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祭子
2022-07-18 12:49:35
7685文字
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FF7/R×A/TLKG
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■TAKE ON NEW MEANINGS■
∠[ν]-εγλ0010/2
特別なディナーのためにエアリスはお洒落をします。ホストはできたてほやほやの彼女の夫です。
※サイト掲載テキスト(20201006初出)
■TAKE ON NEW MEANINGS■
∠[ν]-εγλ0010/2
パフを片手に、エアリスは鏡のなかのエアリスと睨めっこをしていた。
「ささやかだが、バースデーディナーを用意しよう。主賓はめかしこんでこい」
ルーファウスは主宰者らしく言って、彼女をバスルームへ追いやった。そのあいだに晩餐の用意をしてくれるらしい。今日はケータリング業者が休みのはずだ。そんな日の夕食は大方が冷凍食品だった。いったい彼は何を用意してくれるのだろう。化粧を直す彼女の頬が、おのずとゆるむ。
さて、とエアリスは化粧品のキャビネットを見る。ルージュだけでもまるで絵具セットのように賑やかだ。そのなかから数本を洗面カウンターに並べた。どれも普段使うには、少し勇気のいる色加減だった。
「せっかくだもの。冒険しちゃおうかな」
今日は誕生日で、さらには結婚記念日なのだ。花やかなほうがいいだろう。エアリスは日中の彼の言葉を思いだす。ルージュは深い色あいのローズに決めた。丁寧に紅を点す。ぐんと大人びた顔に彼女は戸惑う。きっとワンピースのせいだろう。濃色のそれは深めのスクエアネックで、膝丈だった。そしてとてもタイトだ。着こなすにはボディラインの減り張りと、外見への自信がなければ難しそうだった。
「ルーファウスの趣味なのかな、やっぱり。ぼんきゅぼんって、こういうの似あう人」
彼から貰い受けた衣類のほとんどが、二年前までミッドガル参番街のブランドストリートでスタイル抜群のマネキンが着ていたものだ。エアリスは参番街へ花を売りに行ったことがある。八番街の繁華とはまたおもむきの違う、シークな雰囲気だった。陳列窓に映る自身の姿に気後れした。ハイソサエティーな人々は、生花より人間の感性がつくりだした美で身を飾ることに愉悦を覚えるのだろう。バスケットは空になることなく、花が萎れる前に売場を変えたことを今でも覚えている。
メテオショックは造形芸術をつくりだすことやそれを楽しむ余裕までをも、人々から奪った。エアリスはミッドガルの泉を求めて集まった
――
疲労の影が拭いきれていない
――
人々を思いだした。WROの配給というていで、ルーファウスはかねてから神羅の物流倉庫にある衣類を寄付していたらしい。ファストファッションもブランドもいっしょくたに。よれよれに着古されたハイブランドが、何だかもの悲しかった。
復興は目覚ましいが、モードはまだあれきり止まったままだ。ルーファウスは流行遅れだと言うけれど、そもそも流行り廃りを左右する機関が機能していない。それならば彼にはいっそうのこと神羅再興をがんばってもらって、ファッション業界を盛り立ててほしいとエアリスは思う。好きな服を着る。ただそれだけのことで得られる喜びを、人々に少しでも早く思いだしてもらいたかった。
世のなかはまだそんな状況だというのに、きれいに化粧をし、爪先にあざやかな色を乗せ、着飾ることのできる今の生活はとても贅沢だ。彼女の好みとは違うが、だからこそチャレンジしてみようという気になる。何より、きらびやかな服に囲まれて浮き立つ心を静めることが難しかった。エアリスは髪を胸の前で一束にまとめる。と、ブラシをかけた。誕生日のことだってそうだ。何だかだとふさいでいた気分を、彼は高揚させてくれた。
すてきな機会をくれるルーファウスには、勿論感謝している。それにしても。
「肌蹴けすぎでしょ、これ」
エアリスは肩を捻る。鏡ごしに背中が見えた。腰の付根あたりまで、すっかりと。
「興味ないふりして。結局、男の人って好きなんだね、こういうの」
これでもまだ控え目なほうなのだから困ったものだ。おかげで彼の前では髪が結えなくなった。昨日は胸元をおおうのに、今日は背中を隠すのに長く伸ばした髪が役に立っている。
「ずるいなあ、もう」
自分はいつもきっちり着こんでいるくせに、と。エアリスはくちびるを尖らせながら、支度を続ける。最後にアクセントになるものを探したが、ジュエリーはおろかフォーマルなアクセサリーなど持ちあわせがない。久々にチョーカーをつけた。花のモチーフで胸元を飾ってから、バックドロップ型のネックレスのように紐は背中に垂らした。
「何だか、ごちゃごちゃしてる」
ルーファウスはバランスが大事だと言った。思いきって髪をアップスタイルにする。首まわりがすっきりとして、見栄えはよくなった。だが剥きだしの背中がどうにも心許ない。胸郭の背面には傷痕がある。それは彼女を死にいたらしめたもので、そして今のエアリスがあのいのちの続きにいることの証だった。彼は醜いと思うだろうか。エアリスは鏡のなかの不安そうなエアリスと見つめあう。
「恥ずかしい。やっぱり、だめ」
結い上げた髪に手を伸ばした、ちょうどそのときだった。
「準備はできたか」
ドアがノックもなく開いた。小さな悲鳴を上げたエアリスは、ルーファウスの姿に再び驚いた。仕事用とは違うスーツは、シャドーチェックのダークカラーだ。ノーネクタイだが、ポケットチーフをふんわりと山型にのぞかせていている。ラペルピンは花をかたちどったもので、エアリスのチョーカーのモチーフとよく似ていた。
「上出来だ」
腕を曲げて差しだすルーファウスは、上機嫌だった。エアリスは再び鏡のなかの彼女にめくばせをする。及第点をもらえたみたい、と。
「新妻をエスコートしよう」
気取った言い方に、エアリスは口元を綻ばせた。夫の腕に指をかけてダイニングへと向かう。その途中で気がついた。晩餐のメインディッシュは冷凍食品に違いない。においが廊下に充満している。それでもはやる気持ちは収まらない。
思った通り、テーブルには解凍されたばかりのプレートが二つ、ほかほかと湯気を上げていた。両脇にはシルバーのカトラリーが順に並んでいる。冷凍食品の空箱が調理台へと放られていた。メニューは見なくても分かる、『肉料理、マッシュポテト、野菜』だ。
「やっぱり、TVディナーね。このシリーズのハンバーグ、わたし、けっこう好きだよ」
「知っている。安い肉の臭み消しに、マデイラ酒がよく効いている」
「ちょっと、安いとか言わないの」
「軍用レーションと迷ったぞ。お前はレーションのミートソースラザニアも好きだっただろう。あのどろどろの」
ルーファウスは口角を吊り上げた。ダイニングチェアを引き、エアリスを座らせる。と、硝子製のシャンパーニュクーラーからボトルを引き上げた。
「おかしな話だ。どちらも試食の段階ではな、開発責任者やスタッフの前でくそ不味いと悪態をつきそうになった代物だ」
「想像できるよ。怖い顔、してたんでしょ。眉間、しわしわにして。がんばってつくったのに、皆、かわいそう」
「仕方がない。まさか私がインスタント食品の世話になる日がくるとは、あのころは思いもしなかった」
「いつも、ちゃんと残さないで食べてるの、偉いね」
「まあな。これよりひどい食事も取っていたことがある。腹が減れば、何でも食えるな」
「人って、慣れるいきものだから」
「至言だ。まあ、味つけは濃いぶん、どのような酒にもあう」
ルーファウスはきんきんに冷えたシャンパーニュを、慣れた手つきで開栓している。エアリスは目を細めた。彼の所作は洗練されていて、見ていて気持ちがいい。
「さすがにバースデーディナーがこれでは、ホスト失格だろう。ワインセラーにプレステージを残しておいたのでな」
彼が大事に取って置くくらいのシャンパーニュだ。ミッドガル参番街のグランメゾンクラスの格式でなければ、でまわらないような銘柄なのかもしれなかった。ルーファウスが祝うべき日は、もっとほかにあるのではないか。エアリスは不安になる。
「そんな顔をするな。今日は特別な日だ。かまわない」
軽快な口調で、彼はボトルを傾ける。フルートグラスに注がれる淡い金色の、泡の立ち方がきれいだった。
「もう一度、言おうか」
ルーファウスはグラスを掲げた。エアリスも持ち手をつまむ。
「ハッピーバースデー、エアリス」
「じゃあ、わたしからも。結婚おめでとう、ルーファウス」
驚いて止まっている彼のグラスに、エアリスは自身のそれをふれあわせる。かりん、と胸の空くような音がした。
「なるほど、今日という日にふさわしいシャンパーニュだ」
香味と炭酸ガスを飲みこんで、美味いな、と彼は言った。ルーファウスはこの状況を楽しんでいる。そして寛容だった。大抵のことは受け入れてくれる人だと、エアリスはもう知っていた。
「あなたのプロポーズね。お断りしようかと、ちょっと迷たんだけど」
「なぜ」
「だって、唐突すぎるでしょ、あれ。おつきあいしてくださいって、まだ言われてもないのに」
「運命だとでも言えば、満足か」
「運命だって言うなら、せめてプロポーズくらい、ロマンチックなのがよかった」
冗談めかした彼女の口振りに、ルーファウスもまた調子をあわせる。エアリスはグラスを置く。彼の渾身の馳走が冷めてはいけない。マッシュポテトにカトラリーを作法通りに入れながら、小首を傾げた。
「プロポーズはいまいちだけど。でもね、お金持ちで、顔がよくて、背の高い人、ふったりしたら勿体ないかなって」
「金とルックスが決め手か。女は結局そうなる」
テーブルごしに顔を見あわせる。二人はこらえきれずに笑った。笑みが引いたあと、エアリスはそっとナイフとフォークを置いた。
「本当はね、ルーファウス、優しい人だから」
「優しい。私がか」
ルーファウスはミックスベジタブルを飲み下すと、訝しがった。エアリスは微笑む。
日にちが巡れば二月はやって来る。七日になると彼女は誕生日を迎える。当然のことだった。だが、エアリスの時間は二二歳で止まったきりだ。今を生きていないはずの彼女には、誕生日を迎えることが恐ろしかった。受け入れがたいことだとすら思っていた。
それでもエアリスの心は正直だ。生まれた日を気にかけてくれる人がいるということが、嬉しかったのだ。とても。
「誕生日、お祝いしてくれてるでしょ」
エアリスはシャンパーニュを飲み干す。口内に残る肉汁を、力強い酸と気泡がリセットした。ルーファウスは黙ったままボトルを傾ける。
「ここにいるって感じ、する」
再び満たされたグラスの、プレートを彼女は両手で押さえた。
何の因果か、エアリスはいまだライフストリームに戻れないでいる。所在なく、ただ風に遊ばれてはためく布のようなエアリスを、彼は地上に縫いとどめてくれた。それだけではない。ルーファウスはあろうことか彼の配偶者として、エアリスの『個』を証明したのだ。
生きた証をねだったのはエアリスだ。だが、彼女を今に生きている人間へと変えてくれたのはルーファウスだった。何だ、そんなことか。彼らしく皮肉りながら、そうやって一笑にふしてくれたおかげだ。だからエアリスは二月七日を経て、明日を迎える覚悟を決めた。
エアリスは両手を組みあわせると、かすかに頷いた。そうと決めたからには、楽しまなければ勿体ない。何歳になるのか分からないけれど、今年の誕生日は今日一日、一回かぎりなのだから。
不安は、勿論ある。咽喉の渇きがやまない。エアリスは続け様にシャンパーニュを含む。動悸がするのはアルコールのせいにしておきたかった。
誕生日を受け入れることで、今日、明日と、この先続く日々がすべて彼女のものになるのではないかと錯覚しそうになる。それが少し恐ろしい。ルーファウスとの暮らしは思いのほか楽しい。よく笑い、たまに泣きたくなる日もある。ひょっとしたらまた怒りを覚えることもあるのかもしれない。そんな風にして一日一日を重ねるほど、この生活が手放しがたいものになっていく。いつか使命を果たしたとき、エアリスに残るのはきっと未練だ。
だが生きていても人は必ず死ぬ。死期は決まっていない。不安定ないのちなのは、何も彼女だけではなかった。誰もが何一つ心残りのないようすごすということは、きっと難しい。
ならばいっそのこと未練ごとかかえて星へ還ろうと、エアリスは思っている。終わりの日が辛くなると分かっていても、淡々と消化する何もない日より、情動に翻弄されながら目まぐるしくすごす日を選ぶ。愛着を残して傷つくのは、それは彼女自身の問題だ。どうとでもなる。
ただ、ルーファウスの負担にはなりたくない。エアリスは両手で持ったフルートグラスに視線を落とす。薄い硝子の向こう、卓上に置かれた彼の長い指が見えた。
彼は多くのものを失ってきた。そしてこれからもより多くのものを失うのだろう。ときには自らの手で選別し、切り捨てていかなければならない。ルーファウスは喪失の痛みに強い人だ。今もまた喪失を糧にして這い上がろうとしている最中だった。だからといって情動の希薄な人ではなかった。現に彼はまだ肉親への複雑な思いをかかえている。
彼にとって家族
――
夫妻
――
という関係は、ごっこ遊びの延長のようなものなのかもしれない。それでもよかった。そのほうがよかった。エアリスもまた、ルーファウスがこの先必ず失うものの一つだ。彼は記憶力に秀でている。失ったものを忘れはしないだろう。せめて面白い思い出として残れたらいいけれど、エアリスはそう願わずにはいられなかった。
ルーファウスのグラスから気泡が抜けていく。彼女に向けられる眼差は真剣で、眸が潤みそうになるのをエアリスはこらえた。
「断らなくて、よかった。あなたの妻になれて、よかった」
夫妻と呼ぶにはこそばゆい。パートナーとして立ち並ぶには力足らずだ。それでも今、がんばって這い上がろうとしている彼の手助けをしたい。彼が言うところの『世界への負債の返済』や、何よりルーファウス自身のためにできることはきっとある。
誕生日というのは人生の区切りにちょうどいい。まさかの結婚もした。エアリスはルーファウスの伴侶として、ここで生きる。
「だから、ちょっとくらい妻らしいこと、したいんだけど」
差し当たってできそうなことを彼女は考える。ルーファウスは新しい世界の導き手だ。そのためには、まず元気になってもらわなければならない。ハーブサプリメントは順調だった。今晩は子守歌が必要なさそうだ。それから。
「せめて朝ご飯くらい、つくろうかなと思うんですけど、どうでしょう」
「お前は料理ができないのかと思っていた」
「失礼しちゃう。できるかできないかって聞かれたら、できるけど」
おずおずとこたえる彼女を、ルーファウスは興味深そうに見ている。エアリスは上目のまま、声を小さくする。
「美味しいかどうかは、また別の問題なの」
ルーファウスは声を立てて笑った。悔しいが仕方がない。エアリスの母親は料理がうまかった。勿論、彼女も手伝いはした。買いだし、食材の下拵えやあと片づけ、食後のお茶の支度まで。だが肝心のレシピはいつも母親任せだった。調理法などいつでも聞ける、わざわざ覚えなくても母親の手料理ならいつまでも食べられると思って、甘えていた。
機会にはきっと足が生えている。逃がす前に、行動に移すべきだ。エアリスはしたいことリストの『あたたかい食事をつくる』という項目を、まずは『朝ご飯』に書き換えることにした。
「お料理はね、ちょっとリハビリがいるの。だから、まずは簡単な朝ご飯から、どうかなって。ケータリング、すぐ冷めちゃうでしょ。つくりたて、食べてほしいから」
「妻の手料理というやつか」
ルーファウスの声には珍しく期待がこめられていた。エアリスは恥ずかしくなった。彼の肥えた舌に差しだすのは、やはり心苦しい。そんな彼女の様子をよそに見て、ルーファウスはエアリスの提案に乗り気のようだ。
「調理器具から揃えなければならないな」
「また、ジャッド、吃驚しちゃうね」
「あいつもそろそろ慣れてきたようだ。ただ、ジャッドのやつめ、また妙な勘違いを起こさなければいいが」
「勘違いって」
何でもない、とルーファウスは空笑いしている。そうして彼女に向ける顔も、何だか困惑していた。
「妻への初めての贈物がクラッキングデータ、その次がフライパンとレードルか。こんなことになるとは思いもしなかった」
ダイニングチェアに行儀悪くもたれながら、彼はシャンパーニュを呷った。
「せめて指輪くらいは、きちんとしたものを揃えたいところだな」
「お給料の三箇月分、なんでしょ」
「おやおや。握りこぶしほどのダイヤモンドをご所望らしい。強欲だな」
「嘘。神羅の社長さんって、そんなに高給取りなの」
「正しくは神羅の副社長時代だ。役員報酬を舐めるなよ。ただし、今はほぼ無給だぞ」
「嘘。何で」
「入ってきたぶんは、ほとんどでていく。私的に支援すべきところが、いくつもある」
「そんなこと聞いちゃったら、もう指輪なんておねだりできないじゃない」
「いや、私にも夫の意地というものがある。指輪はしばらく待て。生憎と神羅は宝飾関係に手をだしていなかったのでな。私もコネクションがない」
デミグラスソースがひたひたのハンバーグを切り分けながら、ルーファウスは言った。目つきが鋭くなる。きっと彼の脳裏には宝石商や宝飾品加工業者のリストが広げられているに違いない。エアリスは野菜を食べながら、満面に笑みを湛える。
『神羅社長の大冒険』のなかで、金かものばかりを与えてきた男だと、ルーファウスはそんな風に実父のことを語っていた。だが彼はその裏にある気持ちを汲んだことはあっただろうか。勿論、こめられた愛情が誰に対しても平等
――
感謝や親愛、真摯な恋情もあっただろう
――
というわけにはいかない。それでも誰かのためにものを贈るということは、相手に心を砕いているという印だ。二人はなかなかにこじれた親子関係だったようだ。そして父親はもういない。和解する機会を失ったまま、彼はねじけてしまった。
第三者が口をはさんだところで解決できる問題ではない。それならば、とエアリスは口を開く。
「ね、ルーファウス。用意してくれようとする、その気持ちが嬉しい」
彼女はただ本音をぶつける。ルーファウスがエアリスにしてくれること。それが嬉しいのだと、伝え続けよう。
したいことリストを書き連ねたノートを、エアリスは心のなかでもう一度開く。いくつかのしたいことは、すでに叶えられている。『あたたかい食事をつくる』は少し早まったかもしれない。それから『結婚』という文言には取消線を引いておかなければ。エアリスは思わず笑みをこぼす。いちばん叶わない願いだと思っていたのに。
そんなことを考えながら、エアリスは最高に美味しいマッシュポテトを口に入れた。
■END■
(新しい意味を帯びる)
20201006
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