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祭子
2023-03-09 21:18:28
8848文字
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FF7/QUESTION
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■FF7/QUESTION■
昼の推しカプ質問シート
■昼の推しカプ質問シート■
THE LONG KISS GOODNIGHT
[ν]-εγλ0011/01までとエピローグのおさらいです。
※妊活編([ν]-εγλ0011/04~)以降を想定しています。
■前書き■
昼の推しカプ質問シートについて
昼の№12がとても大事。
長編のメインテーマに合致してると思ったとたん、シートをお借りしていました。
神羅とセトラ最強タッグ説・簡易版です。
ちょっと先のお話ですが、肝心な部分は伏せていますので、ねたばれはありません。
このあたりのね、セトラの子供の親になる二人の葛藤がいちばん難しくて、大事なところですよね
……
。
神羅とセトラ最強タッグ説・詳細版と併せて、本編でじっくと取り組みたいところです。
夜もばっちり回答済み。2nd初夜編のきりのいいところでアップします。
■№01■
好きになったのはどっちが先だと思う?
「わたし、だね」
「自覚はお前だな。だがな、先にそうなったのはおそらく私だ、エアリス」
「珍しいね。おそらく、なんて曖昧な言い方するの」
「そうだな」
「どうしたの。あなた、浮かない顔、してる」
「エアリス。私には、このときだ、という契機が分からない。いくつか思い当たる節が、あるにはあるのだが。デッドロックと言えばいいのか、八方ふさがりになったと言うべきか。決定打、いや、チェックメートというのが、近いか。まあ、概してお前にとどめを刺された日のことをな、さぐろうと試みてはいるのだが」
「待って。ルーファウス、待って。たとえ方、ひどい」
「どこがだ」
「全部、です。せっかくの、大切な気持ちだよ。もうちょっと、ロマンチックな言い方、あるでしょ。わたしたち、やっとそういう雰囲気つくるの、上手になってきたって、思ってたところなのに」
「甘美もくそもあるか。たった一人の女に嵌まったのだぞ。この私がだ。だというのに、きっかけすらはっきりしないとはな。どうにも落ち着かん」
「大袈裟なんだから、あなた。そんなの、がちがちに考えなくたって、いいのに」
「大雑把だな、お前は」
「はいはい」
「聞いてくれ」
「うん」
「私自身のことを、私が把握できないというのは、不快だ。メタ認知が劣ったとは思わないが、お前のかかわることとなると、どうにもな。鈍い。なあ、エアリス。お前になら分かるか」
「ルーファウスのことなんて、全部が全部、分かるわけないよ。あなたのこと、わたしのほうが先に気になってたって、思ってたくらいなのに」
「それもそうか」
「でもね、ルーファウスっぽいって、思うよ」
「何だ、エアリス。にやにやと」
「にやにや、じゃない。にこにこ」
「何だ、エアリス。にこにこして、いいことでもあったのか」
「いいことっていうか。ね、それって、あなたの知らないうちにってこと、だよね」
「不本意だがな」
「ゆっくり、ゆっくり、いつの間にかってこと、でしょ」
「ああ、そうか。そうだな。ゆっくり、だ」
「案外、ルーファウスも『ゆっくり』、好きだね」
「かもしれないな」
■№02■
相手のどんなところが好き?
「困った質問だな。私は愛を口にすることは、禁じられている」
「ルーファウス、演説、上手なんでしょ。ね、何とか、いい感じに言い換えてみて。いつもみたいに」
「気楽なやつだな、お前は。私がどれほど気を遣っていると思っている」
「ねちねちは、あとで聞くから。ね、だから、ほら。ほらほら」
「そうやって、私と対等でいて平然としているところだ。私が対等を許せる、と言い直してもいい」
「待って、ちょっと、それ褒めすぎ。恥ずかしいよ」
「言えと言ったり、言うなと言ったり。まったく、わがままなマダムだ。ああ、そうだ、エアリス」
「うん、何」
「一言ですませるなら、お前が『マダム神羅』なところだな」
「わたしはね、ルーファウスの、そういうところ」
「つまり、何が言いたい」
「わたしのこと、あなたの奥さんに、家族にしてくれたところ。優しい人」
■№03■
相手は自分のどこを好いていてくれると思う?
「エアリス好みの優しい男らしいぞ、私は」
「わたし、ルーファウスの家族なんだって。嬉しい」
■№04■
愛情を感じるのはどんなとき?
「愛という、言葉以外のすべてで」
■№05■
付き合い始めてから知った相手の意外な一面は?
「あれ。そもそもわたしたち、おつきあい、してないよね」
「そうだな」
「どうしよう」
「ないものは仕方がない」
「じゃあ、これっていつのこと、こたえたらいいの」
「この際、正確な『おつきあい』とやらは、無視だ。だがな、『おつきあい』に相当する時期はあったはずだろう」
「あったっけ」
「あったのではないか」
「何で言いだしっぺが、首、傾げてるの」
「睨むな」
「じゃあ、言いだしっぺに、聞くけど。ね、『おつきあいに相当する時期』っていうの、いつ始まったの」
「いつと聞かれると、境界線は曖昧だな。親父の別荘に行っただろう。ああ、グラスランドのではない。カーム近くの森のなかの。そうだ、第五観測所だ。私が思うに、あの日ではないのか」
「それって、あの、その」
「そうだ。私の告白の日だ。正確には、告げるどころか、口にすることすら拒否された日だがな」
「だって、あれはその、わたし、あなたに告白なんてさせちゃいけないって、思ってて。今はね、そういうのなくても、あの、困ってないから。だから。もう、ルーファウスったら、何で笑うの」
「仕方がない。一世一代の告白になるはずだった。それを無下にされたかわいそうな男のことを思いだしたら、ぶっ、笑わずにはいられない。ああ、それからな、エアリス」
「いやな予感、するんだけど」
「私の妻が、頬をかわいらしい色に染め上げて、おろおろしてる。私の顔もゆるむというものだ」
「どうだか」
「ふくれるな」
「ね、ルーファウス。あの日って、入籍してから、ずっとあとのことだよ。おつきあいって、結婚前にするものでしょ。それにね、別荘、行く前から、わたしたちなかよしだったよ」
「なかよし。ああ、私が抱き枕になるくらいには、そうだな、なかよしだった」
「だからね。あのころって、おつきあい、じゃなくて、ただの熱々新婚さん時期っていうやつじゃないのかな。ちょっと、また。どうして笑うかな」
「熱々、新婚さん。誰がだ。私がか。そうだ、この私がだ。あのころからずっと、飽きもせず、日々が蜜月だ」
「ね、ルーファウス、だいじょうぶ。いい加減、笑うのやめないと、窒息しちゃうよって、言ってるそばから、咳きこんじゃってる。背中、さするね。ほら、息吸って」
「ああ、助かる」
「ふふ」
「何がおかしい」
「テレビって、当てにならないよね。『ルーファウス神羅』が、こんなに笑い上戸な人だなんて、わたし、ぜんぜん知らなかったから」
「私もだ。スラムのような掃き溜めに囚われだったセトラが、まさかな。よく笑う女だな、お前は」
「本当、意外ことばっかり」
「まったくだ」
「事実は小説よりも奇なり、だね」
「さて、そろそろ質問にこたえようか」
「あれ。何だったっけ。忘れちゃった」
■№06■
キスはどっちからが多い?
「キス。ね、それって、くちびる以外もカウント、するのかな。おはようと、いってらっしゃいと、いってきますと、お帰りなさいと、ただいまと、お疲れ様と、おやすみなさいの、頬っぺたとかおでこのキス」
「だろうな。部位は聞かれていない」
「だったら、七対三くらいで、圧倒的にわたしの勝ち、だね」
「勝負ごとに持ちこむとは、お前はいい度胸をしているな」
「カードゲーム、昨日もその前も負けて悔しいから。たまには勝って、いい気分、ひたりたいの」
「なるほど」
「うわあ、悪人面、魔王顔。また、いやな予感、すごくする」
「なあ、エアリス」
「はい」
「全身を含めると、逆転する。なあ、そうだろう、エアリス。圧倒的に私の勝ちだ」
「ルーファウスったら、本当、負けず嫌いなんだから」
■№07■
目が合うと先にそらすのはどっち?
「逸らさないよ。何でこんなこと、聞くのかな」
「さあな」
「勿体ないよね。だって、ルーファウスの目、見るたびに、色、変わるの。カレードスコープみたい」
「カレードスコープ。私がか」
「そう。家のなかとそとで、違うし。お天気でも、時間ごとでも、変わるよ。わたしの最近のお気に入りはね、朝日と夕日、あびたやつ。薄い水色と、赤紫色。どっちも、きれい。ディーの夜の散歩のときは、すごいよ。星と同じ、スペシャルな色、見られるんだから。あとはほら、エッチな気分のときと、いらいらしてるとき。あなた、すごく濃い色してるの。ね、知らなかったの」
「いや、知らないな」
「ずっと、見ていたいよ。わたし、ルーファウスの眸」
「私は」
「どうしたの、ルーファウス」
「私は、だめだな。ときどき逸らせたくなる」
「嘘。ショック。何でそんなこと、言うかな」
「その目だ。その目が悪い、エアリス」
■№08■
日常の中で触りたいと思ったらどこを触る?
「お前は、ことあるごとに私の体毛をいじっているな」
「あれ、ばれてる」
「とくに顎は最初からだった」
「あのね、ひげ、いつ伸びてるのかなって、不思議。観察中なの。ひげ、剃る前と剃ったあと、比べてさわるのも、好き」
「それはそれは。さわり甲斐のない貧相なひげで、申訳ない」
「ルーファウスったら、あのときのこと、まだ根に持ってるの。薄くったって、うちでひげ生える貴重な人、なんだから。わたし、勝手にさわってるから、ルーファウスは気にしないで。いつも通りにしてて」
「こんなものの何が面白いのだか。まったく、お前のように変わった女は、ほかに知らない」
「だって、わたし、ひげ生えないでしょ。ひげ生える人とも、暮らしたことないし」
「ああ、なるほど」
「何で、黙るの、にやけるの。もう、ルーファウスったら。相変わらず、だね。変なところで、変なつぼに嵌まるの」
「お互い様というやつだ。気にするな」
「気にしてたら、きりないよ。ね、ルーファウスは」
「腰だな。尾骨からいちばんくびれたところに向かう、この曲線だ。お前の仙骨のあたりはな、エアリス。私の手のひらの納まりが、いい。ちょうどいい」
「今、さわらなくて、いいから。だけどね」
「だけど、何だ」
「ルーファウス、そうやって支えてくれると、安心するから。あなたが、そこ、さわってるとき、わたしはね、自分の頭であなたにさわりたいの。ルーファウスの脇とか、肩の下とか、胸にね、こつんってもたれるの、好き」
「ほら、エアリス。まただ」
「またって」
「その目だ。私を惑わせるな。お前から、目を逸らさなければならなくなる」
■№09■
相手が自分より優先しても許せるものは?逆に許せないものは?
「お前の生き方だ、エアリス。何よりも、優先しろ」
「いっしょ。ルーファウスが後悔しない生き方、いちばん大事だから」
「許せないものは、星だな。だが、これがお前の、ただのセトラの女が選んだ生き方だからな。許すほかに、私にはどうしようもあるまい」
「あらら。また、始まっちゃった。ルーファウスの星嫌い」
「あのくそったれめ。まったくもって、あいつのやり方が解せん。だがな、エアリス。私はセトラの夫として、サポートする。お前に全身全霊を捧げる」
「ルーファウス」
「忘れるな」
「忘れるわけ、ない」
「さて、お前のばんだ。なあ、エアリス。お前が強い否定の気持ちを口にすることは、滅多とないだろう。いい機会だ、言ってみろ」
「許す、許さないって、そういうの、本当はね、わたしが口挟むことじゃ、ないから。こういうことされるの、あなたも好きじゃないでしょ」
「そうだ」
「何様のつもりだって、機嫌、悪くなるでしょ」
「そうだな」
「何様だってふんぞり返る、あなたこそいったい何様のつもりって、わたしは思うけど」
「おい」
「ごめん、ごめん。冗談だよ、半分だけ」
「残りの半分が気になるところだが、まあ、いい」
「あのね、一つだけ。聞いて」
「聞く。お前の話は、聞く」
「ね、ルーファウス。DGソルジャーのこと、忘れてないよね」
「まあな。癪だが、あれはお前の力を借りなければ、立ち直れなかった」
「ルーファウス、あのときみたいに落ちこむの、いやだから。だからね、もしも、もしもだよ。この先、わたしのことで何かあっても、ルーファウスはルーファウスのままでいて」
「それは」
「わたしを優先、しないで」
「エアリス」
「わたしのことで、あなたがあなたの生き方、大事なもの、曲げることは、いや。許せない。ううん、許さない」
「ああ、お前は」
「ほら、分かったら、返事。『はい』以外、聞きません」
「エアリス」
「エアリス、じゃなくて、返事」
「私はお前を、だから手放せない。なあ、エアリス。わが家の家訓を覚えているだろう」
「それは勿論、だけど」
「『やらずに後悔するな、やって後悔しろ』だ。たとえ私のアンビションを犠牲にするのだとしてもだ。私が必要だと認め、私がやると言ったら、やる。それにな、家訓を定めてからというのもの、武器支援のことも含めてだ。私は今のところやって後悔したことは、ない」
「わあ」
「何だ、その間の抜けた顔は」
「わたしの夫、やっぱり、恰好いいね」
■№10■
ふたりきりになると雰囲気が変わるのはどっち?
「二人きりで変わることは、何もない」
「だね」
「シチュエーションで変わることは、ままある」
「それ以上喋ったら、お尻、つねり上げるから」
■№11■
交際を始めて自分が変わったと思うところはある?
「あれ。そもそもわたしたち、交際、してないよね」
「そうだな」
「あれあれ。これって、デジャブ」
「交際は、無視だ。型のないものを、わざわざ型に嵌める必要もないだろう。あとの質問にこたえろ」
「わたしは、ううん、どうなのかな。あなたと出会って、知らなかった世界の扉、いっぱい開いたから。住んでる世界、変わったから。いろいろ知って、いろいろ感じて。怒りっぽくなったし、泣き虫にもなっちゃった。これって、わたしも変わっちゃったってこと、なのかな。ね、どう思う」
「変わったというより、知ったのだろう」
「知った」
「そうだ。私の生活圏と、お前の生きてきた環境と、私とお前とでつくりだした今と、世界は三つある」
「三つも。本当だね、三つ、あるね」
「そうだ。三つを行き来していれば、環境の違いに戸惑うことも仕方がない」
「ルーファウスも」
「そうだ。私もだ。いや、あれは私のほうがひどかった」
「だね。言われてみれば、そうかも」
「笑うなよ」
「笑ってないよ。嬉しくて、ちょっと頬っぺた、ゆるんじゃっただけ」
「なるほど。私の弱みを握ることができたのだから、それはそれは喜ぶべきことだろう。しかも大量にだからな。お前の言うところの、うはうは、というやつか」
「分かってるくせに。また、そういう意地悪な言い方、するんだから。でもね、はずれてもないかも。だって、あなたが『弱み』だなんて言っちゃう部分だよ。世紀の大発見でしょ、そんなの。わたし、立ち会えたんだね。ルーファウスのいろんなところ、見られたんだね。嬉しいよ。そんなの、うはうはに決まってる」
「誰のせいだか」
「ん」
「なあ、エアリス。知らない世界に、知らない自分がいたとしても、おかしいことではないだろう。今はあれだ。知らない連中と投合しだしたところだ。胃炎に罹る情けない男も、ばかのように独占欲の強い男もな。お前もそうだろう、エアリス」
「そっか、いろんな顔した自分に驚いて、それでもって、慣れたってことね。ありがとう、ルーファウス。やっぱり、わたしはわたし」
「私は、私だ」
「何も変わってない。うん、すっきりした」
「ようやく、三つの世界が一つに調和したな、エアリス」
「居心地、いいね」
「まったくだ」
■№12■(TAKE1)
ここは他のカップルに負けないと自負しているところは?
「うわあ」
「何だ」
「ルーファウス、いきなりご機嫌斜め、だね」
「私たちは、私たちだ。『ルーファウス神羅・ゲインズブール』だ。『エアリス・ゲインズブール・神羅』だぞ」
「あ、拗ねちゃった」
「くだらない。他者と比べる必要は、ない。だというのに、何だこれは。趣味の悪い質問だな」
「でも、あるよね。ぜったい、負けないこと」
「ある」
「だったら、ほら、こたえよう。最後の質問だよ」
「エアリス。あるものをわざわざひけらかすのは、持たざる者のすることだ。私にさもしい真似をさせるな」
「しよう」
「おい」
「せっかくだから、自慢しちゃおう。ね、ルーファウス」
「自慢、だと」
「そう、自慢。ルーファウス、したことないでしょ、こういうの。初めての経験、好きでしょ、あなた」
「ああ、エアリス。まったく、お前ときたら」
「ね」
「いいだろう」
「よし、仕切り直し、だね。ほら、ここのしわ、早く取って」
「眉間を撫でるな、引掻くな。こら、エアリス、どこをさわっている。待て、くすぐったいだろう、それは」
「やっと、笑った。かわいい、かわいい、ルーファウス」
■№12■(TAKE2)
ここは他のカップルに負けないと自負しているところは?
「私たちはな、この星を守ることができる」
「ぷっ」
「笑うな、エアリス」
「だって、ルーファウスったら、切り替えるの早すぎ。どこかにスイッチ、あるの」
「真剣な話だ」
「はい。ごめんなさい」
「星の体内に逃がしてしまったのは、神羅の負債の元金だ。あいつを片づけないことには、利息は増える一方だからな。これだけは私の代で返済する。必ずだ。だがな」
「うん」
「星の内部に、ライフストリームのどこかにいるはずのあれを、ジェノバを殺す武器を、私は持たない。忌々しいにもほどがある。だが、もう、私の非力は思い知っている。これが人間の限界だ」
「非力じゃないよ」
「その話は、結論を下した。蒸し返すな」
「分かってる。ルーファウスもだよ。限界とか、非力とか、そういう言い方しないって、約束したでしょ。やめて」
「分かった」
「よし。はい、続き」
「私は私の意志で、初めてセトラの力に手をつける」
「わたしたちの赤ちゃん」
「そうだ。セトラだ。私は私たちの子供を。セトラの子供を。なあ、エアリス」
「うん」
「お前の腹は、薄いな」
「ルーファウスったら。そんなに撫でても、わたしのお腹、まだお留守だよ」
「分かっている。だが、私たちの子供が、このなかに宿るとき」
「ね、ルーファウス。蒸し返さない。でしょ」
「そうだ」
「うん」
「ジェノバを封印する。私たちの血筋でな」
「決めたから」
「ああ、決めた」
「二人で、たくさん、毎日たくさんたくさん話して、きちんと」
「無論、子供一人に担わせる気はない。髪の一筋ほどもだ。この重責を果たすのは、私だ」
「ルーファウス」
「そもそもの話、これは私が親父から相続した厄介ごとだからな。私が最前に立つ。私の持ち得る力を、全力を投じて、わが子をバックアップする」
「うん」
「まず、力をたくわえなければならない。たとえば資金力と武力、いや、私は武器屋を廃業したのだから、ここは自衛力としておこう。そして力をたくわえるにも、それを使うにも大量の人材がいる。人材を雇用するには賃金と、さて、何が必要だ、エアリス」
「ぶれない人。強い人。リーダーシップ、ぜったいいるね。たくさんの人、まとめなきゃだから。あら、不思議。全部そろうのって、それって」
「神羅カンパニーだ。私だな」
「だね」
「だがな、エアリス。ジェノバの封印に成功したところで、これはまだ元金の返済にすぎない。利息はとんでもなくふくれ上がっている」
「利息って、『世界の再建』ってやつでしょ。道つくったり、電車つくったり。木、植えたりね。ちょっとずつ、返してるのにね。だけど」
「そうだ。まだまだだ。先は長い」
「きっと、いっぱいかかるね。お金も、時間も、いっぱい」
「何だ、エアリス。何をこそこそ笑っている」
「だって。わたし、何でこんな借金まみれの人と、結婚しちゃったのかなって。普通、いやだよね」
「まったくだな」
「あなたで、よかった。あなたが、いい。ルーファウスじゃなきゃ、いや」
「エアリス」
「いっしょにいて、すごく気持ちのいい人だから。本当に、真直ぐな人」
「エヴァンの言う通りだな。私の妻は、男の趣味がおかしい。負債は、夫婦の共有財産だぞ」
「うん。がんばって、いっしょに返そう。家族、皆でだよ。ね、ルーファウス」
「ああ」
「わたしたちの赤ちゃん、大人になって。私たちみたいにね、大切な人と出会って。また赤ちゃん、生まれて」
「セトラの血筋の子供たちが、神羅のリーダーシップを備えて、ジェノバの封印を死守する。このくそったれの星の面倒を、末長く見てやろう」
「その前に、ね、神羅の社長さん」
「何だ」
「会社、つぶさないでね」
「おい、エアリス。私の決意を挫くようなことを言うなよ」
「違うよ。気合、入れてもらおうと思って」
「言い方というものがあるだろう」
「現実、見なきゃ。神羅の評判、これ以上、悪くならないように。会社、倒産しないように。長く、長く、続くように。まずは会社の立て直し、がんばろうね」
「お前は耳に痛いことを、はっきりと言う」
「一人くらい、いなくっちゃ。あなたのとなりに、ね、ルーファウス」
「私の妻は、空恐ろしい」
■END■
20230309
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