祭子
2022-07-18 13:05:05
762文字
Public FF7/R×A/TLKG
 

■THROUGH THICK AND THIN■

∠[ν]-εγλ0010/01
神羅社長はベッドでの眠る位置を明確に決めています。万が一を想像したエアリスがむくれます。
※サイト掲載テキスト(20200820初出)

■THROUGH THICK AND THIN■
∠[ν]-εγλ0010/01


 ルーファウスのことで、最近気がついたの。
 広い部屋の、大きなベッド。
 朝日も星空も寝転びながら眺められる窓じゃなくて、壁際にベッドを置いているわけ。
 出入りに便利なドアからうんと遠いところで横になるわけ。
 せっかくの大きなベッドなのに、端っこで眠るわけ。
 そこがいちばん生き延びられる可能性、ある場所だから。
 ヘッドボードとベッドマットのあいだには、ハンドガンが隠してある。ベッドの下にもハンドガンとショットガン。家のなか、あっちこっち武器だらけ。これはちょっとどうかと思うけど鞭もある。ひょっとして、鞭、気に入ったのかな。
 今までの、この人の境遇を思う。そしてこの先の、この人の生き方を思う。
 これからも、きっと、ずっと、端っこで休むのだろうこの人のことを。
「あれ、ということは」
「どうした」
 今もベッドで向かいあって寝転がってるけれど。だから、わたしはいつだってドア側。ということは。
「わたし、弾除けってやつ、なのかな」
「急に何を」
 言いだしたのかと眉をしかめたルーファウスが、笑いだした。
「お前の」
「わたしの」
「その薄っぺらな身体では、盾にしたところで銃弾は貫通する。お前もろとも私もアウトだ」
 わたしの胸、わざわざ指差して、ルーファウスがまた笑った。この人ったら、もう。
「また、そうやって、失礼なこと言うんだから」
「事実だ。そもそも、侵入者にはお前は見えないだろうが、そうだな」
 ルーファウスは少し考えてから、わたしを真直ぐに見た。
「何かあれば、いっしょに逃げるぞ」
 ああ、もう。変なとこ優しいから、怒るに怒れない。もう。


■END■
(何があっても)

20200820