルーティンは今日……バレンタインであっても例外ではなかった。
「あ、あの、飛王くん、」
「ん?ああ、どうしましたか?名前さん」
 名前を呼べば素直に振り返るし、顔を見れば柔和な笑みを浮かべる、奇人ぞろいと揶揄される拷問倶楽部で副部長を務める彼とて、こうしてみれば普通の男の子ではないか。
「あの、これ、ほら今日はバレンタイン……でしょ?」
ほっと胸を撫で下ろして目的の物を紙袋から取り出す、可愛らしいピンクのラッピング、クラスの友人数人と作ったココアクッキーだ。ほとんどの子には既に配っていたが彼だけはどうにも誰が話しかけるか決まらず、とうとう放課後となってしまって同じように部活へ行くわたしが渡すこととなってしまったのだが……
「ああ、ありがとうございます」
 少し緊張を覚えつつも差し出したわたしとは裏腹に彼は呆気なくひょいとつまんで受け取った、貰いなれているんだろうか、物好きな子も多いものだ、それにしてももう少し何か言葉はないのかと口を開くも何も言えないでいると、返ってきたのは彼のため息。
「河鹿部長へ、でしょう?確かに預かりましたよ、先輩へはホワイトデーにはお返しするようによくよく言っておきますから」
 河鹿先輩は拷問倶楽部の部長でその肩書きでありながらその美少女ぶりで男女ともにファンの多い……ってそうじゃなくて、
「いや、あのこれ……飛王くんへ、なんだけど?」
「へ?あ、ああ……すみません、ええと、ぼくへ?」
「だ、だからそう言ってるじゃん……
 勘違いを指摘するときゅぅと目を丸くする飛王くんに肩を落とすとともに少し安心する。あっさりしすぎだと思ったリアクションは”自分宛じゃない”という思い込みからだったのか。
……その、こういうの、慣れてないので、」

「ありがとうございます、ね」
 少し恥ずかしげにはにかんだ顔は普段のイメージよりずっと幼く見えて、少し可愛いと思ったりして……でもこの感情は手間賃としてみんなには黙っておこうかな、なんて。少し熱い頬をそっと手で押さえてずりおちた鞄を抱え直し歩き出した。