猫柳 楸
2023-09-21 11:13:36
597文字
Public FGO
 

遠くへ行ってしまおうよ

2部冒頭、マスターを連れて逃げたい若森くん

やあ、マスターくん。
君、家に帰るのだろう。ちょうど良い、退屈していたところだよ、私もついて行くとしようかナ。おや、荷造りのために部屋に戻ってきたのではなかったのかね?
サーヴァントを連れ出すのは違反?ふん、いくらでも抜け道があるに決まっているだろう、私は悪の皇帝ジェームズ・モリアーティだよ、分かっているのかね?マスター。
なに、諮問会?そんなもの無視してしまえばよろしい。何人もの英霊と契約した身だ、いくらでも使い道があるんだろう?どうせバラバラに切り刻まれて実験と称して弄ばれるのがオチだヨ。君が此処にいる必要なんてないのだよ、ダ・ヴィンチ女史に全て任せてしまえば良い。

――だから、ほらはやく この手を取って

……全くマスターはどうしてああも愚かなのだろうね。私のようなモノと縁を結ぶ未来だなんて、そんなもの碌でもないに決まっているのに。あんなにもボロボロの心と体を引き摺っても尚笑っているだなんて全く正気の沙汰じゃあありえない!」

君は何度も悲しんで苦しんで、充分傷付いたのだろうに。これから先もっと傷付く道を選ぶのか。
ああ、その先に居る君を見ていたいだなんて。
「つくづく僕は善人にはなれないと思い知らされるな……

光の欠片となって崩れていく体を眺めながら呟いた声は、どこにも届かず消えていった。


(この手を取ってくれない事なんて ずっと分かっていたけれど)