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猫柳 楸
2023-09-24 00:21:07
1593文字
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刀剣乱舞
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おかえり
猫審神者と修行から帰還した小豆長光
小豆さんが好きです。
「小豆くん、ほらこっちこっち」
笑顔を浮かべた光忠の後ろについて厨の暖簾をくぐる。ピタリと戸を引いて振り返ると光忠がカゴを抱えて小豆を手招きしていた。
「ほら、これ」
光忠に手渡されたシワのよった赤く丸い物を手に取った。
「
……
これは?くだものかい?」
「時計草、ええとパッションフルーツさー。主が用意してくれたんだー」
北谷菜切が言う。
「主が?」
「うん、君が修行から帰ってくるからって楽しみにしていたんだよ。まあ本人は浮かれすぎたのか体調崩して寝ちゃってるんだけどね」
ふふと思い出し笑いをした光忠が、赤い実にナイフをいれる。
ぱかりと割れた果物の中には黄色い色の小さな実がギュッと詰まっていた。
爽やかな香りがふんわりと厨中に広がり、思わずほう
……
と溜息がこぼれる。
「はい、スプーンですくって食べてみて。種は飲んじゃっても問題ないそうだよ」
「
……
では、おことばにあまえて。いただきます」
スプーンですくうと実はとろりと崩れいっそう華やかに香る。
ぱくり
ひとくち口に入れると香りの通りに酸味があってきゅうと眉が寄る。それを見た北谷菜切がくすくすと笑う。
「うん、すっぱい。が、あまみもあるな。かおりもいいしぜりーにしたらたべやすそうだね」
「ありゃ、まだ熟しきってなかったか。もうすこし置いておいても良かったかもなー?」
小豆から感想を聞いているとカラカラと戸を引く音がして
「
…
光忠くん〜、お水貰いに来ました
…
。小豆さんがそろそろ帰ってくるでしょうから、わたしもお迎えにでない、と」
布を被った黒猫が審神者の声で喋っていた。
小豆長光と北谷菜切は目を見開いて黒猫を見つめている。
黒猫はボン!と尻尾を膨らませて、その場で突然宙返りをする。身をくるりと翻すと黒猫がいた場所には浴衣姿の審神者が立っていた。
「
……
にゃっ、あっ、なんでもう帰って来ているんですか小豆さん!?まだもうすこしあったはずじゃ」
「にゃんこの部屋の時計、ズレてたよ?」
審神者の後ろからひょいっと顔を出したのは姫鶴一文字だ。
「あれ、もう戻っちゃったんだ。にゃんこ姿かぁいかったのに」
「新入りの子達には見られたくなかったっ
……
!!」
「しゃあない、もう見られちゃったんだから諦めて省エネしたら?」
「せっかくみんなと同じ姿になれるのにずっと猫でいるなんて嫌ですー!お願いです小豆さんになーちゃん!見なかったことにしてください!!!」
突然の出来事に目を丸くしていた2人は顔を見合わせて
「主、元気になったみたいだねー?」
「ああ、すこししんぱいしていたのだがもんだいなさそうだね」
と笑顔を浮かべている。
「落ち着いたかな?」
「すまない、取り乱した
……
」
審神者は諦めたのか黒猫姿に戻り、椅子の上に足を揃えて座っている
「すこしいいかな?」
「はい、なんでしょう小豆さん」
話を聞く体制で視線を向けた審神者を、小豆はヒョイっと抱き上げた。
「わ!ななな、なんですか、どうしましたか」
あわあわと慌てた様子で空を掻く審神者にふふ、と微笑みかけ抱き締めると口を開く。
「あいさつがおくれてしまったけれど、ただいま、主。ころもがえをしてきたぞ。どうかな、
……
りっぱにみえるかな?」
審神者を抱き上げている小豆にはその体毛がぶわっと逆立つのが分かった。
「
……
はい!おかえりなさい小豆さん、とってもとっても格好良いですよ!」
「そうか、うん。ありがとう主。これからもきみのためにがんばるよ」
(ふふ、せっかくもらったからこのぱっしょんふるうつでおかしづくりをしようかな、主はなにがたべたい?)
(私の小豆さんがかっこよすぎて死んでしまいそうだ
……
)
(え〜、俺は?格好よくないの?)
(姫鶴さんもかっこいいですけど、どっちかというとお友達距離です)
(ちぇ〜)
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