「すごい。ね、ルーファウス」
曇天の下、エアリスがはしゃいでいる。視線の先にあるのは、広葉樹に寄生する真丸のかたまりだった。緑色をしている。
「宿木。あっちもこっちも、いっぱい。これって全部、本物なの」
「確かめてみようか、エアリス」
ルーファウスは目を細くする。乾季をすぎてすっかり葉を落とした木々のなかで、それらのあざやかさはまだ遠い春の訪れを思わせる。だが、と彼はさらに笑みを深くする。
新葉が萌えでたようなそれなら、一対、ルーファウスのとなりにいつもある。
「Let's kiss under the mistletoe.」
ルーファウスが気取る。軽く口唇を突きだしたところで、エアリスが笑ってかわした。
「しないよ、キスは。だって」