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魍魅 魎
2015-08-26 00:55:44
1048文字
Public
創作
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【創作】「ありがとう」の代わりに【ブラッディサニー組】
請けた仕事のせいで昼寝ができなかった話
陽が東の地平線から離れた頃、大家の制止を振り切り、アパートの屋根裏部屋へ向かう男が1人。
「ん?」
階段から屋根裏部屋へ続く廊下に出た時、ドアの前に布の塊を見つけた。
近づくとそれは頭からつま先まですっぽり布を纏った人間がドアを背に座り込んでいる様だった。
「誰だか知らないが。そこを退いてくれ。」
「だめ」
身動きせず返ってきたのは拒否の言葉だった。
「アスの仲間か?わたしは昨日まで昼間の仕事を奴に頼んでいた者だ。事情が変わり今日も頼みたい。」
「だめ」
「何故だ!?」
返ってきた同じ言葉に男の声が大きくなる。
「最近ずっと暗い時眠ってたから、だめ」
「暗い時
……
夜か?ちゃんと寝ているなら問題ないだろう?退くんだ。」
男の言葉に布を纏った人物がゆらゆらとと立ち上がる。
「
…
だめだって言ってるのに
…
、やっても大丈夫かな?アル怒るかな
…
」
「何をぶつぶつと言ってるんだ、早くそこをーー」
ガチャ
…
「あんたか
…
」
男が詰め寄ろうとした時、ドアが開き部屋の主アル・シャインが姿を見せた。ヘッドギアは外しており、上半身は何も纏っていない就寝時の格好だった。
眉間に皺が寄っていて、不機嫌な様子が見て取れる。
「ああ、アス。事情が変わった。今日もー」
「今夜大事な依頼を既に受けてる。」
言葉を被せ断ったアルの言葉に、男の顔が固まる。
「そ、それは幾らなんだ?その3倍は出す!だから」
引き下がらない男にアルが1歩近づく。
「なんで大家があんたを止めようとしたのか、分かってないみたいだな」
「ひっ」
始めから付けていたのか、右手には愛用の金属製の爪が光り、それが今、男の喉に向けられている。
「
…
昼間来る奴は生きて建物を出ていけないからだ。
……
どうする?私は構わないが。」
「わ、わかった。ほ、他を当たる、よ。」
アルがゆっくり爪をひいた事を確認して、男は転げる様に階段を降りていった。
男の足音が聞こえなくなった頃、ズボンを軽くつまんで引かれ、アルが傍らで大人しくしていた、布を纏ったレーヴに視線を落とす。
「どうした?」
「今夜は仕事無いって」
「無い。気が向いたら酒場には行く。」
そう言って、頭を掻き、アルがレーヴに向き直った。
「アル?」
徐ろにレーヴの頭に手をのせ、軽くぽんぽんと撫ぜながら、アルが欠伸を噛み殺した。
「
…
寝る。今日は帰るか?どうする?」
「んー、眠ってく。」
ふにゃっとフードの下で笑ったレーヴを先に部屋へ入れると、アルは部屋のドアを静かに閉めた。
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